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「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#8【I wonder】塔子の言葉がキー?

今回は見てて辛いシーンもありましたが、
胸がじんわりする場面もあり、
やっぱりあちこちで目が潤みました。
あぁ辛いシーンと言っても、
見たくないってんじゃなくてね。
それだけ、それぞれのキャラの思いが
溢れていたわけで、
この作品はほんと、そこらへんをしっかり見せて
くれるからなぁ。
すんなり感情移入しちゃう。

相変わらず声優さん達の熱演にも拍手。
ほんと、みんな乗り移ってるわーキャラが。
微妙な言い回しとかねぇ、
気持ちが乗ってるんだよね。
尊敬します。

※すんません、文中の芽衣子の弟、聡志の名が
 聡になってました。
 ただいま訂正しました。【2011.6.5 AM10:15】


注意:感想の文中では、彼らの名は
 松雪以外は、下の名で書いています。
 約一名、あだ名を書きづらい子がいるもので。
 ぽっぽだけは、ぽっぽと呼びたい所なんだが…。
  一応、統一ってことで。



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あらすじは公式HP↓より。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

第8話 「I wonder」
花火を上げることを「めんま」の父親に反対されていたと
知り、ショックを受ける「じんたん」たち。
どうにか「めんま」の願いを叶えたいと、「めんま」の母親
を説得しようと試みるが…。


駅で松雪、知利子と待ち合わせ。
全員揃った所で、芽衣子の家へ行くようです。
花火の事、芽衣子のお父さんに反対されたから、
彼が帰ってくる前にイレーヌに掛け合おうって
ことらしい…。
いや、そっちの方が危険だよ、鉄道。

「おばさんなら、
きっと俺達の味方してくれるぜ」

うわぁ…。
あのね、多分、問題はお父さんよりイレーヌだって。
日記も貸してくれたし…と鳴子も信じてるみたいだけど
なんか嫌な予感…。

OP~♪
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「いらっしゃい。
あら、今日は集君に知利子ちゃんまで
来てくれたの?
嬉しいわ。さぁ上がって頂戴」
本心隠してこんな笑顔で出迎えれるって
凄いね、イレーヌさん。

「ロケット花火…だったかしら?
お父さんに聞いてビックリしちゃった。
でも素敵じゃない?仲良しが集まって。
面白い事考えるのね、小さい頃と変わらない」
うーん、既にちょっとやばそうな雰囲気がしてるよ…。
ドキドキ。

「あ、そうなんすー。ガキの頃、めんまと作ろうって
言ってたんすよ、花火」
鉄道の言葉にイレーヌの身体がピクリと動く。
「そう…芽衣子が…」
うわー…ちょっと皆、この辺でやめといた方が…。

花火を上げたら芽衣子も喜ぶかと思うのでと
ちょっと苦しげに仁太が続ける。
「…なんで、おじさんに」
その言葉を遮るようにイレーヌが口を開く。
「ほんと貴方達、とっても仲が良いのね」
身体が不自然に震えた。
寒さを感じた震えじゃなく、これは
憤りの震え
もう声にもそれは現れてる。
イレーヌの顔の見える知利子と松雪は、
少し気づいてる。
でも彼女の背を見てる仁太と鉄道と鳴子は
まだ分かってない。

「芽衣子…羨ましいでしょうね。
仲間はずれにされちゃったわね」
あぁ…本音、吐いちゃいますか。
うん、むしろその方が互いの為に、良いかもしれない。

「芽衣子が喜ぶ、なんて言って
結局、自分達が楽しんでいるのよね。
芽衣子をダシにして」
鉄道と鳴子が口を挟みかけるけど、
もうイレーヌは止まらない。
溜まりに溜まった行き場の無い思いが
堰を切って雪崩れ、どんどん口から吐き出されていく。

「芽衣子は、もう…居ないって言うのに
貴方達は…なんにも…変わらずに」
イレーヌの眼からぼろぼろと涙がこぼれてる。
大きく眼を開いたまま、頬を伝う涙、
泣き方、よく似てるよ芽衣子と。
泣き虫なのは母親譲りだったのね芽衣子。

「どうして?
…あの日だって、貴方達、
芽衣子と遊んでいたんでしょ?」
知利子の手首をパシッと掴んで揺する。
「あの子の日記、
読んだんでしょ?
止まってるのよ!時間が!
あの子だけが!
昔と変わらずに!」
こ、怖い…。
だけどね、イレーヌの身になれば、
そりゃそうだろうなと思うの。
明るく笑って彼らを迎えれる方が
不思議といっても良い。
でも常識に従い、仁太達の最初の訪問時、
彼女はそう振舞ったんでしょうね。

でも今度は全員揃って現れて、
成長した姿見せ付けられて、
芽衣子の事で仲間団結したりしてるの知ったら
そりゃ我慢出来なくなるってもんだろ。

「なのに!どうして貴方達は
こうして大きくなって!
どうして芽衣子だけが!
芽衣子…一人だけが…」
泣き崩れるイレーヌを仁太は複雑な顔で見てる。
そこに弟くん…えっと、聡志でしたね、が帰ってきた。
「何してんの?」
母親を泣かしたらしい仁太達を責めるかと思ったが、
それは無かったね。

「そろそろ、失礼しようぜ」
松雪がそう口にした。
聡志が帰ってきてくれたのは、良いタイミングでしたな。

知利子は随分きつく手首握られてたみたいだけど
心配する鳴子になんてことない、と返す。
「えれぇ怖かったな、めんまの母ちゃん」
「そうね…ずっと私達も憎まれていたのかしら」
「こんなに誰かに嫌われたのって、
生まれて初めてかもしんない」
君達もショックだろうね。
そんな風に思われてるなんて、
思いもしなかったろうし。

でもね…、
イレーヌは芽衣子が亡くなってからずーっと、
闇の中に居る。
君達も罪悪感抱えて、トンネルの中に居るけど
彼女の闇は、きっともっと深い。
「親…なんだもんな…」
「うん、親」

松雪が止めようと言い出す。
芽衣子のお願いなんて馬鹿らしいことは
止めようと。
松雪には見えませんからね。
芽衣子が現れてる事、信じてない。
「そろそろ気づけよ。
皆、お前に合わせてやったんだぜ。
哀れなお前にさ」
松雪ぃーアンタどうしても仁太を見下げたいらしいね。
でもそんな言葉を吐けば吐くほど
自分が惨めになるよ?

松雪も自分があんな真似したんだから
人の事はいえないと認めつつも、
「お前のように、自分の傷を
他人にもおしつけよう
なんて事はしない!」
仁太がいつ押し付けたよ?

仁太が過去に囚われていることで、
芽衣子の親も、皆も傷つく…?
イレーヌは確かに傷つけたかもしれないけど
私は必要な傷かもと思ったりする。
ずっと心に仕舞って吐き出せなかった事を
本人達にぶつける事で、
少しは動いたよね。
えっと、芽衣子亡くなったのって10年前くらい?
その10年、仁太達以上に、彼女の時は
止まってたのだろうから。

傷をえぐる行為だったかもしれないけど、
彼女もいつまでもそこに居ちゃいけないと思うんだ。

「あれって…きっと自分の事を言ってたんだよね。
傷ついた人って…」
秘密基地に帰ってきて、鳴子がぽつりとそういう。
「おっ俺は信じてるぜ!じんたん!
めんまが居るって信じてるから」
鉄道はほんと仁太の味方だよなぁ。

「いいんだ、俺だけで叶える」
皆変わっちゃったかと思ってたけど
そんなに変わってなくてビックリしたと
仁太は言う。
「だけどさ…どんな変わって無くたって
もう、皆ってのは、どこにも居ない。
ハナからぃいなかったんだ。
めんまが…欠けてるんだから」

皆ってのがどこにも居ないなら一人で叶えても同じ。
うーん、ちょっとそれはへりくつだけど
でも仁太…キミ、イレーヌの言葉が相当堪えてるみたいね。
憎まれていたって事より、
芽衣子はもう居ないって事の方が。
実際は今、芽衣子は仁太にとっては、「居る」わけで
でも願いが叶えば、「居なくなる」
芽衣子が「居ない」状態を経験済みなのに
下手に「居る」状態を味わってしまったから
きっと余計キツイよね。

で、それを意識し始めてもう既に辛くなってる。
きっと。

今までどおり続けるからと仁太の背中に叫ぶ鉄道が
良いね。

帰宅した仁太を、芽衣子は熱烈歓迎だ。
背中から抱きつくとか、ちょっと堪らんね。
芽衣子の顔を見つめて苦笑する仁太。

-一人でだって…叶える。

なんか無茶しそうだなぁ…。

-一人でだって…。

仁太…。
思いつめないで…。

「ええーっ?またバイト増やしたの?」
ガテン系は割が良いから、と仁太。
確かにそうだけどさー、あれは体力勝負でしょ?
声が既に疲れてるっぽいんですけどー。

「なんか顔色悪いよ?」
「あ~、寝てねぇから」
こらーっ!
いくら若いと言っても、身体壊すよ!!
「今まで食っちゃ寝の
生活してたからなー。
睡眠貯金たんまりあんだよ」

睡眠は貯金出来ません!
よく皆、休日に寝貯めとかやりますが、
あれ効果ないらしいし。

-どうして…。
 どうしてそんな一生懸命になれるの。
 そんなにめんまのこと…。


焼けますよねぇ鳴子としては。

仁太ふらふらしてるけど大丈夫か…?
って、言ってる傍から倒れたよ。
気づくと控え室のソファに寝かされていた。
額にはピンクのハンカチ。
鳴子のだね。

目覚めた仁太にペットボトルの水を差し出す。
「あとこれ…栄養剤。とりあえず飲んで」
気が利くわねぇ鳴子。

お陰で少し落ち着いたらしい。
そんな仁太に、もうやめようと鳴子が言い出す。
「じんたんだって、十分傷ついてるじゃない。
こういうの止めよう?ね?」
「こういうのってなんだよ」

芽衣子が思い出の中にしか居ない皆には
きっと分からない。
仁太にとっての芽衣子は「今」だから。
そこに居るんだもん。
鳴子がこうして話しかけるように
芽衣子も仁太に喋りかけ、笑い、
そして泣くんだ。
傍に居て、気持ちぶつけられて、
何もせずになんて居られないよ?

まだ仕事の途中だからと立ち上がり、
仁太は仕事に戻ろうとする。
鳴子の気持ちも、ピークに達したようです。
仁太の背中掴んで、
「…いっちゃヤダ!」
「え?」
「ヤダ!あの時だって、ホントは行って欲しくなかった」
仁太の背中に額つけて、鳴子は続ける。
「私、今からすっごく性格悪いこと言うよ」
宣言する所が可愛いね。

あの時…、
仁太に芽衣子の事が好きなのかと訊いた、
あの時、
芽衣子の事、好きじゃないと言った
仁太の答えに、
鳴子はほっとしていた。

「私最低だけど、ちょっと嬉しかったんだ」
まぁ同じ状況なら、誰しも本音はそういうもんでしょう。
でも仁太は苦笑いする芽衣子を見て
真っ赤になって外へ飛び出して行った。
「あんな風に行っちゃったら、
めんまが大好きだって、
言ってるようなもんじゃない」
あああ…。

「あれからずーっと痛い。
あの瞬間、嬉しくなっちゃった自分が
許せなくて、めんまを傷つけて
あんな事になっちゃって、
じんたんを…
じんたんを好きだった自分が
許せなくって」
うわー具体的に、好きって言っちゃいましたね。

で、じんたんを好きだった自分って
ここは過去形で喋ってますが、
今もやっぱり仁太を好き…なんだよね。

辛そうに顔ゆがめて、でも仁太は足を進める。
鳴子の手を離れた背中。
これはショックだよね鳴子。
「やっぱり…言っちゃうの?」
いや、今は仕事中だからね、
あの時の"行っちゃう"とは違うでしょう。

でも手を振り切られたって事は同じで、
鳴子は少し逆上。
「おかしいよ、じんたん!」
もし、本当に仁太の所に芽衣子が居るなら
願いを叶えたら、消えるんだろうって…。
コレ言われると、痛いよね仁太。

「めんまは居なくなっちゃってもいいんだ!
好きなのに!!」
鳴子ぉ~それ、やつあたり…。

ピンポンと来客の音を耳にして
「いらっしゃいませ」
そんな言葉を吐きながら、仁太が表へ戻る。

「じんたんの…ばかぁ~あ~あ~。
アタシの、ばかぁ~~」
可愛いわー鳴子。
てか、ここのシーン(告白から泣きまで)の
戸松さんの演技もトリ肌だったわー。
作画も顔の表情の変化とか、凄く良くて
またその表情に、演技がとても合ってるのよね。
もう演技ってこと忘れそう。
鳴子がそこに居る。

ただいまと戻った仁太。
芽衣子は居間でテーブルに顔を伏せて
寝てしまっています。
仁太の帰りを持っていたんだね。
仁太ったら、芽衣子のほっぺ、ぷにぷにしてるー。

うおっむっくり起き上がった芽衣子。
怪しい表情ですけど…寝起き悪いのキミ。
ハタと仁太の方を向いて、お帰りとか言うのかと
思いきや、いきなり
「ツメ真っ黒!楊枝で取ってあげるね」
…なんてまめまめしい嫁。

工事現場でバイトしてる事、芽衣子は知ってるから
そういう所に眼が行くわけだよね。

-分かってる。
 願いが叶ったら…めんまは…。

 
「痛てっ」
「ゴメンゴメン、もうちょっとね。…んー…」
眉間に皺寄せて、えらい集中してやってます。
必死だな、おい。

おもろいよなぁ芽衣子は。
美少女の常識ことごとく破ってくれる。

-でも…それは
 めんまが望んでることなんだから…。
 だったら…俺は…。


芽衣子が異変に気づいて、
視線を指先から仁太の顔へと移す。
「…じんたん?」
仁太の両の頬を、涙が伝っていました。
「どうしたの?そんなに痛かった?」
手で眼を押さえ、心配する芽衣子から眼をそらし
「ぁ…いや…あ…ふ…フランダースの犬…
のこと…思い出した」

…なんちゅう言い訳。
でも、とっさに良く使う手ではありますね。>フランダースの犬

「え?」
「ぱっ…パトラッシュの…こと…」
「パトラッシュ…?」
「フランダースの…昔…っ…さっ再放送やってたヤツ…」

-なんだそりゃ、
 嘘下手くそすぎんだろ。


胸中で自ら突っ込み、ありがとう。

でも芽衣子、それを真剣に受け止めてる。
仁太の手を握り、
「じんたん!パトラッシュはね!
きっと幸せだったと思うんだ!」
め、芽衣子、…最強。

「うん」
仁太ももう大泣きやがな。

「だって、ネロにいっぱい、
いーっぱい
優しくしてもらったでしょ?
お友達だったでしょ?
だから、ねっ?」
芽衣子、必死だな。

もうすっかり本泣きになって止まらない仁太の頭の上に
慰めるように芽衣子が手を置く。
すると…
また蘇る、仁太の母、塔子とのシーン。
『めんまちゃん』
芽衣子に笑いかけた塔子。
名前を呼んで、その後、何か重要な事を
この時芽衣子に言ったんじゃないのかな。

例えば…
これからもずっと、仁太の良いお友達で
居てあげてね、とか。
友達の親が普通に言いそうな言葉であっても
芽衣子ってこの通り、怖いぐらいまっすぐな子ですから
それを真に受け、もともと仁太大好きでもありますし
ずっと傍に居るって誓って…
でも死んじゃったわけで…

仁太の所に現れて、仁太にだけ見えるってのは
そういう理由で…とか。

いや、あくまでも現段階での私の勝手な想像です。
ただ、芽衣子はこの時のことが引っかかってるのは
確かだと思うので(思い出した時の顔の表情から)
これがキーとなるのではと思ったりする。

芽衣子は塔子とのやりとりを思い出し、
カメラは仏壇の塔子の写真を映す。
つまり、そう約束した塔子は、もう居ないと
芽衣子が思ってる感じですよね。

芽衣子の頬にも涙が流れる。
そして微笑んで、泣き止まぬ仁太の頭を
優しく抱いた。
…母のように。

このリアクション見ると、
やっぱりなんか塔子に頼まれたんじゃないかって
気がするわ。

-めんまを失ったことで、
 めんまの母ちゃんは俺達を憎み続けて
 あなるは自分を責め続けて
 ゆきあつも、きっとつるこも、
 ぽっぽだって…。
 皆、罪悪感の中で救われずに…。

 俺には
 めんまが見える
 俺だけが、めんまに救われてる
 …なんて
 なんて不公平…。


うわー、仁太、眼の周りが赤い。
いかにも泣きはらした眼だな。
「おっはよー」
仁太の父ちゃんが起こしに来た。
びっくりして飛び起きた仁太、
時計を見て、こんな時間!?と焦る。

「今日、ばい…ぁいや、ええっと学校が…」
苦しいな仁太。
「あ、学校行く?今日、塔子さんの…」
「あ…うん」
命日ですか。
「行くよ…待ってて」

芽衣子はすやすや仁太のベッドで眠ってる。
これ、父ちゃんには毛布が変な位置に掛かってるように
見えてるだけなんだよね…。
父ちゃんは細かいこと言わない人だから、
彼の眼にどう映ってるのか、
教えてもらえなくて残念ね。

-俺だけにめんまが見えるなら…

仁太は眠ってる芽衣子の鼻をちょいちょい触る。
眠ったまま、う~んと身体をよじる芽衣子を
仁太がとても優しい眼で見てる。
この顔がまた…ドキッとするわ。
男前で、なんか大人っぽい。

-俺には…
 めんまの願いを叶えなきゃいけない
 義務がある。

 
玄関の鍵を閉めて出かけようとする所に
近所の主婦が通りかかる。
顔を背ける仁太。
それに気づいた父ちゃんは、
主婦二人に
「おはようございます」
明るく挨拶する。
良い父ちゃんだよなぁ。
それに、強い。
こんなほわわんとしてるけど、
この人、強いんだ。

父ちゃん、墓地についたら
鼻歌歌いながら墓を磨いてるよ。

仁太が学校行かなくても
父ちゃんは文句1つ言わず、
呆れてるのかと思ってた仁太ですが、
イレーヌの涙を見て、仁太は気づいたんだね。
子を思わぬ親は居ない、と。

「あのさ………ゴメン」
「え?何が?あぁ…バイトの事なら気にしないで」
逆に仁太、驚いちゃった。
「えっ、知ってたのか!?」
「え?あ、そうなんだった?
あ、本間さん家行ったこと?
え、なになにどれ?」
仁太、口あんぐりだ。

父ちゃん、サイコー。

全部、ちゃんと知ってたんだよね。
前回の感想の時も書いたけど
放任じゃない。無関心なんじゃない。
ちゃんと見てる、分かってる。
だから何かあれば、
親として責任だって取るつもりの筈。

「なんでも知ってんだな」
「…知らないよ、何も」
きゃーっ父ちゃん!
私も知らなかったよ。
頭、そんなだったのー?
だからいっつも帽子被ってるのかー。
うわー、なんか両方の意味でまぶしー。

「だって、仁太が何謝ろうとしたか
分からなかったもん」
ふふ、ちゃんと余地を残してくれるか。

-親って
 叶わねぇよなぁ…。


ほんと、そう思う瞬間って、ありますねぇ。

芽衣子はぶつぶつ文句言いつつ商店街を
ぺたぺた歩く。
仁太がおはようも言わず出かけてしまったから。
えっと、鼻触られても起きなかったのはキミだけどね。

見覚えのあるヘルメットを新聞屋の前に置かれた
スクーターに見つけた。
「ぽっぽだ!」
こんにちはと声掛けて覗いてみる。
鉄道は新聞に広告挟む作業しつつ
携帯で誰かと喋ってる。
相手は鳴子か?

「いやぁ、いくらめんまの母ちゃんが
ああだったからってさぁ、
じんたん一人でやらせる訳に、いかねぇだろ?」
せっかく超平和バスターズが
元通りになったと思ったのにと
鉄道の残念そうな声。
芽衣子は傍に寄って、仲が悪くなったのかと
心配する。

「だから!めんまのこと、俺は信じてる。
じんたんにしか見えなくても、
皆が信じなくても、俺は…」

ほんと良いヤツだ…鉄道。

事実を知った芽衣子が店を飛び出していく。
風もないのに入り口に積んであったチラシが
ふわりと舞い上がり、床に落ちる。
鉄道が不思議そうに視線を向けた。

帰宅した松雪の元に、知利子から電話が入る。
自宅に無言電話があったらしい。
仁太はバイト中の筈。
でもナンバーディスプレイは、
仁太の家の番号だった。

「宿海が…無言…」
「なんか、ザザッて砂嵐みたいな音がして」
あー、そら霊現象ですねー。
ずっと前にちょっとだけ居た会社で、
経験した事ある。
夕方残業してると、皆既に帰って居ない筈の
別のフロアーから内線電話掛かって来たり
ファックスが勝手に動いたりしたなー。

知利子は、まさかと思いつつも
仁太の家に居るという芽衣子が…と
少し思ったみたい。
そうこう言ってる隙に、松雪の家の電話も鳴った。
表情は見えないけど、汗がたらり。
仁太ん家の番号なんだね?松雪。

「もー、安城さん黙って休むとかさぁ、
そういうのナシにして欲しいんだよね」
あら、ここの店長って、こういう人だったの?
今日はジムの皆とマッスルパーティの予定だったって…。
あー、確かにちょっと筋肉っぽいわねアナタ。

仁太はハンカチ返そうと思って持って来ていたのね。
でも鳴子と顔をあわせづらいでしょ…。

「あの…」
「あ、いらっしゃいま…ぁ」
聡志君じゃないですかー。
彼もイレーヌ似で可愛いよね。

で、夜の公園で、ちょいと話す事になったのね。
「なんか…すんませんっした」
謝るのは突然押しかけたこっちの方だと仁太は気まずそう。
「ウチの親、異常なんすよ。
あのおばさん、ほとんど家出ないし」
母親のことを、おばさん、ね。
確かにこの年頃の子って母親の事、
そんな風に言ったりするの、聞いた事あるわ…。

イレーヌは引きこもり状態のようです。
聡志としては、そんな母親を気持ち悪い、
恥ずかしいと思ってる。
「ほんと、何考えてんだろうな、親って。
でも、一番キツイと思う。
親って、多分…なんつうか
って、俺に言えるような
義理…ないんだけどさ」

でも親の気持ちも、ありがたみも
分かった所だもんね仁太。

「まだ一人、残ってるのにな、子供」
あー、そうだね。
聡志にしてみれば、そうか。
もう一人子供居るのに、イレーヌの眼中には
死んだ芽衣子しか居ないみたいで
それはそれでキツイ。
影響はここにもあるか。

まだ小さかったから芽衣子の事、ほとんど覚えてない聡志。
でも少し、覚えてることがある。

『いってくるまーす』
どんな日本語や。
遊びに行く芽衣子を追って聡志が俺も行くと
玄関先でふんばった。

『さーくんは、だーめ』
『いくのぉー』
半泣きな聡志に、
『あのね、お姉ちゃんねぇ、
超平和バスターズなの!
みんなの平和を守りに行くんだよっ。
だから、さーくんはお家を守るの、
分かった?』
聡志は顔を輝かせ
『分かった!』
と返した。

「お家を守れって言われても…あんなしみったれた家」
でもさ、芽衣子も上手いこと言ったもんだよ。
長男なんだし、確かに家を守る役割よね。

「あのさ…」
仁太が意を決して聡志に何か言ったようですが
そこは見せてくれないのね。
後で分かる仕様?

仁太は秘密基地に来ました。
鳴子にハンカチ返す目的?
「あ、安城…」
言いかけた仁太ビックリ。
全員揃ってるやないの。

「お前、今日なにしてた」
バイトですよねー。
電話掛けてたんじゃないかと松雪。
知利子は無言電話の事を話します。

その時間は家に仁太も父ちゃんも居ない。
仁太も掛けたのは芽衣子かと思いますが
松雪がキレました。
「なんなんだよ、お前は…。
めんまめんまって、なぁ!?」

松雪が仁太の胸倉を掴み、鉄道達が慌てる。
「だったら、俺にも見せろよ。
居るんだろ、めんま。
だったら俺にも見せてみろよーっ!!」

うわ…松雪もマジギレしてる。

鉄道が松雪を引き剥がしたが
仁太はげほげほとむせてる。
「少し冷静になりなさいっ!」
知利子が松雪を諌め、仁太が一息ついた時
入り口ののれんが揺れた。

芽衣子が立ってる。
少し、寂しそうな笑顔で。
「…めんま」
「お前、またっ」
「ねぇそういうの止めなよ」
「最低よ宿海!こんな時までめんまの幽霊ごっこ」

…酷い、みんな。
だって、そこに居るから仁太は名前を口にした
だけなのに。

「みんな…ゴメンね」
「…なんで、お前が謝るんだ」
松雪、ますます激昂。
「宿海ぃ!!」
「い、居るんか?じんたん。
めんまそこに」
「アンタも止めな、ぽっぽ」

あ、EDのクレジットが被る。
今日は長めなのね。

「じんたん、ちょっとタンマね」
芽衣子?何かするつもり?

松雪がまた仁太の胸倉つかみ、拳を上げる。
殴るかと鳴子が眼を瞑るが、その手は何故か
下ろされた。
「頼むから…頼むから
…もう…やめてくれ。
めんまに、俺達がしたことは、
一生消えない。
めんまが謝ってるなんて嘘だ。
めんまが俺達を許すことなんて
ある訳が無いんだ!!」
「ゆきあつ…」

その時、芽衣子の日記がテーブルから落ちた。
「に、日記?」
「なんで…風もないのに
ちょっと…やめてよ」
日記の先には小さな足。
芽衣子がわざと落したんだね。
日記を見て俯いてた顔が上がり、
まっすぐに…多分、仁太を見てる。

まるで、
もう大丈夫だよって
言ってるみたいな顔で。

「でも、ほんとになんで…」
拾って中を見た鉄道が、愕然とし、
頬に冷や汗が流れる。

ここでED被りとか、上手いなー。
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「どうしたのよ、ぽっぽ」
「これ…」
「え?」
そこに書かれた文字を、鳴子が読み上げる。
「今日は大きくなったみんなと
秘密基地で…遊び…ました。
ケンカは…しちゃ…だめです。
超平和バスターズは、
…いっつも仲良しです」
芽衣子が頷くように眼を閉じて微笑む。

「ちょっ、ちょっと貸せ」
松雪が日記を受け取り、その字を確認する。
「めんまの…字だ…これ」
「めんまの…」
松雪が言うなら間違いない。
めんまオタクだしな!

「へへっ。せいかーい」

-めんま…どうして…。

そりゃキミの為でしょう。
信じてもらえなくて、
キミが辛い思いしてると分かったから。
でもコレやっちゃうと、
芽衣子自身は、ほんとに自分が幽霊なんだなぁって
思い知らされる事になるわけで、
ちょっと辛いと思うんだよね。
それでもあえて、やったんだね。

「な、なぁ…じんたん。ほんとに…めんま、なのか?」
「あ、あぁ…」
だからー、最初からめんまだって
言ってるじゃないかーっ!!

まぁ、しょーがないけどね。
見えない人には、信じがたいわなぁ。


ようやく皆が分かってくれて…
ほんとは皆にも見えると良いんだけどね。
あ~一週間、待ち遠しいーっ。
早く、続き見たいぃぃぃ。

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前回までの感想

#1
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#1
【超平和バスターズ】最後の数分間にヤラれたよ。

#2
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#2
【ゆうしゃめんま】 ぽっぽが良いね。

#3
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#3
【めんまを探そうの会】めんまの願いは…。

#4
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#4
【白の、リボンのワンピース】ぽっぽに、めっさ泣かされた~っ。

#5
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#5
【トンネル】暴落株が終盤一気に高値付けたっ!!

#6
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#6
 【わすれてわすれないで】じんたん、つぇ~よ。

#7
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#7【ほんとのお願い】
 うん、かっけぇんすよ、じんたんは。



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(アニメ感想) あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第8話 「I wonder」

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray](2011/08/24)入野自由、茅野愛衣 他商品詳細を見る ●意見交流の場として掲示板を設置しました。記事の感想や意見、原作ファンか...

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第8話「I wonder」

超平和バスターズはいっつも仲良しです――。 めんまの母の怨嗟を知った仁太たち。 集はもう止め様と訴えるが、仁太はひとりでやると…。 ▼ あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第8話「I wonder」...

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 08話『I wonder』

超平和バスターズの面々が一堂に会す。 5人で向かうのは本間家。花火のことをめんまの父親に反対されたと知った彼らは、その父親がいない時間を見計らってイレーヌさんにアタックしようというわけだった。

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」第8話

日記に記入 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201106030000/ あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray] posted with amazlet at 11.05.31 アニプレックス (2011-06-2...

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第8話「I wonder」

『花火を上げることを「めんま」の父親に反対されていたと知り、ショックを受ける「じんたん」たち。どうにか「めんま」の願いを叶えたいと、「めんま」の母親を説得しようと試みるが…。』 ロケット花火...

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橘 瑞来

Author:橘 瑞来
ここ数年、仕事と体調が
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本宅notresは
2014年5月8日を持ち
閉鎖いたしました。


音楽、アニメ、ゲーム、
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