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「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#10【花火】まだ…だとは思ったけどさ。

終わりが近づいて来た焦りと寂しさを
仁太が感じてるように
私も感じていました。

先週は、このままで居させてやりたいと
切に思いましたが、
なんでもアリなスーパー幽霊さんでも
やはりタイムリミットがあるようで。

番組にもあるわけですが。 

仁太の気持ちが、もう切なくてかなわんね。

頼むから少しでも救いのあるラストに
してね…。
(それ難しい注文だと思うぞ)

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あらすじは公式HP↓より。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

第10話 「花火」
とうとう明日に迫った「めんま」の願いを叶える日。
そのことを仏壇に手を合わせて「じんたん」の母親に
報告する「めんま」は、ふと見た自分の手が、薄く
透けはじめていることに気付く。その手を見つめる
「めんま」は…。


OP~♪
青い栞青い栞
(2011/06/15)
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朝早く、仁太は走って本間家までやってきて
郵便受けに手紙を入れた。
ちょっとフットワーク良いんじゃない?
肉体労働のバイトで体力もちょっとついたかな。

-明日だ。

花火はもう明日、ですか。
本間家の郵便受けに入れたのは
それを知らせる手紙かな。

芽衣子は仏壇の前に座り
仁太の母ちゃん、塔子の遺影に手を合わせる。

-明日です。

芽衣子は胸中で塔子にそう報告し
合わせていた手を開くと…
 げっ…
透けかけてるの、それ…。
それを見つめてる芽衣子の表情が、
なんとも言えないね。

それでも玄関が開いて仁太が帰ってきたと知ると
嬉しそうに立ち上がって迎えに行く。
カメラは塔子の遺影に近づいて行く。
やっぱ、塔子が一枚かんでるような気がするよ。

鳴子の部屋、酷いなぁ。 
散らかし方が男の子並み。

やっと戻ってきたと思ったら、学校もいかず
ごろごろごろごろごろごろ…だそうで。
ごろ×2じゃ足りなかったか。 
鳴子の母ちゃん、おもろいよね。

おや鳴子、眼鏡なの?
家でごろごろなら、コンタクトじゃない方が
ラクっちゃラクだもんね。
眼鏡だとちび時代の顔に近づくね。

携帯が鳴った。
松雪からです。
おや、なんか二人の関係、
ちょっと変わってきた?
鉄道が今夜、決起集会を開くそうで。
「どうする?」
「わかんないよ」
「あぁ…わかんねぇよな」
とりあえず駅前で待ち合わせして…
と言いかけた松雪、
近くで知利子がまた女子に絡まれてるのを
目撃します。

知利子が、全然懲りてない?
なんで懲りなきゃいかんの。
てか、そもそも懲りるって何によ。
知利子は懲りなきゃイカン事なんて
何もしてないじゃん。
松雪の事、自分だけが知ってる顔…って
そらアンタらとは年季違うんだぜ?

「身長181㎝、体重68㎏、
好きな食べ物は八ツ橋。
…趣味は女装」

 うわーっ言っちゃった。
「「女装ーっ!?」」
驚いてるけど、多分信じないだろうねこの子ら。

言うだけ言って立ち去る知利子。
松雪が追いかける。
腕を掴んで、
「お前、あれ言いふらすのはナシだろ」
さすがに俺も…」
「…痛い…」

捕まれた腕がさほど痛むわけじゃない。
痛くて痛くて堪らないのは
知利子の恋心。

瞳から零れ落ちた涙を見た松雪が、
ハッとして手を離す。
そのまま知利子は走り去り、
松雪は、
「鶴見…?」
そんな有り得ない物でも見たような顔してぇ。
ほんと全く、これっぽっちも、
知利子の気持ちに気づいてないのね
 アンタってば。

鉄道が仁太の家に来てる。
芽衣子の成仏を明日に控えての大宴会。
飾りつけも、ぱぁっと!ってことで
鉄道が張り切ってる。
「めんま、ティッシュでお花作る!」
主役が作ってどうするよ。

「おい!お前が主役なのに、
何、自分で作業してんだよ!」
ほら仁太にも突っ込まれた。
そうそう、今日の仁太のTシャツは
鮮やかな緑色で白ネギという白抜き文字。
 ほんとネギだな。
涼しくなって来たので、下に白い長袖シャツ着てるし。

チラシでゴミ箱作れって…。
そういえば子供の頃、お誕生日会とかで
一人ずつのお菓子入れを
大きな折り紙で作ったりしたよな。
食べきれなかったら、そのまま持って帰れるように。
ああいうヤツのことかな。

「昔ってさ、俺、
クラスじゃミソッカスだったじゃん?」
そうだったの?
「馬鹿やって気ぃ引くしかなくてさ」
あー、それはなんとなく分かる。
OPとかでも、馬鹿やってるシーンあるよね。

「でもじんたん達は
仲間に入れてくれて
結局は皆のこと、
見てるだけしか出来なかったけど…」

鉄道は綺麗に折り紙をハサミで曲線に切って
それはネッシーかなんか?

「見てるだけ…しか…」
あー…。
だっくすんさんの言ってた事、
当たってるかもしれませんな…。

あ、前回の感想記事にね、
だっくすんさんがコメントくれまして
秘密基地で鉄道と芽衣子が二人きりになった時
鉄道が芽衣子に訊いた、
「あの日…お前さ…あの時…その…俺の事…」
って台詞。
鉄道も芽衣子が好きだったのかーって
私は書いてしまいましたが、
だっくすんさんがご指摘くださったように
あの日、あの時、だから、
違いますよね。
私も注意が足りなかったですねー。失礼しました。

芽衣子が川に落ちた時、鉄道はそれを目撃。
知っていたけど何も出来ずに
見ていただけ…という仮説。

今回、他所でもそんなコメントを眼にしました。
ここの鉄道の台詞を取っても、
なんかそんな匂いがすることはしますね。

でも、私はね…。
だっくすんさんのコメントのレスにも書きましたが
本当に芽衣子が死んでいくのを
見てるしかなかったなんて事ならば、
鉄道はもっと自分を責めてるんじゃ
ないかと思うんですよ。
それこそ芽衣子の霊が現れたなんて分かったら
恐怖するんじゃない?
真っ先に自分を恨んで出てきたんだと思うのでは
ないだろうか。

でも鉄道のこれまでの態度を見る限り、
彼には余裕がありますよね。
少なくとも他のメンツよりは。
松雪が否定し、皆が信じなくても
鉄道だけは仁太を信じ、
芽衣子を受け入れようとしてた。
後ろめたさのある人間の言動ではなかったと
思うのよね…。

あくまでも私の見解です。
違ってるかもしれないし
合ってるかもしれないし、
でも今は想像して、楽しむ時だよね。
だから…良いよね?
色々考えてみるのは。


「ぽっぽ?」
様子のおかしい鉄道を訝しげな顔で覗く仁太。
「あっ、いや、だから!
今回はぜーんぶ、俺仕切りな!
ド派手に見送るぜ、めんま!」
微妙に位置が違うけどね鉄道。

「お願い申す」
芽衣子はテーブルに手をついて
そんなふざけた口調で頭を下げる。
仁太は、複雑な顔してそんな二人を見つめ、
俯く…。

こちらは本間家のリビング。
「どうする?…それ…」
本間氏がイレーヌに訊いてるのは
明日の花火の事ですね。
テーブルに置かれている封筒には
招待状、の文字。
仁太が朝、郵便受けに入れたのは
これですね。

「行くわけ、ないでしょ?」
まぁイレーヌならそう言うでしょうな。
「どこまで人を
馬鹿にすれば気が済むの。
あの子達、どこまで…」

そんな風にしか受け取れないって悲しいねぇ。
でも…。
「俺、行くよ」
いつの間にか立ってた聡志が告げる。

「どうして?どうしてなのよ、さーくん!?」
とたんに興奮するイレーヌ。
聡志の前に回りこみ、
肩に手を置いてしゃがむ。

イレーヌ?
それは小さい子相手にする動きでは
ないですか?
今、そんな風にしゃがんだら、
逆に貴女、聡志を見上げなくちゃ
いけないでしょう?

そんなイレーヌに、
聡志は少し眉を寄せ、視線を外した。
「母ちゃんさ、
俺の身長、何㎝か知ってる?」

ハッとするイレーヌ。

この一年で、凄く伸びた。
でもそんな事も、彼女は分かってない。
芽衣子の事で頭いっぱいで、
聡志の事は、眼中に入ってないから。

それだけ言って出て行く聡志。
イレーヌは、ペタリと床に座り泣き出した。
そんな妻に、ハンカチを差し出す夫。
「寂しかったな、聡志も…お前も」
芽衣子を忘れられる筈は無い。
それはそれで良いんだ。
ただ…
「一緒に寂しいと思おう。
お前と聡志と、俺と、三人で一緒に」

本間氏、良い人じゃないか。

こちらは駅前で待ち合わせた松雪と鳴子。
ワクドナルドの2階席ですか。

花火が上がったら
どうなってしまうのか。

ん…なんか今日の作画、ちょっと変?
松雪の顔も…さっきの学校のシーンもさ
崩れてるわけじゃないけど、
松雪の顔じゃない…みたいな。
ここのシーンもだ。

「めんまが居なくなったらって
昔は何度も思ってた」
芽衣子が居なければ、自分が一番仁太と仲良く
出来るのに、と。
「でも…違った」
芽衣子が実際居なくなったら仁太との距離は
広がるばかりだった。
また距離は縮まったけど、
それは芽衣子が戻ってきたから。

「有難いよな…」
「え?」
「あ、いや…」
有難いのは、芽衣子が戻ってきたこと?
それとも、松雪にとって、
こうやって気持ちを共有出来る存在-鳴子が
居るってこと?

松雪の携帯が鳴った。
知利子からです。
秘密基地に行くかと知利子に訊かれ
曖昧に返す松雪。
「安城さんと一緒?」
「え?ああ…そうだけど…」
お見通しよねー知利子は。

「弱虫!」
あはは。
松雪は言い返せない。図星だからね。
あれだけ成仏させると息巻いていたのに
いざとなれば怖い。
まぁそうでしょうな。

しかし怖いな知利子。
ワクドナルドに居る二人が見える位置から
電話してんのかよ。

情けない話だと知利子は容赦ない。
怖いから、芽衣子から逃げて
松雪は鳴子と一緒に居る。
惨めなのは自分だけじゃないって
思いたいから。

「私もね、思いだしたのよ。
めんまに電話で呼び出された時、
めんまが言ってたこと」
おぉ…思い出してくれたか知利子。
それ、知りたかったんだ。

「じんたんの為にお願いしたい事が
あるんだって」

「えっ?」
えっ?って…松雪は知らなかったってこと?
それとも、これ、今、知利子が作ったの?

様子がおかしいので気にする鳴子に、
松雪は頼みがあると言う。
「あぁ…お前じゃなきゃ
出来ないことだ。
あなる!」

 わざわざ、あなる呼びですか。
安城鳴子じゃなく、あなるに頼むのね。
そういう頼みごとなわけだ。

秘密基地で鉄道は腐ってます。
「なんでこないんだよ、あいつら!」
頑張って飾りつけもしたのにね。
って、『さよならめんま』ってのはどーなの!
あ…私がネッシーかと思ったアレ、
めんまの"め"の字だったのね…。

ぼちぼち始めていようと言う仁太に、
呼んでくると戸口に向かう鉄道。
…っとそのタイミングで知利子が入ってきたから
戸口の前で鉄道がくるりんと踊るハメに。
可愛いな鉄道。
「つるこー♪」
知利子の登場に、嬉しそうだ。
お菓子買ってきてくれたらしい。
あ…カントリーマアム。

「ジュースもな」
松雪と鳴子も入ってきた。
鉄道は大歓迎。
愛してるぜぇ~とか信じてたとか…
もー鉄道ったら。

鳴子は気まずそうね。
チラリと仁太を横目で確認。
仁太は…

怯えてるみたいな顔してる。

「…集まっちまった」
声に出てるよ仁太。
それ、ほんとは心の声だったんでしょ?
芽衣子に振り向かれ、誤魔化す。

-どんどん、
 終わりが近づいて行くような気がして…


怖いんだね、仁太。

「えー、めんまさんと我々は、
超平和バスターズを結成し…」
「前置きは良いから」
「はい…」
ぷぷぷふっ。
鉄道と知利子、漫才コンビみたいや~。
息ピッタリ。

「主役のめんまさん!前へどうぞ!」
と言っても見えないのに、どうするんだと思ったら
筆談ですか。

きょうは めんまのことで
ありがとう ございます。


「そんでー、いよっ!」
次のページをめくる。

めんまは あした
じょうぶつ します。


それを見て悲しげに顔を歪ませる松雪。
笑って成仏しますなんて文字を
本人が見せるって、とっても違和感。

心残りがあってこの世に留まってしまった魂って
成仏なんてしたくないと思ったりするもんじゃ
ないのかなと思ってみたり。
例えば幼い子を残して亡くなってしまった母親が
居たとする。
きっと心配で心配で、離れられないのではと
想像しますよ。

芽衣子の場合は、恨みとか心残りとかの
実感ないまま今、ここに居るわけですが
大きくなった皆と会えて嬉しくて
仁太の傍に居て…きっと幸せで、
仁太同様、芽衣子だって本当は
成仏なんかしたくないのでは?と思います。

でも仁太とは生きていた時のように接する事が出来けど
他の皆には見えなくて、一時期仁太には辛い思いをさせた。
ようやく皆も認めたけど
物を動かせばポルターガイストに
なってしまう。
成仏させるべだと、皆は思ってる。
だから芽衣子は、自分は成仏するべきなんだと
自分に言い聞かせ、
こんな風にわざと明るく
振舞ってるのではないのかな。

まぁ透けても来ているから
タイムリミットも感じているだろうしね。

さいごまで みんなと
なかよく したいです
よろしくおね がいします。


そうそう、このめんま文字。
公式でフォントをDL出来ますよ。
私も貰っておこうかなと思います。

芽衣子のメッセージを見た鉄道の眼に、
涙がこみ上げてきました。
「めんまさんの挨拶でしたーっ」
ぱちぱちぱちぱちっ。

鉄道が芽衣子に食うかと差し出したのは
ヒーハー!!
辛いポテチみたいね。
ここ、微妙に視線が合ってないんだよね。
よしよし。
合わないのが正しいんだから良いんだよ。

辛いのは痛いからヤダと芽衣子がまた
日記を手に取って書こうとする。

芽衣子の言ってる事は聞こえてないのだけど
なんか鉄道と会話成立してるねぇ。

残りのメンバーは、御通夜のような顔で
ぽりぽりとお菓子食べてる。
「余興とかないのか」
と、松雪。
これじゃあただの飲み食い。
「決起集会なんだろ?
せっかくだからなんかやろうぜ」

芽衣子はわぁいと喜んでる。

でも余興って何を?
「そうだな…もっかい、
あの日やるとかさ」


あの日…。

うわ…今、皆の居る場所、
立ち居地があの日と一緒なんだ。
ぶるっとキタ。

あの日、ここであったことの再現。
それはつまり…。

「ふざけるなよ!
そんな事してなにがっ!」
仁太が吼える。
だって、それって皆の傷をえぐる事にもなる。
あんなやりとりがなかったら、
仁太が飛び出していくことも、
芽衣子が追いかけていくことも、
彼女が亡くなる事も、
なかったかもしれないのだから…。

でも…
やり直す、という意味では
良いのかもしれない。
ただ…。

「あなるっ!」
松雪が鳴子にゴーサインだ。
これ、一番辛いの鳴子だよね。
それをあえてやらせるのかよ。

少し震えながら、それでも鳴子は意を決する。
「じ、じんたんってさ…」
「やめろ!」
仁太は止めようとするけど、
鳴子は止めない。
「めんまのこと…好き…なんでしょ?」

「お前ら…」
「言えよ、めんまもここに居るんだろ?
はっきり言え!」
「ゆきあつ…」
松雪の顔を睨みつけた仁太の耳に、
鉄道の声が届く。
「言ーえ…言ーえ…
言ーえ、言ーえ…」


そうだったね、あの時キミはそうやって
はやし立てた。
でもあの時みたいに無邪気には、
出来ないよね。
複雑な思いの詰まった
「言ーえ、言ーえ…」
重かったよ、鉄道。
ちょっと怖い。
でも…あの時キミって、茶化す目的だけじゃなく
知りたかったりもしたんだよね…きっと。

「好きだ…」

うわ…大人な告白だよそれ。
子供のノリじゃなく、マジ声。

「俺は、めんまが…クッ!!」
ってダッシュで戸口に向かう仁太。
「そこで逃げたら、
同じ事になるぞじんたん!!」

おぉ…鉄道。良い事言う。

仁太は、一歩飛び出した所で留まったよ。
息を整えて振り向いた仁太の眼に映ったのは…。

-めんまは声も無く
 ただ…
 ぽろぽろと泣いていた。



ぐすぐずと泣きながら歩いてる子が
ここにも一人。
「いい加減、泣き止みなさいよ、
みっともない」
振り返って知利子が呆れ顔浮かべる。
いやー、これは泣かずには居られないと思うぜ?
「どうせみっともないもん」
くふ、可愛いな鳴子。

秘密基地に向かう時、鳴子は一度止めようと
松雪に言った。
あの日の答えなんて分かってる。
『めんまが成仏しても、
はっきりしないで迷ったまま、
ずっと居ない筈のめんまに負け続けて
それで良いのかよ、お前』


あら…鳴子にもケリを付けさせるためだったの?
それは荒療治だけど、悪くないかもしれない。
ただ、自分はケリ付けれないのにねぇアナタ。
人にはやらせちやうんだ。

「つるこにはわかんないよ。
好きな人に…
永遠に振り向いてもらえない
気持ちなんて」

いや、誰より分かるぞ、この姉さんは。

「分かるわよ。私はゆきあつが好きだから」
おーっ言っちゃいますか。
鳴子、ビックリだろうなぁ。

松雪はずっと芽衣子を追い続けてきた。
その姿を知利子はずっと見てきた。
一番近くで、ずっと、ね。

永遠かどうか分からない。
芽衣子が成仏したら、あるいは仁太は…。
「でも、ゆきあつは…。
私を選ぶことは絶対に無い。
めんまが成仏しても
その代わりは、
安城さん、貴女なんだから…」
知利子ぉ~っ。

違う!と鳴子は駆け寄って知利子の肩を掴む。
松雪は芽衣子の代わりに鳴子をなんて
思ってない。
「それに私だって、
いくら辛くたって
ゆきあつと付き合ったりしない!」

ですよね。
鳴子のじんたん好き度を甘くみちゃいけない。

「じんたんが好きだもん。
代わりなんて居ないんだもーん」

知利子の肩を掴んだまま、
鳴子の瞳から大粒の涙がぼろぼろとこぼれて落ちる。

鳴子の"うえーん泣き"って可愛いな。

「そうよ…代わりなんて居ないんだから…。
だからめんまを、成仏させなきゃ」
え…今の、どう繋がるのよ。

ほら鳴子の涙も止まっちゃった。

帰宅途中の仁太と芽衣子。
芽衣子は鼻歌歌ってますけど
仁太はそっぽ向いてるよ。
そりゃ…告白の後ですしね。

秘密基地を出るときに、鉄道が仁太に
謝った。
はやしたてるような事をして…と。
『なんとなく…
巻き戻るような気ぃしたんだ。
全部が…』


鉄道も、巻き戻したいと思ったんだよね。
だからあんな重い切実な声で。
でもそれはやはり、あの日に彼も大きな"後悔"が
あるからなんだろうな。

-巻き戻る…。

考え込む仁太の顔を、
「ねぇ!」
芽衣子が突然覗き込む。
「さっきのほんと?」
「え…?ほ、…ほんと…だよ…」
うわー、照れるよねぇ仁太。 

芽衣子は嬉しそうにくるっと回って
「めんまもじんたん、好きー」
「すっ、好きだって…友達の好きとか
それだけじゃ…ねぇからな」
むふふふふ。にやにやにや。

「分かってるよ、
お嫁さんにしたい、の
好きでしょ?」

うわー、そこまで飛躍。

芽衣子は仁太の腕に幸せそうにしがみつく。
「めんまが、普通にこうやってね、
おっきくなってたら」

足元を見ると、仁太には影があり、
芽衣子には影が無い。
それを見けば自ずと、仁太の表情は陰る。
「めんま、
じんたんのお嫁さんに
なったのかな」


ああーっ。
キミがそんな言葉を吐くって…やっぱアレですか?

前にここで書きましたが、芽衣子の脳裏に何度か
重要事項としてフラッシュバックした塔子との病室での
シーン。
『めんまちゃん…』
と芽衣子に微笑みかけた塔子が、芽衣子に何かを言って
それがキーになっているのではないかと
私は思ってるんですけどね。

塔子は自分の死期を察してましたよね多分。
自分は仁太の傍にずっと居てやることが出来ない。
だから、
芽衣子には、仁太の傍にいてやって…
良い友達で居てねぐらいの事を言ったかなと
思ったの。

最初はね、
『大きくなったら、お嫁さんになってあげて』
ってのも
考えたんだ。でもいくらなんでもまだ、
ちびすぎるからさ、当時の仁太と芽衣子。
だから、お嫁さんじゃなく、ずっと良い友達で…
ぐらいに収めたんだけど
今の芽衣子の発言からすると、
ひょっとして、
『お嫁さん』の方だったのかな…とか思ったり。

「普通に…じゃなくたって、
成仏しなくたって…
このままここに居れば
いいじゃねぇか」
「…じんたん…」


-言って…しまった…。

あ、訂正はしないのか。
もう思いを吐露しちゃうのか。

芽衣子はタタタと先のほうまで走っていって
仁太と向き合う。
「成仏…しますよ」
後ろに組んだ手。
そう…もう芽衣子の身体、透けかけているから。
ずっとこのままでは居られないと
もう悟ってしまったから。

「あのね、生まれ変わりだよ。
成仏しなかったらね、それ出来ないもん。
皆とちゃんとお喋り出来ないもん」
でも芋虫だったら話が出来ないとか
ぶつぶつ言ってる芽衣子。
もう仁太の耳には届かない。

-皆と…ちゃんと…。

生まれ変わっても、芽衣子の記憶は無いし、
生まれる時代に差が出来れば、
皆と再会する事も出来ないよ芽衣子。
そこらへんは、分かってる?

松雪はまたあのカツラを出して、
ほお擦りして話しかけてるよ。
「なぁ、めんま。
お前、じんたんに好きって言われて
なんて答えたんだよ」

答えなんか分かってる。
分かりきってる。

「あぁ…もういいや。
うん…成仏しよう…な?
めんま」
なんだかなぁ~。

当日の朝。
仁太は眠る芽衣子の頭を撫でて呟く。
「俺だけじゃ
…駄目なのかよ、めんま」

昨日言われた、皆とちゃんと…が響いてるか。

芽衣子は夢を見てる。
塔子の夢。
いや…塔子との思い出。

生まれ変わりの事を芽衣子に教えたのは
塔子だったのか。
『もし命が終わってもね。また、赤ちゃんになって
この世に産まれてこられるのよ』
人間とは限らない、猫や花かもしれないけど
だから全然寂しくないのだと塔子は言った。

瞳をキラキラさせて芽衣子はその話を
胸に刻んだ。
『ただね…1つだけ…1つだけ…』

塔子が1つだけ心残りをあげるのなら
それは仁太の事だったに違いない。
仁太の事が気がかり。
その塔子の思いを、芽衣子は胸に抱いていたから
今、ここに居るんだと思うんだよね。
仁太だけに見えて触れて話せるのもさ。

目覚めた芽衣子の手は、やはり透けかかっていて
芽衣子はその手を頬に当てる。
「おばさん…もうちょっと待って。
皆が花火してくれるから。
もうちょっと…待って」

花火台…かなり立派な物を立てたんだなぁ。
まぁ中途半端なものでは危ないんだろうけど。

遅れてごめんとやってきた知利子のスタイルが
凄いんですけど…どしたの知利子。 

芽衣子はちっちゃい頃のつるこみたいと
喜んでる。
芽衣子の為の今日の日だから、良いか。

「なにそれ」
「気分転換」

少し手を動かして、溜息。
「嘘」
「だよね」

くふふ。二人の会話、テンポが良いな。

仁太は憂鬱そうだね。
せーの、と花火を持ち上げた時、
聡志がやってきました。
「こんちは」
ぺこっと頭を下げる。

傘差して遊んでた芽衣子の表情が固まる。
「あ、あぁ…来てくれたんだ」
芽衣子は涙こぼして聡志に抱きつく。
聡志に芽衣子は見えない
でも…
「あ…あれ…」
「どうか…した?」
実際見えてる仁太は、ちょっと顔ひきつり。
「いや…なんか…
嗅いだことがあるような匂いがして」

さすが姉弟。
うんでも…実際、匂いで気づくことって
あるよ。

聡志を呼んでくれたことを芽衣子は仁太に感謝する。
バイト先で偶然会って、公園で話した時、
仁太が頼んだのは、この事だったんだな。

芽衣子は泣きながら喜んでるけど、
仁太の表情はどんどん暗くなるよ。

-本当に…終わりなんだな…。

皆で花火を担いで、運びながら
思う。
鳴子の、知利子の、鉄道の
そして仁太の
それぞれの思い…。

-これで良いんだよね。

-だって、めんまと私達の利害は
 一致してる。

-絶対に成仏させる。

-でも…。
 今ならまだ止められる。



仁太の気持ちを見透かしたように
松雪がわざと言う。
きっと芽衣子が喜ぶと。

-絶対に止めさせない。

悪い顔だ。


-今なら、止められる…。
 止められる…。
 だけど…。


成仏しますよと言った芽衣子の顔が浮かぶ。
芽衣子も望んでいるのなら…。

いよいよ打ち上げるとなると、
言い残した事はないかと鉄道が焦る。
弟が居るのに、と松雪に言われ、
じゃあ一方的に、と
「うわーっ!!すっげぇ楽しかった!
ありがとなっ!色々!」
聡志、ぎょっとしてますが…。

「おいじんたんも!」
そういわれて仁太は芽衣子を見るけど
言葉なんて出てこないよね。

見送りたくないのに。

言葉をもらえなくて芽衣子は少し寂しそうで…。

遅くなると近所迷惑だからと
空が茜色に染まり出した頃
いよいよ打ち上げることになりました。

それでも仁太の心はまだ揺れている。
まだ今なら…
今なら間に合う
止められる…と。

火をつけられたその瞬間、
「ま…っ!」
一歩飛び出した仁太。
♪君と夏の終わり…
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-あぁ…
 花火
 
 上がった…


イレーヌも本間氏とここへ向かってたんだな。
もしくは少し離れた所でわざと待機か。
いずれにしても、空に上っていく花火を
車の中から見ている。

絶望的な顔で空を見上げていた仁太。
その時…。

「うわぁ~空にお花咲いた~っ!!」
後ろで芽衣子の喜ぶ声。
慌てて仁太は振り返ったさ。

「え…?」
一人後ろ向いてる仁太を不審に思い、
皆が仁太を見る。
芽衣子も消えてない自分に気づいて
「あ…れ?」
「めん…ま…」
これには松雪がキレちゃいましたよ。

「居るのか?…
なぁ!まだ居るのか!?」

居た事を知らない聡志は
「え?」
ビックリだよね。

「おい!宿海!」

-めんま…ゴメン。
 その時、思ってしまったんだ。
 消えなくて、良かったって…。


芽衣子も困って、てへっと頭に拳をおく。

可愛い…。


花火が芽衣子のお願いでは無いと思ってましたし
10話なので、まだ消えないかなとは思ってました。
でももう透けて来てるんだから
最終的に、別れが来るのは必然。
もう最後は大泣きしちゃいそうな自分が怖い。

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前回までの感想

#1
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#1
【超平和バスターズ】最後の数分間にヤラれたよ。

#2
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#2
【ゆうしゃめんま】 ぽっぽが良いね。

#3
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#3
【めんまを探そうの会】めんまの願いは…。

#4
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#4
【白の、リボンのワンピース】ぽっぽに、めっさ泣かされた~っ。

#5
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#5
【トンネル】暴落株が終盤一気に高値付けたっ!!

#6
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#6
 【わすれてわすれないで】じんたん、つぇ~よ。

#7
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#7【ほんとのお願い】
 うん、かっけぇんすよ、じんたんは。

#8
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#8【I wonder】
塔子の言葉がキー?

#9
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」#9【みんなとめんま】
このままで居させてやりたくなるよ。


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塩ラーメンが恋しくて~♪

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あしたまにあーな・・?

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橘 瑞来

Author:橘 瑞来
ここ数年、仕事と体調が
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2014年5月8日を持ち
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音楽、アニメ、ゲーム、
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