花とゆめコミックス「夏目友人帳」10巻 -偽りの友人の章【前編】-遅くなりました。しかもやっぱり分割です(汗)
発売日7/5にちゃんと買ったんですが、感想が遅れました。
平日は落ち着かないしねぇ…。
夏目の感想は、ちょっと落ち着いて書きたいんですよね。
先週の土日は家をけっこう開けていたもので、
書き掛けたけど途中止まりになっていました。
この連休で書き上げたい所です…。(汗)
せめて偽りの友人の章だけでも…(え)
橘はLaLaを購読してしておりますので、
10巻に掲載されているお話は連載中に既読です。
でも感想は基本、コミック単位で書いてますので
連載中はうずうずしながらも、上げずにいました。
表紙が綺麗なんですよねぇ…。
なんか緑川先生、最近のカラー画、ほんと素敵ですね。
豊月様姿の夏目、カッコ良いなぁ…。うっとり。
9巻の表紙もとても素敵でお気に入りなんですが。
これね↓
「夏目友人帳」コミックスのお気に入り表紙の1位2位ですね。
以前の表紙の画達は、
「あー、うんうん、コミックスの表紙っぽい」
と思える画だったんだけど、ここ2枚の画は、
単独でとても絵になる、飾っておきたくなる、
雰囲気がある画なんですよね。
ブログを引っ越してfc2になって、文字規制はなくなりましたが、
そうは言っても私の感想文は、やっぱり長いです。
途中でブレイク入れたいと思う。 書いてる本人が思っちゃう。
なのでやっぱり夏目コミックスの感想は、
前ブログの時と同様、各話単位で行こうと思います。
つまり本誌連載時と同じ区切りってことです。
ラストもそういう引きになってるから、
感想の区切りも丁度良いし。
私がいっぺんに書けないって事もありますしね。
ご容赦ください。
いっぺんに読みたいって方は、
後続の記事にリンク貼って行きますので、
溜まってからお好きな所で読んでやってくださいませ。
平日は落ち着かないしねぇ…。
夏目の感想は、ちょっと落ち着いて書きたいんですよね。
先週の土日は家をけっこう開けていたもので、
書き掛けたけど途中止まりになっていました。
この連休で書き上げたい所です…。(汗)
せめて偽りの友人の章だけでも…(え)
橘はLaLaを購読してしておりますので、
10巻に掲載されているお話は連載中に既読です。
でも感想は基本、コミック単位で書いてますので
連載中はうずうずしながらも、上げずにいました。
表紙が綺麗なんですよねぇ…。
![]() | 夏目友人帳 10 (花とゆめCOMICS) (2010/07/05) 緑川 ゆき 商品詳細を見る |
なんか緑川先生、最近のカラー画、ほんと素敵ですね。
豊月様姿の夏目、カッコ良いなぁ…。うっとり。
9巻の表紙もとても素敵でお気に入りなんですが。
これね↓
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「夏目友人帳」コミックスのお気に入り表紙の1位2位ですね。
以前の表紙の画達は、
「あー、うんうん、コミックスの表紙っぽい」
と思える画だったんだけど、ここ2枚の画は、
単独でとても絵になる、飾っておきたくなる、
雰囲気がある画なんですよね。
ブログを引っ越してfc2になって、文字規制はなくなりましたが、
そうは言っても私の感想文は、やっぱり長いです。
途中でブレイク入れたいと思う。 書いてる本人が思っちゃう。
なのでやっぱり夏目コミックスの感想は、
前ブログの時と同様、各話単位で行こうと思います。
つまり本誌連載時と同じ区切りってことです。
ラストもそういう引きになってるから、
感想の区切りも丁度良いし。
私がいっぺんに書けないって事もありますしね。
ご容赦ください。
いっぺんに読みたいって方は、
後続の記事にリンク貼って行きますので、
溜まってからお好きな所で読んでやってくださいませ。
※ちなみに思い切りネタバレしてます。感想書くにあたり、
あらすじをほとんど舐めつつ進んでます。
まだ10巻買ってなくて、これから読む予定の人、
及び、夏目三期を期待して「まだ原作は読まないわっ!」
って方は、ご注意ください。
いいですかー?
さて、まずは【偽りの友人の章】から参ります。
本誌では前後編で描かれたお話。
第三十七話が前編、第三十八話が後編。
この記事は第三十七話の感想です。
前編の表紙は柿が一個ついた枝を口に咥えて樹から飛び降りようと
しているニャンコ先生と、見上げて笑ってる夏目。
その樹はけっこうなお年のようで、根元あたりに空洞が出来てて、
真っ暗なその空洞にキョロリとした眼が2つ。
妖が居るんですね。この眼がなければただのほのぼの画なんですけど、
これがあるだけで、妖のお話だと分かりますね。
-小さい頃から時々 変なものを見た。
他の人には見えないらしいそれらはおそらく
妖怪と呼ばれるものの類
夏目の物語はいつもこの独白から始まる。
もう脳内ですっかり神谷さんが喋ってくれてます。(笑)
朝、学校へ行こうとしている夏目に、
塔子が帰りにケーキを買って来て欲しいと頼む。
今日は滋の誕生日らしい。
「いいですね、どんなケーキがいいですか?」
その聞き方が既に大人だよね、夏目。
お誕生日っぽく生クリームが良いかしらと塔子。
「白くてきれいなショートケーキを三つお願いね」
ちょっと頬染めてる、塔子が可愛いです。
はいと笑顔で台所を後にした夏目に、タンスの上の招き猫が
「四つだ」
くふふ。
ですよねぇ。ニャンコ先生の食べますよ、ケーキ。
猫は甘いものを食べちゃ行けないんだと夏目が言ってますが、
そうなんですか?
昔飼ってた事あるけど、犬も猫も、
私達が食べてると欲しがるものだから、
なんでも食わせてしまっていた気がする…。
「猫ではない!スイーツを愛する招き猫だ!」
招き猫ではなくて妖でしょうが。
授業が終わると
「夏目、帰るぞー」
西村が声をかける。描かれてるのは校舎であり、
このコマに彼らの顔は無いのだけど、それでも分かるのがイイ。
悪い、買い物があるからと言いかけた夏目だけど、
「そうだ美味しいケーキの店を知らないか?」
彼らに協力を仰ぐ。うんうん良い傾向だね。
「ケーキ屋?」
きっとそう聞き返したのが北本だね。
西村が知ってたらしく連れてきてもらった店は、
その名も『かわいいの森』(笑)
店が外観からしてキラキラしています。
決して西日が差してるせいではなく。(笑)
「…あそこか?」
青ざめて冷や汗タラリな夏目に、
「あそこだ」
西村はきっぱり、すっぱり肯定。
「あんなかわいい所、男が入っていいもんなのか?」
北本も夏目同様、青くなって冷や汗タラリ。
ハードルが高いと諦めかける夏目に、
「普段ニャンコを抱いて歩き回ってるお前が
今さら何かわゆいお店に入るくらいのこと
恥ずかしがってんだ!行け!」
あはははは。確かに。
可愛くない猫ですし、…いや、猫ですらないんですけどね。
躊躇う夏目の背中を押したのは、
滋さん達に美味いケーキを食わせたいんだろうという
西村の言葉。
西村、なかなか夏目の扱い方心得てるな。
行く気になって拳握る夏目が笑える。
そんなに一大決心が要るものなのかケーキ屋って。
行くとなったら、ちゃっかり自分の分のシュークリームを
頼む西村。ははは、アンタらしいなぁ。
そんな彼らの様子を離れた所から見ていた男が居る。
本人だと確信したのか近づいて「ナツメ」と声を掛けて来た。
「お前、夏目貴志だろ?やっと見つけた。久しぶり」
学ランな夏目達と違ってコートの下に見えるのは
ブレザーにネクタイの制服。
それだけでなんか大人っぽく見えますね。
ちょっと軟派そうに見えるタレ眼でクセ毛の男の子です。
久しぶりと言われて夏目は固まる。
誰だか全く思い出せないようです。
そりゃタライ回しで、あまりにあちこち行きすぎて
しかも自分は周囲と距離も置いていたわけですし、
覚えてないわよね、そんなちょっと居ただけの学校の
同級生なんて。
夏目の知り合い?と西村は人懐こい顔を向ける。
西村がこの辺では見かけない制服と言ってるので、
隣町ぐらいの近さではなさそうだ。
「へぇこっちでは友達出来たんだ」
その言葉に西村と北本がむっとするのが良い。
ところで…と彼が確認したのは、
夏目が相変わらずかどうか。
「-…何が」
夏目の顔が引き攣り、西村が相手に噛み付く。
「おいあんた、突然なんだよ」
ふふ、可愛いね西村。
彼は榊西高の柴田だと名乗った。
夏目とは小学校が同じだった時があるらしい。
夏目が変わり者だったから覚えているのだと
柴田は言う。
話があるから少し付き合って欲しいという事で、
夏目は西村達と別れて柴田と行動を共にする。
感じ悪いヤツだと判断した西村が、
夏目を連れてこの場を去ろうとしてたんだよね。
でも夏目は柴田を取る事になり…
ちょっと西村北本が可哀想だったよ。
夏目的には、この場で柴田の知ってる過去を
西村達に話されたくなかったからなんだけどね。
黙って先を歩く柴田に何処まで行くのだと訊いても
いいからついて来いと言われる夏目。
柴田をすっかり忘れてる夏目は、妖なのかと疑ってみたりもする。
彼の眼には同じように見えちゃいますからね。
ムッとした顔で、あいにくお前なんてまったく記憶にないと
夏目が言えば、雰囲気が変わったと柴田が少し驚く。
昔はすまし顔なくせ人の顔色ばかり気にしていたのに…。
「お前さぁ…今も言ってんの?」
皆の気を引くため皆には見えないものが見えると言ってた
あれは本当なのか。
ドクン ドクン ドクン
夏目の胸の鼓動は早まり、下ろした腕の先で手がぎゅっと握られる。
あの頃はそういう嘘でも言わないと構ってもらえなかったから。
そう答えても、顔色は誤魔化しようがないほど青ざめてる。
「…マジか」
自分で振っておきながら、いざ聴くとちょっと重かったみたいね、
柴田にも。
本当に人ではないものが見えるのだろうと追求されて、
更に夏目の鼓動は大きな音を立てる。
「くだらない、小さい頃の狂言を何本気にとってんだ。
おれは帰る」
夏目が背を向けると柴田が追いかけるように叫んだ、
帰ったらまた会いに行く、と。
西村達に知られたくないのは、本当の事だからなのだろう。
弱点掴まれてしまいました。
夏目の愕然とした顔…。
彼のこういう顔見るの、辛いなぁ。
ところで柴田が夏目に金を持ってるか訊きます。
金までたかるつもりかと思ったんだけど、
電車に乗るので切符代が必要だったようで…。(汗)
仕方なく夏目の分も買ってやる柴田。
このあたりから、あれぇコイツってもしかして…?と
ニヤつきましたよ。
ガタンゴトンと電車に揺られる二人。
金ないかと言われた後の、夏目の、
「-え…」
仕方なく切符を二人分買う柴田への
「え…」
ホラよと渡された時の
「…え?」
この三弾落ちと、電車の中の無言の二人。
一拍置いて…
「おい、本当にどこ行く気だ」
「うるせー黙ってついてこい!!」
ぶははははははっ。
テンポ良くて余計笑えるんですよね。
何のつもりだろう…と夏目は思い悩む。
知られたくないのは本当のことだからなんだろうと
さっき柴田に言われた言葉が蘇る。
-随分、嘘をつくのが下手になった。
それで、良いんだと思うけどね。
嘘付くのが上手いなんて決して良いことじゃない。
柴田が連れて来たのはとある公園。
思わず周囲を見回してた夏目を柴田がいきなり掴んで
茂みに隠れる。
「!何なんだ」
小声で抗議する夏目ですが、
柴田には見て欲しいものがあったのです。
柴田に言われるまま、夏目は葉を手でどかして覗いて見る。
髪の長い女子高生が、その先に立っていました。
柴田にどんな子かと訊かれてそう答えたのだけど、
柴田は本当か!?と、なにやら必死な様子。
「あのこ本当に人間か!?」
夏目は噴出します。
でも柴田はいたって真剣なんだよね。
ちょっと照れくささに頬を染めた柴田が、
笑う夏目を責めて、訊きます。
お前ならわかるんだろ?と。
どう見たって普通だと夏目は返す。
どうして人ではないなんて思うんだ、と。
いやぁ…でも夏目って人と妖の区別付かない人なんだから、
逆に夏目に訊くのが間違ってるんじゃ…と、この時思ったよ。(汗)
で、そんなやりとりは、もはや小声ではなかったのでしょう。
気付いてその女子高生が茂みの裏の柴田に
何をしているのかと声を掛ける。
彼女の名は村崎というようです。
一緒にいる夏目に気付いて、友達かと訊く。
「-ああナツメっていうんだ。むかしの友達」
その紹介に夏目の表情が険しくなる。
そしてぽつりと、
「嘘つき」
ははは。ちょっと女の子っぽいリアクションだな夏目。
言われた柴田のリアクションが笑えます。
「何だと!?お前話合わせろよ」
それすなわち嘘だと認めてるわけで。(笑)
でもクスクスと村崎が笑う。
仲がいいのね、と。
彼女にそんな風に言われて、柴田はちょっと戸惑ったような、
でもはにかんだような笑顔をうっすらと浮かべる。
ホッとしたような柔らかい顔。
さっきまでと全然違う顔。
それを彼より背の低い夏目が、ちろっと見上げている。
夏目も感じるものがあったのでしょうね。
その後柴田と村崎が少し話をして、彼女は帰っていった。
夏目の髪についていた葉っぱを村崎が取ってくれて、
柴田がヤキモチ焼いてるっぽい図が可愛い。
-二人は親しげで、
たぶん柴田は
彼女に想いをよせているようだった。
帰り道、柴田はちゃんと夏目に助かったと礼を言います。
「悪かったな…おれ、どうかしてたわ」
あの子をおばけだとでも思っていたのかと夏目に訊かれて
「ああ-…」
認める柴田。
そう思わせるものが彼女にあったって事だよね。
先にそれを聞いておくべきだったかな。
「-何だよ。バカみたいだと思ってんだろ」
恥ずかしさに赤くなって冷や汗流してる柴田。
思ったより悪いヤツじゃないのかもしれません。
すっかり日が沈んでしまいました。
そこで突然思い出すのは…
「わぁーっケーキーっ!!!」
…こりゃ大変だ。
「わあ何だ何だ1?」
ビクウッとなってる柴田の姿は描かれてませんが、
二人の様子が見えるようですね。
帰りはかなり遅くなったようです。
無理を言ってご免なさいと塔子は謝りますが
買ってきたケーキを見て、まぁ綺麗と喜んだ。
良かったね、夏目。
ケーキを買わなきゃいけなかったんだと思い出した夏目。
あれから近くのケーキ屋を回ったけど、
ショートケーキはほとんど売れ切れで
それは走り回ってやっと見つけた綺麗なケーキだった。
柴田も走って一緒に探してくれたんだね。
一人じゃ見つけられなかったケーキ。
ちょっと上品で洋酒がきいてそうで、私好みでもあります(おい)。
味も良かったようですよ。
滋が「お、うまいな」なんて言ってる。
「貴志くんがね、買ってきてくれたのよ」
塔子がそう付け加え、
「た、誕生日おめでとうございます」
夏目が少し恥ずかしそうに言うと、
滋はにっこり微笑む。
「-…ありがとう貴志」
この滋の台詞にもある「-…」。
先生はしばしばこれを使うのですが、普通の「-」や「…」と
どう区別しているのか。
何かちょっと含んでる時の"間"なのかなと
私は勝手に想像してまして、
ここの滋は、夏目の他人行儀な言い方に対して
思う事があるのかなと思ってみたり。
本当の両親の誕生日だったら、
「お父さん、お誕生日おめでとう」
ですよね。
まぁハイソなご家庭の坊ちゃん嬢ちゃんは、
両親や兄弟にも敬語みたいですけどね。
(実際居ましたそう言う人)
普通の家庭では敬語使いませんよね。
夏目は藤原夫妻に引き取られて、養子縁組までしてるかどうか
そこは分かりませんが、いずれにしても実子じゃないし
だいぶほぐれて来たとはいっても、
まだまだ遠慮の固まりですよね。
滋はもっと近づいて欲しいんじゃないかと思いますよ。
…って、台詞一つでこんなに色々想像したりしちゃうもんだから、
感想がちっとも進まないわけだ…。(汗)
夏目は、ちゃんとニャンコ先生分のケーキも買って来たのですね。
にしても、
「スイーツと塩モノを交互に食べるとまた格別だな」
スルメと酒とケーキを一緒に食べてたんかい。
その感覚信じられないわ。
確かにね、甘いモノ食べた後に辛いものは食べたくなる。
ケーキの後なら醤油塗ったせんべいとか食べたくなる時がある。
特に、甘ぁいヤツ食ってしまった後はね。
私は余り甘ぁいものは得意ではないので。
でも、スルメや酒は無いでしょう。
スルメって、美味いけど生臭いですからね。
スイーツと生臭いものは合わない気がしますぞ。
ってニャンコ先生は妖怪でしたね。
人間の感覚は当てはまらないわな。
疲れたと畳みにばったりうつ伏せになる夏目に、
スルメをもう一枚あぶって来いとは…。
夏目使いがなかなか荒いね先生。
でも彼はもう疲れて眼が開かないようです。
そんな夏目の横でくんくんと匂いをかいだ先生が、
「む?お前どこへ行ってきた。また妖のにおいをつけている」
やっぱり…そうですか。
夏目は先生のその言葉に疑問符を飛ばしながら、
もう眠りに落ちかけていて声にはならない。
蘇る自分の言葉。
『いいや女の子だったよ柴田』
『普通の女の子だったよ』
『どうして人じゃないなんて…』
眠る瞬間にそんな事を思ったせいか、
夏目は彼女の夢を見る。
あの森で彼女は何かの上に跨り…食べている。
バキバキと音を立てて。
…柴田を。
「うわぁっ」
飛び起きた夏目の布団の横で、
先生ったら今度は海苔の付いた煎餅食ってるよ。
そら確かに私もさっき、甘いモノの後に煎餅って話をしましたが、
先生は食いすぎ!
翌日、夏目は柴田に連れてこられた街へと向かう。
先生が変な事言うから気になったんだと言ってますが、
あの夢も引っ掛かってるよね、きっと。
学生の格好してるからといって、妖じゃないとは限らない。
そういえば、今まで人間になりすますタイプの妖は
あまりいなかったね。
子供の頃にあった"お姉さん"ぐらいか。
あれは妖というより幽霊なのかなと思ってたりしますが…。
村崎に会った公園に来ました。
先生いわく、随分奥深い公園だそうで。
作った公園というより、昔からある自然の林か森を利用した感じの
公園なんだろうね。
だから自然のままの部分がうっそうとしているのでしょう。
昨日は気付かなかった夏目ですが、なんだか気味が悪いという
印象を持ちます。
パキン…バキパキ…
妙な音がする方へ夏目が進むと、村崎が蹲って生魚を食ってました。
ひぃぃーっホラーだよぉぉ。
でも夏目=神谷さんと生魚。
今ならこの組み合わせは、即行で笑えますね。
本誌連載時には無かった笑い。
リク(荒川UB)、三日分口に押し込まれるよ。(違)
ニヤリと笑う村崎の顔が恐いぃぃ。
夏目、早速押し倒されたぁぁ!!
用心棒は何してるんだよっ!!
…キノコ食おうとしてました。(怒)
確かに妖くさい公園だと感じてはいたようですが、
夏目はもう樹の上に引っ張られてますよー。
夏目を捕らえた村崎は、昨日柴田と一緒にいた子供だと気付き、
何しに来たと迫る。
「…お前は妖なのか!?」
こんな事出来るんだもの、そら妖だよね。
何故人のふりをしているのか、
柴田をどうするつもりなのかと夏目が訊く。
それには応えず夏目の美味そうな匂いに気付いた村崎は、
「そうだな別にあいつなんかよりお前を喰えばいい」
ターゲット変更されちゃいましたよ。
ちなみにここのカットの村崎が、なんか木村カエラちゃんに
見えるのは私だけ?
「…あ」
夏目が声を漏らすから、自分の身の危険をようやく察したかと
思いきや、
「あぶない…」
それは村崎に対しての警告。
ニャンコ先生が思い切り彼女の頭にかぶりつきました。
「ぎゃああ。白ぶたっぽいものに噛まれたぁ」
白ぶた…。皆さん表現は色々ですね。(汗)
「…おのれ人の子。私の正体を誰かに話してみろ。
どこまでも追って必ずや食ってやる」
命惜しければあの小僧にも話すなといって村崎は姿を消した。
「生意気な。これは私の非常食だぞ」
そんな摩訶の子(ニッチ『テガミバチ』)みたいな事、
言うんじゃありません。
それに、村崎、聞いちゃーいません。
やっぱり妖でした。
先生いわく、この辺りの花の木の妖のようです。
「人に化けてたぶらかして食うつもりなのだろう」
つまり柴田はたぶかされ中…。
夏目が村崎に引っ張られた樹は柿の木だったようで、
村崎が戻る時に起きた風で柿が落ちたみたいね。
先生が早速頭に乗せて持ち帰ろうとしてら。
がっついてくる妖はボロが出やすいから、
柴田も村崎から人とは違う何かを感じたのかもしれない。
だから不安になって夏目を頼った…。
けれど夏目は妖じゃないって言っちゃったのよね…。
さぁどうする?
翌日、柴田は部活もさぼって帰ろうとしている。
風邪気味だからと嘘付いてますが、ほんとに嘘なのか、
実は村崎に精気奪われつつあって弱って来てるのかなとか
かんぐりましたよ。
校門の所に人待ち顔で学ランの男の子が立ってると
女の子達の話し声が柴田の耳に届く。
学ランと聞いてすぐに夏目かと思う柴田。
でもすごく不細工な猫が足元に居たらしい。
ふふ。
そこに疑問符飛ばしながらも夏目の可能性を感じて
柴田は校門まで…走ってきたんだね。
はぁはぁと息が上がってる。
やっぱコイツ、根は良いヤツっぽいよな。
隠れてた夏目を見つけて声を掛けた柴田は、
「そんな所で何して…わっぶっ細工なねこ」
はははっ。
まぁ初対面ならそう思うよなぁ。
私も第一印象はそうでした。
まさかこんなにグッズが売れるキャラになるとは
夢にも思わなかったよ。
柴田は夏目の為に追い払おうとするんだよね。
夏目の足元に居るんだから、彼の飼い猫だろうと、
思いそうなものなのに、誰も思わないってのが凄い。
それだけ不細工で、
人に飼われるような猫じゃないってことなんだよね(笑)。
昔も変わった奴だと思っていたがと前置きした柴田が、
「何をきっかけに
これを飼おうと思ったんだ」
なんて訊くから笑えます。
成り行きだと応える夏目。
ここで馬鹿にしたりするのかと思ったら、
「お前が猫飼いたいって
お願い出来るような
人達の家なんだな。
良かったな」
ふぅん…なんだ、ほんと良いヤツじゃないか柴田。
それで、何しに来たんだと柴田が訊く。
意を決し、昨日の女の子の事なんたけど…と言いかけた夏目に
柴田は本当に悪かったと笑顔で詫びる。
柴田は、あの公園で村崎に出会った。
一人でぼんやり座ってた彼女に柴田から声を掛けたらしい。
その後ちょくちょく公園に行くと彼女が居て、
何度も話してるうちに好きになってしまった、と。
好きになれば色々知りたくなるもの。
でも住所も電話番号も教えてくれず、
嫌われてるのかと思ったりしたようだ。
「いや!あの目はあの子もおれを想ってる目だ!!」
あはは、熱いな柴田。でも、そうか…。
そう言い聞かせてきたんだね。
「-あのな柴田、実は」
夏目が真実を話そうとしますが、柴田の耳に入らず
彼は彼女語りを続ける。
最近、出会った頃に村崎が言ってた言葉が
妙に気になりだした。
初めて声を掛けた時、
笑って私がおばけだったらどうするのと言ったらしい。
変わった子、くらいに柴田は思っていたが、
それだけでは済まない点が、出て来たんだね。
隣に座って話していても、手を引いて歩いても、
彼女の手は酷く冷たい。
手だけじゃなく、体温が感じられない。
付き合う程、不安は生まれてくる。
時々何かを隠しているように笑う彼女を見ていて、
急に夏目を思い出したのだと柴田は言う。
「人ではないものを知ってるって
必死で言ってたお前なら…
-お前だったら…
あの子はおばけなんかじゃないって
否定してくれたら-…」
柴田の切ない思いが伝わって来て、
…辛いよ。
そんな柴田を夏目はいよいよ声を荒げて止めました。
「だめだ。
あの子はだめなんだ柴田」
あの子は人じゃないんだと夏目は告げる。
柴田にしてみれば、何を今さら、ですよね。
だから確かめたのに。
確かめて夏目が普通の子だと言ったんじゃないかって
話ですよね。
「人じゃなかったら何だっていうんだ!」
「それは…とにかくあの子には近づくな。あの子は」
「もういい黙れ」
怒りに任せて柴田は叫ぶ、
「やっぱり、
やっぱりお前は嘘つきなんだ」
その言葉は、夏目の胸をえぐったでしょうね。
柴田も本当は気付いているのだと思う。
夏目が普通の子だと言ってくれて喜んではいたけど、
部活さぼって帰ろうとしていた彼は、
憂いた顔で溜息を付いていた。
おかしいと思っていても、信じていたいんだよね。
では【後編】はまた後ほど…。
【2010.7.18 PM4:22】
偽りの友人の章【後編】感想UPしました♪
花とゆめコミックス「夏目友人帳」10巻 -偽りの友人の章【後編】-
終盤から視界が滲んで困るんだよ。
あらすじをほとんど舐めつつ進んでます。
まだ10巻買ってなくて、これから読む予定の人、
及び、夏目三期を期待して「まだ原作は読まないわっ!」
って方は、ご注意ください。
いいですかー?
さて、まずは【偽りの友人の章】から参ります。
本誌では前後編で描かれたお話。
第三十七話が前編、第三十八話が後編。
この記事は第三十七話の感想です。
前編の表紙は柿が一個ついた枝を口に咥えて樹から飛び降りようと
しているニャンコ先生と、見上げて笑ってる夏目。
その樹はけっこうなお年のようで、根元あたりに空洞が出来てて、
真っ暗なその空洞にキョロリとした眼が2つ。
妖が居るんですね。この眼がなければただのほのぼの画なんですけど、
これがあるだけで、妖のお話だと分かりますね。
-小さい頃から時々 変なものを見た。
他の人には見えないらしいそれらはおそらく
妖怪と呼ばれるものの類
夏目の物語はいつもこの独白から始まる。
もう脳内ですっかり神谷さんが喋ってくれてます。(笑)
朝、学校へ行こうとしている夏目に、
塔子が帰りにケーキを買って来て欲しいと頼む。
今日は滋の誕生日らしい。
「いいですね、どんなケーキがいいですか?」
その聞き方が既に大人だよね、夏目。
お誕生日っぽく生クリームが良いかしらと塔子。
「白くてきれいなショートケーキを三つお願いね」
ちょっと頬染めてる、塔子が可愛いです。
はいと笑顔で台所を後にした夏目に、タンスの上の招き猫が
「四つだ」
くふふ。
ですよねぇ。ニャンコ先生の食べますよ、ケーキ。
猫は甘いものを食べちゃ行けないんだと夏目が言ってますが、
そうなんですか?
昔飼ってた事あるけど、犬も猫も、
私達が食べてると欲しがるものだから、
なんでも食わせてしまっていた気がする…。
「猫ではない!スイーツを愛する招き猫だ!」
招き猫ではなくて妖でしょうが。
授業が終わると
「夏目、帰るぞー」
西村が声をかける。描かれてるのは校舎であり、
このコマに彼らの顔は無いのだけど、それでも分かるのがイイ。
悪い、買い物があるからと言いかけた夏目だけど、
「そうだ美味しいケーキの店を知らないか?」
彼らに協力を仰ぐ。うんうん良い傾向だね。
「ケーキ屋?」
きっとそう聞き返したのが北本だね。
西村が知ってたらしく連れてきてもらった店は、
その名も『かわいいの森』(笑)
店が外観からしてキラキラしています。
決して西日が差してるせいではなく。(笑)
「…あそこか?」
青ざめて冷や汗タラリな夏目に、
「あそこだ」
西村はきっぱり、すっぱり肯定。
「あんなかわいい所、男が入っていいもんなのか?」
北本も夏目同様、青くなって冷や汗タラリ。
ハードルが高いと諦めかける夏目に、
「普段ニャンコを抱いて歩き回ってるお前が
今さら何かわゆいお店に入るくらいのこと
恥ずかしがってんだ!行け!」
あはははは。確かに。
可愛くない猫ですし、…いや、猫ですらないんですけどね。
躊躇う夏目の背中を押したのは、
滋さん達に美味いケーキを食わせたいんだろうという
西村の言葉。
西村、なかなか夏目の扱い方心得てるな。
行く気になって拳握る夏目が笑える。
そんなに一大決心が要るものなのかケーキ屋って。
行くとなったら、ちゃっかり自分の分のシュークリームを
頼む西村。ははは、アンタらしいなぁ。
そんな彼らの様子を離れた所から見ていた男が居る。
本人だと確信したのか近づいて「ナツメ」と声を掛けて来た。
「お前、夏目貴志だろ?やっと見つけた。久しぶり」
学ランな夏目達と違ってコートの下に見えるのは
ブレザーにネクタイの制服。
それだけでなんか大人っぽく見えますね。
ちょっと軟派そうに見えるタレ眼でクセ毛の男の子です。
久しぶりと言われて夏目は固まる。
誰だか全く思い出せないようです。
そりゃタライ回しで、あまりにあちこち行きすぎて
しかも自分は周囲と距離も置いていたわけですし、
覚えてないわよね、そんなちょっと居ただけの学校の
同級生なんて。
夏目の知り合い?と西村は人懐こい顔を向ける。
西村がこの辺では見かけない制服と言ってるので、
隣町ぐらいの近さではなさそうだ。
「へぇこっちでは友達出来たんだ」
その言葉に西村と北本がむっとするのが良い。
ところで…と彼が確認したのは、
夏目が相変わらずかどうか。
「-…何が」
夏目の顔が引き攣り、西村が相手に噛み付く。
「おいあんた、突然なんだよ」
ふふ、可愛いね西村。
彼は榊西高の柴田だと名乗った。
夏目とは小学校が同じだった時があるらしい。
夏目が変わり者だったから覚えているのだと
柴田は言う。
話があるから少し付き合って欲しいという事で、
夏目は西村達と別れて柴田と行動を共にする。
感じ悪いヤツだと判断した西村が、
夏目を連れてこの場を去ろうとしてたんだよね。
でも夏目は柴田を取る事になり…
ちょっと西村北本が可哀想だったよ。
夏目的には、この場で柴田の知ってる過去を
西村達に話されたくなかったからなんだけどね。
黙って先を歩く柴田に何処まで行くのだと訊いても
いいからついて来いと言われる夏目。
柴田をすっかり忘れてる夏目は、妖なのかと疑ってみたりもする。
彼の眼には同じように見えちゃいますからね。
ムッとした顔で、あいにくお前なんてまったく記憶にないと
夏目が言えば、雰囲気が変わったと柴田が少し驚く。
昔はすまし顔なくせ人の顔色ばかり気にしていたのに…。
「お前さぁ…今も言ってんの?」
皆の気を引くため皆には見えないものが見えると言ってた
あれは本当なのか。
ドクン ドクン ドクン
夏目の胸の鼓動は早まり、下ろした腕の先で手がぎゅっと握られる。
あの頃はそういう嘘でも言わないと構ってもらえなかったから。
そう答えても、顔色は誤魔化しようがないほど青ざめてる。
「…マジか」
自分で振っておきながら、いざ聴くとちょっと重かったみたいね、
柴田にも。
本当に人ではないものが見えるのだろうと追求されて、
更に夏目の鼓動は大きな音を立てる。
「くだらない、小さい頃の狂言を何本気にとってんだ。
おれは帰る」
夏目が背を向けると柴田が追いかけるように叫んだ、
帰ったらまた会いに行く、と。
西村達に知られたくないのは、本当の事だからなのだろう。
弱点掴まれてしまいました。
夏目の愕然とした顔…。
彼のこういう顔見るの、辛いなぁ。
ところで柴田が夏目に金を持ってるか訊きます。
金までたかるつもりかと思ったんだけど、
電車に乗るので切符代が必要だったようで…。(汗)
仕方なく夏目の分も買ってやる柴田。
このあたりから、あれぇコイツってもしかして…?と
ニヤつきましたよ。
ガタンゴトンと電車に揺られる二人。
金ないかと言われた後の、夏目の、
「-え…」
仕方なく切符を二人分買う柴田への
「え…」
ホラよと渡された時の
「…え?」
この三弾落ちと、電車の中の無言の二人。
一拍置いて…
「おい、本当にどこ行く気だ」
「うるせー黙ってついてこい!!」
ぶははははははっ。
テンポ良くて余計笑えるんですよね。
何のつもりだろう…と夏目は思い悩む。
知られたくないのは本当のことだからなんだろうと
さっき柴田に言われた言葉が蘇る。
-随分、嘘をつくのが下手になった。
それで、良いんだと思うけどね。
嘘付くのが上手いなんて決して良いことじゃない。
柴田が連れて来たのはとある公園。
思わず周囲を見回してた夏目を柴田がいきなり掴んで
茂みに隠れる。
「!何なんだ」
小声で抗議する夏目ですが、
柴田には見て欲しいものがあったのです。
柴田に言われるまま、夏目は葉を手でどかして覗いて見る。
髪の長い女子高生が、その先に立っていました。
柴田にどんな子かと訊かれてそう答えたのだけど、
柴田は本当か!?と、なにやら必死な様子。
「あのこ本当に人間か!?」
夏目は噴出します。
でも柴田はいたって真剣なんだよね。
ちょっと照れくささに頬を染めた柴田が、
笑う夏目を責めて、訊きます。
お前ならわかるんだろ?と。
どう見たって普通だと夏目は返す。
どうして人ではないなんて思うんだ、と。
いやぁ…でも夏目って人と妖の区別付かない人なんだから、
逆に夏目に訊くのが間違ってるんじゃ…と、この時思ったよ。(汗)
で、そんなやりとりは、もはや小声ではなかったのでしょう。
気付いてその女子高生が茂みの裏の柴田に
何をしているのかと声を掛ける。
彼女の名は村崎というようです。
一緒にいる夏目に気付いて、友達かと訊く。
「-ああナツメっていうんだ。むかしの友達」
その紹介に夏目の表情が険しくなる。
そしてぽつりと、
「嘘つき」
ははは。ちょっと女の子っぽいリアクションだな夏目。
言われた柴田のリアクションが笑えます。
「何だと!?お前話合わせろよ」
それすなわち嘘だと認めてるわけで。(笑)
でもクスクスと村崎が笑う。
仲がいいのね、と。
彼女にそんな風に言われて、柴田はちょっと戸惑ったような、
でもはにかんだような笑顔をうっすらと浮かべる。
ホッとしたような柔らかい顔。
さっきまでと全然違う顔。
それを彼より背の低い夏目が、ちろっと見上げている。
夏目も感じるものがあったのでしょうね。
その後柴田と村崎が少し話をして、彼女は帰っていった。
夏目の髪についていた葉っぱを村崎が取ってくれて、
柴田がヤキモチ焼いてるっぽい図が可愛い。
-二人は親しげで、
たぶん柴田は
彼女に想いをよせているようだった。
帰り道、柴田はちゃんと夏目に助かったと礼を言います。
「悪かったな…おれ、どうかしてたわ」
あの子をおばけだとでも思っていたのかと夏目に訊かれて
「ああ-…」
認める柴田。
そう思わせるものが彼女にあったって事だよね。
先にそれを聞いておくべきだったかな。
「-何だよ。バカみたいだと思ってんだろ」
恥ずかしさに赤くなって冷や汗流してる柴田。
思ったより悪いヤツじゃないのかもしれません。
すっかり日が沈んでしまいました。
そこで突然思い出すのは…
「わぁーっケーキーっ!!!」
…こりゃ大変だ。
「わあ何だ何だ1?」
ビクウッとなってる柴田の姿は描かれてませんが、
二人の様子が見えるようですね。
帰りはかなり遅くなったようです。
無理を言ってご免なさいと塔子は謝りますが
買ってきたケーキを見て、まぁ綺麗と喜んだ。
良かったね、夏目。
ケーキを買わなきゃいけなかったんだと思い出した夏目。
あれから近くのケーキ屋を回ったけど、
ショートケーキはほとんど売れ切れで
それは走り回ってやっと見つけた綺麗なケーキだった。
柴田も走って一緒に探してくれたんだね。
一人じゃ見つけられなかったケーキ。
ちょっと上品で洋酒がきいてそうで、私好みでもあります(おい)。
味も良かったようですよ。
滋が「お、うまいな」なんて言ってる。
「貴志くんがね、買ってきてくれたのよ」
塔子がそう付け加え、
「た、誕生日おめでとうございます」
夏目が少し恥ずかしそうに言うと、
滋はにっこり微笑む。
「-…ありがとう貴志」
この滋の台詞にもある「-…」。
先生はしばしばこれを使うのですが、普通の「-」や「…」と
どう区別しているのか。
何かちょっと含んでる時の"間"なのかなと
私は勝手に想像してまして、
ここの滋は、夏目の他人行儀な言い方に対して
思う事があるのかなと思ってみたり。
本当の両親の誕生日だったら、
「お父さん、お誕生日おめでとう」
ですよね。
まぁハイソなご家庭の坊ちゃん嬢ちゃんは、
両親や兄弟にも敬語みたいですけどね。
(実際居ましたそう言う人)
普通の家庭では敬語使いませんよね。
夏目は藤原夫妻に引き取られて、養子縁組までしてるかどうか
そこは分かりませんが、いずれにしても実子じゃないし
だいぶほぐれて来たとはいっても、
まだまだ遠慮の固まりですよね。
滋はもっと近づいて欲しいんじゃないかと思いますよ。
…って、台詞一つでこんなに色々想像したりしちゃうもんだから、
感想がちっとも進まないわけだ…。(汗)
夏目は、ちゃんとニャンコ先生分のケーキも買って来たのですね。
にしても、
「スイーツと塩モノを交互に食べるとまた格別だな」
スルメと酒とケーキを一緒に食べてたんかい。
その感覚信じられないわ。
確かにね、甘いモノ食べた後に辛いものは食べたくなる。
ケーキの後なら醤油塗ったせんべいとか食べたくなる時がある。
特に、甘ぁいヤツ食ってしまった後はね。
私は余り甘ぁいものは得意ではないので。
でも、スルメや酒は無いでしょう。
スルメって、美味いけど生臭いですからね。
スイーツと生臭いものは合わない気がしますぞ。
ってニャンコ先生は妖怪でしたね。
人間の感覚は当てはまらないわな。
疲れたと畳みにばったりうつ伏せになる夏目に、
スルメをもう一枚あぶって来いとは…。
夏目使いがなかなか荒いね先生。
でも彼はもう疲れて眼が開かないようです。
そんな夏目の横でくんくんと匂いをかいだ先生が、
「む?お前どこへ行ってきた。また妖のにおいをつけている」
やっぱり…そうですか。
夏目は先生のその言葉に疑問符を飛ばしながら、
もう眠りに落ちかけていて声にはならない。
蘇る自分の言葉。
『いいや女の子だったよ柴田』
『普通の女の子だったよ』
『どうして人じゃないなんて…』
眠る瞬間にそんな事を思ったせいか、
夏目は彼女の夢を見る。
あの森で彼女は何かの上に跨り…食べている。
バキバキと音を立てて。
…柴田を。
「うわぁっ」
飛び起きた夏目の布団の横で、
先生ったら今度は海苔の付いた煎餅食ってるよ。
そら確かに私もさっき、甘いモノの後に煎餅って話をしましたが、
先生は食いすぎ!
翌日、夏目は柴田に連れてこられた街へと向かう。
先生が変な事言うから気になったんだと言ってますが、
あの夢も引っ掛かってるよね、きっと。
学生の格好してるからといって、妖じゃないとは限らない。
そういえば、今まで人間になりすますタイプの妖は
あまりいなかったね。
子供の頃にあった"お姉さん"ぐらいか。
あれは妖というより幽霊なのかなと思ってたりしますが…。
村崎に会った公園に来ました。
先生いわく、随分奥深い公園だそうで。
作った公園というより、昔からある自然の林か森を利用した感じの
公園なんだろうね。
だから自然のままの部分がうっそうとしているのでしょう。
昨日は気付かなかった夏目ですが、なんだか気味が悪いという
印象を持ちます。
パキン…バキパキ…
妙な音がする方へ夏目が進むと、村崎が蹲って生魚を食ってました。
ひぃぃーっホラーだよぉぉ。
でも夏目=神谷さんと生魚。
今ならこの組み合わせは、即行で笑えますね。
本誌連載時には無かった笑い。
リク(荒川UB)、三日分口に押し込まれるよ。(違)
ニヤリと笑う村崎の顔が恐いぃぃ。
夏目、早速押し倒されたぁぁ!!
用心棒は何してるんだよっ!!
…キノコ食おうとしてました。(怒)
確かに妖くさい公園だと感じてはいたようですが、
夏目はもう樹の上に引っ張られてますよー。
夏目を捕らえた村崎は、昨日柴田と一緒にいた子供だと気付き、
何しに来たと迫る。
「…お前は妖なのか!?」
こんな事出来るんだもの、そら妖だよね。
何故人のふりをしているのか、
柴田をどうするつもりなのかと夏目が訊く。
それには応えず夏目の美味そうな匂いに気付いた村崎は、
「そうだな別にあいつなんかよりお前を喰えばいい」
ターゲット変更されちゃいましたよ。
ちなみにここのカットの村崎が、なんか木村カエラちゃんに
見えるのは私だけ?
「…あ」
夏目が声を漏らすから、自分の身の危険をようやく察したかと
思いきや、
「あぶない…」
それは村崎に対しての警告。
ニャンコ先生が思い切り彼女の頭にかぶりつきました。
「ぎゃああ。白ぶたっぽいものに噛まれたぁ」
白ぶた…。皆さん表現は色々ですね。(汗)
「…おのれ人の子。私の正体を誰かに話してみろ。
どこまでも追って必ずや食ってやる」
命惜しければあの小僧にも話すなといって村崎は姿を消した。
「生意気な。これは私の非常食だぞ」
そんな摩訶の子(ニッチ『テガミバチ』)みたいな事、
言うんじゃありません。
それに、村崎、聞いちゃーいません。
やっぱり妖でした。
先生いわく、この辺りの花の木の妖のようです。
「人に化けてたぶらかして食うつもりなのだろう」
つまり柴田はたぶかされ中…。
夏目が村崎に引っ張られた樹は柿の木だったようで、
村崎が戻る時に起きた風で柿が落ちたみたいね。
先生が早速頭に乗せて持ち帰ろうとしてら。
がっついてくる妖はボロが出やすいから、
柴田も村崎から人とは違う何かを感じたのかもしれない。
だから不安になって夏目を頼った…。
けれど夏目は妖じゃないって言っちゃったのよね…。
さぁどうする?
翌日、柴田は部活もさぼって帰ろうとしている。
風邪気味だからと嘘付いてますが、ほんとに嘘なのか、
実は村崎に精気奪われつつあって弱って来てるのかなとか
かんぐりましたよ。
校門の所に人待ち顔で学ランの男の子が立ってると
女の子達の話し声が柴田の耳に届く。
学ランと聞いてすぐに夏目かと思う柴田。
でもすごく不細工な猫が足元に居たらしい。
ふふ。
そこに疑問符飛ばしながらも夏目の可能性を感じて
柴田は校門まで…走ってきたんだね。
はぁはぁと息が上がってる。
やっぱコイツ、根は良いヤツっぽいよな。
隠れてた夏目を見つけて声を掛けた柴田は、
「そんな所で何して…わっぶっ細工なねこ」
はははっ。
まぁ初対面ならそう思うよなぁ。
私も第一印象はそうでした。
まさかこんなにグッズが売れるキャラになるとは
夢にも思わなかったよ。
柴田は夏目の為に追い払おうとするんだよね。
夏目の足元に居るんだから、彼の飼い猫だろうと、
思いそうなものなのに、誰も思わないってのが凄い。
それだけ不細工で、
人に飼われるような猫じゃないってことなんだよね(笑)。
昔も変わった奴だと思っていたがと前置きした柴田が、
「何をきっかけに
これを飼おうと思ったんだ」
なんて訊くから笑えます。
成り行きだと応える夏目。
ここで馬鹿にしたりするのかと思ったら、
「お前が猫飼いたいって
お願い出来るような
人達の家なんだな。
良かったな」
ふぅん…なんだ、ほんと良いヤツじゃないか柴田。
それで、何しに来たんだと柴田が訊く。
意を決し、昨日の女の子の事なんたけど…と言いかけた夏目に
柴田は本当に悪かったと笑顔で詫びる。
柴田は、あの公園で村崎に出会った。
一人でぼんやり座ってた彼女に柴田から声を掛けたらしい。
その後ちょくちょく公園に行くと彼女が居て、
何度も話してるうちに好きになってしまった、と。
好きになれば色々知りたくなるもの。
でも住所も電話番号も教えてくれず、
嫌われてるのかと思ったりしたようだ。
「いや!あの目はあの子もおれを想ってる目だ!!」
あはは、熱いな柴田。でも、そうか…。
そう言い聞かせてきたんだね。
「-あのな柴田、実は」
夏目が真実を話そうとしますが、柴田の耳に入らず
彼は彼女語りを続ける。
最近、出会った頃に村崎が言ってた言葉が
妙に気になりだした。
初めて声を掛けた時、
笑って私がおばけだったらどうするのと言ったらしい。
変わった子、くらいに柴田は思っていたが、
それだけでは済まない点が、出て来たんだね。
隣に座って話していても、手を引いて歩いても、
彼女の手は酷く冷たい。
手だけじゃなく、体温が感じられない。
付き合う程、不安は生まれてくる。
時々何かを隠しているように笑う彼女を見ていて、
急に夏目を思い出したのだと柴田は言う。
「人ではないものを知ってるって
必死で言ってたお前なら…
-お前だったら…
あの子はおばけなんかじゃないって
否定してくれたら-…」
柴田の切ない思いが伝わって来て、
…辛いよ。
そんな柴田を夏目はいよいよ声を荒げて止めました。
「だめだ。
あの子はだめなんだ柴田」
あの子は人じゃないんだと夏目は告げる。
柴田にしてみれば、何を今さら、ですよね。
だから確かめたのに。
確かめて夏目が普通の子だと言ったんじゃないかって
話ですよね。
「人じゃなかったら何だっていうんだ!」
「それは…とにかくあの子には近づくな。あの子は」
「もういい黙れ」
怒りに任せて柴田は叫ぶ、
「やっぱり、
やっぱりお前は嘘つきなんだ」
その言葉は、夏目の胸をえぐったでしょうね。
柴田も本当は気付いているのだと思う。
夏目が普通の子だと言ってくれて喜んではいたけど、
部活さぼって帰ろうとしていた彼は、
憂いた顔で溜息を付いていた。
おかしいと思っていても、信じていたいんだよね。
では【後編】はまた後ほど…。
【2010.7.18 PM4:22】
偽りの友人の章【後編】感想UPしました♪
花とゆめコミックス「夏目友人帳」10巻 -偽りの友人の章【後編】-
終盤から視界が滲んで困るんだよ。
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