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「坂道のアポロン」#5【バードランドの子守唄】良い巡り合わせね。

思わぬ形で薫は母と再会したわけですが、
良いタイミングでしたよね。
律っちゃんとの関係がギクシャクして
修正不可能なくらいだったのに
母と会って、からっと言われた一言に
もやもやが吹き飛んで、
元通りとはいかなくとも、
元の関係には戻ることが出来た。

母のお陰であり、
千太郎のおかげでもある。
千太郎が背中押してくれなかったら、
会いに行ってないし、
母と会った時も、千太郎が自由奔放な態度だから
薫も母に対して変に硬くならずに
済んだのだろうし。

寮の兄さん達も良い人達で、和みましたな。

幸せだね、薫。

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あらすじは、アニメ「坂道のアポロン」公式サイトより。

あらすじ 第5話「バードランドの子守唄」
キスの一件以来、さらに悪化した薫と律子の仲。バツの
悪くなった薫は結局、ジャズの練習に一度も顔を出さな
いまま、年を越してしまう。そんなある日、彼のもとに
一通の手紙が届く。そこには、音信不通になっている母
の近況が書かれていた。薫と十数年ぶりに母と再会する
ため、無理矢理同行してきた千太郎とともに東京へ向かう。


おやおやアバンは律っちゃんへのキスシーンですか。
これは可哀想だよ、うん。

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本日、ムカエレコード店は定休日ですか。
ノックしようとした手を薫が下ろす。
会わす顔が無い…ですよね。

後ろから現れた千太郎が、
なに突っ立ってると薫の肩に腕を回し、
律っちゃんに開けてくれと声を掛ける。
ふふ、すぐに腕回す千太郎見てて、
じゃれる大型犬みたい、と思った。
すっかり懐いてるなぁ薫に。

「…開いとるよ」
扉を少し開けて、俯いたまま律っちゃんはぽつり。
薫と眼をあわさないようにして
外へ出て行ってしまう。

そしてシュークリームですか。
律っちゃんは、しゃがみこんでぼんやり見てる。
そこに入ってきたのは百合香。
実はここのケーキが好きで常連だったようですよ。
淳兄の家だと聴いて、百合香がサッと頬染めて動揺する。
分かりやすいのぉ。

良かったらジャズの練習を見に来ないかと
律っちゃん、百合香を誘いました。

その頃薫は…
指は不協和音を叩き、どっぷり凹んでました。
この世の終わりみたいな顔してますよ。

-お終いだ…絶対嫌われた。

まぁねぇ、あれはいけなかったよ確かに。

「前衛か?」
いやいや淳兄、そんな良いもんじゃござんせん。
ただの八つ当たりと自己嫌悪の音です。
これではセッションにならない。
せっかく淳兄要るんだし、頑張ろうよ~薫。
私はセッション聴きたいよー。

「みんな」
律っちゃんの声が上から降ってきました。
百合香をスタジオに連れてきたのね。
「部外者立ち入り禁止って
親父さん言うとらんやかったか?」
淳兄の口から言われると、ちょっと痛いね百合香。
でも律っちゃんいわく、
百合香はもう友達だから良いんだって。

薫は外の空気を吸ってくるといって、
百合香と入れ違いに階段を上がっていく。
律っちやんと話しをしたかったわけですが、
奥の自宅に逃げられてしまいましたよ。
閉められた戸は、すなわち拒絶。
こりゃまた更に凹むよなぁ。

結局、店の外に出たものの、
まだ道路に雪が残る冬の日。
上着無しじゃ寒くて震えます。
ふと路地から声が掛かる。
「あれ?ボン兄ちゃんだ」
幸子がしゃがみ込んで
雪だるま作ってました。
うはは、それ自分達兄弟の雪だるま?
千太郎の雪だるまが葉っぱ咥えてて不良っぽいやん。
ふふふ。
兄妹仲良いよね。
幸子は、千太郎だけ血がつながって無いって
知ってるのかな。
ほんとは従兄弟になるんだよね…。

友達は皆、習い事に行ってるから、
幸子は一人で遊ぶしかないようで。

「じゃあ、一緒に遊ぼうか」
「え?ほんと?」
わー、幸子嬉しそう。

こちらはスタジオの方。
レコードを回してますが、音がほとんど聞こえません。
「鳴らないの?おかしいわね」
横に百合香がしゃがんで、千太郎がドギマギしてるわ。
その横に純兄がしゃがんで、
今度は百合香がドキドキ。

「こいつ、もう古いから、時々、ヘソ曲げるんだよな」
こういう時はまじないをかけてやるんだと
針の横を指で弾く。
するとちゃんとかかるんだから素晴らしい。
淳兄、ほんとスペック高すぎですよね。

お、薫と幸子は糸電話ですかー。
薫はそのまま外なのね。寒そう~。
「もしもーし、子供電話相談室ですか?」
あははは。
「はいはい」
付き合ってやってるよー、ふふ。
兄弟居ないし子供の相手なんて慣れてないだろうに。

橋口君が幸子の嫌がることばっかりやるんだって。
上履き隠したり、髪引っ張ったり。
それさぁ、橋口君、幸子の事好きなんでしょ。
その年頃の男の子ってさ、好きな子を苛めたくなるものらしいよ。

薫も同じ見解。
橋口君は幸子に近づきたくて、でも気持ちを上手く
伝えられなくてついそういう事をしたんじゃないか。
「違うとよ~」
幸子は否定しますが、男の子ってそんなものみたいよ。

橋口君の気持ち、薫なら分かる。
「俺も…最近、大好きな女の子を
泣かせちゃったんだ。
謝りたいけど、謝っても、
許してもらえないと思うんだ」

お~い、相談員の立場が逆になってるぞ。

ふと離した電話口から
「許さんよ」
律っちゃんの声がした。
「うち、初めてやったとよ」
うん、許せないよね。

幸子に頼んで、変わってもらったのね律っちゃん。
「あぁ上手く怒りきれん」
あ…千太郎がシュークリーム持って上がって来た。
律っちゃんは気づかず、糸電話を続ける。
薫に言わなきゃいけないことがある、と。

さてこちらはスタジオのお二人。
前から通ってた店が偶然淳兄の店だったなんてと
百合香がやや緊張気味に告げる。
淳兄がポンと拳を店の袋に当てて、
「偶然、重なってたんだな…名前まで」
そういえば、お店の名前「しらゆり」ですよねー。
うわーなんか淳兄ってば、
の言い方やら態度やら、
たらしですか?たらしですよねっ!
諏訪部さんだしなぁ。
ちらっと横目で見たりして、
これは落としにかかってる?

いや百合香はもう落ちてますけどね。

こちらは糸電話と立ち聴きの三人。
律っちゃんは好きな人がいて、
今はその人の事でいっぱいだと告げている。
薫はとっくにそれ、知ってますけどね。
全く気づいてなかった千太郎は衝撃受けてますね。

「薫さんの気持ちは嬉しかとよ。
嬉しかとけど…」
「…分かった」
薫は一言だけ返して、糸電話を話した。
窓から遠のいていく影。
あーあー。

背後で物音がして、律っちゃんは千太郎に気づく。
これでも食べて元気だせと、千太郎がシュークリームを
差し出しますが、そんな気分じゃないよね。
「千太郎…どがんしよ。うち、薫さんに酷い事、言うてしもた。
薫さん、もうここに来てくれんかもしれん」
まぁなぁ、来づらいだろうなぁ。
でも仕方ないよ。
律っちゃんには律っちゃんの、好きな人が居るんだし
嘘はつけないよね。

鏡餅にヒビが入ってるから正月明けの10日くらいかしら。
千太郎は左利きなのね。
食事を終えた幸子に、律っちゃんの好きな男が誰か
知ってるかと聴こうとしてる。
ふぅん、気になるのね。
キミ、百合香の事が好きなんでしょ?
家族の気持ちで気になるのか、
男として気になるのかどっちでしょうね。
百合香への気持ちは憧れみたいなもので、
自分で思ってる以上に律っちゃんの事、
大切なんじゃないかと思うけどな。

今日から学校?
あ、じゃあ7日とか8日とかそんな感じかな。
…学校って年明けいつからなんだろ。
子供居ないしわかんないや。

学校で薫を見つけた千太郎はすぐに駆け寄って
頭ぐりぐり。むふふ。
冬休み中、練習に顔出さなかったのか。
あ、周りの学生達がぎょっとしてる。
「あぁ…すまない」
ええー、それだけ?

律っちゃんが先生から預かったノートを持って来ても
薫は読んでる本から眼を外さない。
「ありがとう」
手で受け取ることもなく、そこに置けってか?
薫ー、気持ちは分かるが、キツイよそれ。

そんな様子を千太郎は見て何か考えてる様子。
うんうん、キミがなんとかしてくれ。

薫の父親が帰って来ていて、
下からは叔父と談笑する声が聞こえてきている。
でも薫は目の前が真っ暗で、
父とも話をする気分じゃないようです。

窓に何かが当たったような音がして、
カーテン開けてみたらば…
「よっ!」
千太郎~っ!
人ん家の樹に登って何やってんだー。

「ボン!ちょっとそこどけ」
ええーっ!?その高さで窓に飛び込むつもり?
うわ飛び込んだ。
千太郎凄すぎ。

上着を着ろ、練習行くぞと来たもんだ。
顔出さないと律っちゃんが寂しがる?
自分が一緒に練習出来ないのが先に来ないあたり、
かなり律っちゃんが凹んでる事を気にしているのね。
良いヤツだなぁ千太郎。

「もうあそこには行かない」
「本気で言いよっとか」
「あぁ」
と、ドアをノックする音、
ちょっと良いかと、薫の父の声です。
ヤバイヤバイ!!千太郎、早く隠れろ~。

ベッドでもぞもぞしてたら気づかれるでしょーっ。
もちっと上手い事隠れんか!!

薫に渡しておきたい手紙があると
取り出したのは家政婦をやってたシヅからの手紙。
母親の事が書かれてるらしい。
たまたま東京でシヅが会ったらしく、
連絡先が分かったから、薫に知らせてやってくれと
手紙を書いてきたようです。
良い人だねシヅさんも。
薫の事を心配してたんでしょうね。

母親が出て行った頃、薫は小さかったから
覚えていないかもしれないが、
会いたいと思うなら今度の休みにでも
行って見たらどうだと父は言う。

うわー、写真立てのちび薫が、めっさ可愛いー。

「ボン、土産は雷おこしで良かぞ」
あはは。
「誰も行くなんて言ってないだろ」
今はそんな気分じゃないという薫に、
千太郎ははバカタレ!とシーツを被せる。
「居所の分かる時行っとかんば
見失ったら死ぬほど後悔するばい」


千太郎が言えば説得力あるよね。
彼は探しようがないのだから、母親を。

そこへ今度はまり子がトントン。
「薫くぅん?」
うっわー、今の体勢見られたら
間違いなく誤解されるね。

「なにやっとるとー?入るけんねー」
いや返事してから開けろよ。
ちょっと待っての声と共に、
なんか凄い音がしましたが…。

木の枝思い切り折れてるし…。

「薫君、なんか隠しとらんね」
「いや…別に」
いやぁ木の枝折ったんだし、それ苦しくない?

真ん中アイキャッチは寝台券。
600円って…安っ!
いや、それほど物価が違ってたんだね。
今だと東京-佐世保間って運賃が14700円。
寝台券は一番安くて5250円だわ。
これに特急料金もかかるから相当の出費よね。

あれ…丸尾って無線オタだったんじゃないのか?
鉄道オタでもあるのか…。

あぁ…無線好きな人って、そういやぁ鉄道も好きだな。
うちの義理の兄貴とか、その友人とか。

語り出すと止まらないよねーオタは。
私もジャンルは違えどオタなので、
キミを否定する気は無いけどね、丸尾。
ただ、相手を見て語ろうよ。
薫にその情報は必要なし。

一人旅なんかこれが初めてな薫。
傷心旅行気分だったのに、席に向かったら千太郎が
待っていました。

丸尾に切符取りを依頼したのか。
それ、ついでに丸尾に払わせたままとか言わんよね?
いや、なんかそんな予感。

付いていく事にしたってさ。
東京見たくなったというより、薫の事が心配なんでしょ。

一人になって色々考えたくて旅に出たのに…と
薫は迷惑そうですが
千太郎は、隣のおばあちゃんから
ちゃっかり冷凍蜜柑もらって和んでる和んでる。

アルバイトで稼いだお金と聞き古したレコードを
売って切符買ったらしい。
丸尾、ちゃんと払ってもらったのか、良かったな。

でも薫が財布覗いたら全然足りないみたい。
宿は淳兄の所に行けばなんとかなるとか行ってます。

-この、考えナシの大バカ野郎…。

まぁでも男の子ってそんなモンじゃないの?
あ…でも現代の男の子は違うかな。
行き当たりバッタリの冒険、しなさそうよね。

夕方になったら千太郎がお弁当を差し出した。
食堂車の食事は高いだろうと、
律っちゃんがお弁当作ってくれたらしい。
嫁だな、完全に。

「アイツ、心配しとったぞ」
難しいよね、友達関係だった男女が
片方が恋愛感情持ってしまって
打ち明けて玉砕して、その後も友達に戻るのって。
お互いにさ。

私はね、無理だった。
だから律っちゃん、偉いなと思うわ。

夜、寝る頃になって、薫はお弁当を開ける。
おにぎり三個とブロッコリーにゆで卵…かな?
たくあんと、芋の煮っ転がしと、
横にあるのは十六ささぎかしら。
律っちゃん、赤が足りないよ。
色合いが少し寂しいというか地味…。
今だと、プチトマト入れたり、
赤ウインナでタコさんとか、入ってそうなもんだが
この当時ってこんな感じだったのかな。

おにぎり食べながら泣いてる薫が、
切ないね。

東京駅に着いたとたん、千太郎は人の多さに唖然とする。
これが普通なんですけどね。
千太郎に東京見物でもしてろと薫は言いますが
きっと離れたら迷子になるよコイツ…。
薫の母親を見てみたいから付いていくと堂々と言う所が
良いよなぁ、千太郎。

えーと…。
薫の母親の働いてる店って、これ…キャバクラ?
夢の国 青い蝶々 創業昭和7年だって。

会うのを止めようとする薫ですが、
千太郎は丁度出社して来た女性に尋ね
薫の母は今日は休みと聞きだしたようです。
「明日ん昼、ここで待ち合わせたい」
やること早っ。

淳兄の所で休ませて貰おうと向かいますが…
ここは大学の寮とかそんな感じかな?
部屋をノックしても返事が無い。
それ以前に郵便物がえらい溜まってますよ。
通りかかった眼鏡の男が、彼なら待っても無駄だと
声を掛けて来た。
先月から行方不明なんですって。

セクトの連中に睨まれて雲隠れしたという噂らしい。
セクトって何?
調べてみました。
主に左翼運動で、主張を同じくするものの集団や、
党派のことで、中核派などの政治組織を指すこともあるそうです。

もしくは女の家に転がり込んでる可能性もあるってさ。
淳兄、やっぱモテるんだよね。
って、わわわわっ、郵便受けから覗いてる溜まった手紙って
それ全部百合香からじゃないかっ。
それで薫が慌てて仲に突っ込んでるのね。
千太郎に見られないように。

千太郎の言葉で二人がわざわざ九州から来たと
察した男は、自分の部屋へ招きいれます。
良いヤツだったのね、この人。

焼酎と水で乾杯。
って、コップ入れ違ってたのね。
未成年に酒飲ませちゃダメでしょー兄さん達。
って、私は飲んでましたけどね、てへへ。

「うはははは。そう!
コイツ、ほんっとにバカなんですよ。
ほんと困ってるんですよー」
なんて言いながら、薫が物凄い笑顔で千太郎の頭撫でてる。
「コイツが隣に居ると、俺までバカになっちゃって」
そんな薫に、眼鏡の男がしみじみと言う。
「良かったなぁ、良い相棒が居て」

薫は笑顔で否定してますが、
一緒にバカになれる友達ってのは相棒。

「大事にしろよー。恋愛と違って
友情ってのは、一生モンだからな」

良いこと言うなぁこの兄さん。

さて翌日。
まさかの土砂降りで、待ち合わせの店の前、
薫と千太郎はずぶ濡れです。
傘ぐらい買えよー。そこは節約かい?

しかも二日酔いのようね。

あ、薫の母ちゃんがやってきました。
ひと目見て、薫だと分かったみたいね。
で、
「バカ!何カカシみたいに突っ立ってんの!
風邪引いちゃうじゃない」
薫に傘を与えて、自分は隣の喫茶店に飛び込む。
早く来いってさ。

母ちゃん、なかなかのチャキチャキだね。
あの写真のイメージとはだいぶ違う。

お茶じゃなくていきなりご飯ですか。
あ、そうか待ち合わせ、昼でしたね。
母ちゃんが奢ってくれるのか。

カツカレー、食べるの初めてですか千太郎。
「こがん贅沢かカレー、食うたことなかぞ」
良かったねぇ。土産話も出来たね。

「良い食べっぷりねぇ。私、よく食べる男の人
好きだわ」
分かる気がする。
貴女みたいなタイプの方は、こういう男の子好きよね。

薫も想像していた母親とは随分違うと感じたようですが
「「熱っ」」
反応が親子だわー。
千太郎が超ウケてる。

学校の友達かと訊かれて、
一緒に音楽やってると教えると
母は少し驚き、そういえば自分の記憶にある幼い薫が
父親のピアノが好きだった事を思い出す。

母は父のピアノに合わせて歌ったりしてたらしい。
そうすると薫はどんなに泣いていても泣き止んで…
「ほんとに、幸せだった思い出よ」

父は昔のことは話したがらなくて
だから薫は何も知らない。
「そうよね、こんなダメな母親のことなんか、
話したりしないわよね」
どうダメなのか、わかんないけどさ。
そもそもなんで貴女が家を出たのかも、知らないもんね。
薫も、私達も。

千太郎は気を利かせて銀ブラしに行きましたよ。
雨もやんでるそうです。

冷めるから、食べてと薫に勧めつつ
テーブルの下の彼女の足は、少し落ち着かない様子で
ふと視線を上げると瞳には涙が溜まっていた。
いつもよりカレーが辛いと誤魔化してるけど
違うよね。
薫に会えて、嬉しいからでしょう?

それでも彼女は明るく、薫に学校の事を訊いたりする。
好きな女の子は居るのか。
思い切り動揺する薫に
「あら、失恋でもしたの?」
ピンポイント過ぎるわー。
さすが、母親とでも言っておこうか。
(何故いきなり凜々蝶口調)

図星なのと母は大笑い。
薫にして見れば笑い事じゃないんですけどね。
でも、薫のばぶばぶ時代しか知らない母さんにしてみりゃ
ギャップに笑えるよね。
「失恋、結構結構!」
そうよ薫、学生時代なんて失恋の1つや2つ、
経験してなんぼだってば。

「そうだよ俺、失恋しちゃったんだよ」
眼に涙を溜めて、薫は笑う。

-笑えば笑うほど
 溜まっていた何かが蒸発していく
 頭の中が空っぽになっていく


帰りの電車に乗る時刻。
薫は何処かに寄っていたようで、
ホームで待ってた千太郎は
間に合わないんじゃとヒヤヒヤしてたみたい。

「母さん!これ!」
渡したのはジャズのレコード。
Chris Connorの【Sings Lullabys of Birdland】
バードランドの子守唄です。
なかなか粋なプレゼントする息子やのぉ。
「聴いて、歌ってみてよ。
俺、きっとまた会いに来るから、
それまでに練習しておいて欲しいんだ」

これは泣けるでしょー、母!!

「でもこれ英語でしょ?母さん全然分からないわ」
「大丈夫だよ、聴いたまま真似すれば良いんだ」
「ジャズは、ハスキーな声の女の人が歌うと
良かとですよ」
きゃーっ千太郎、ナイス!
アンタったら、マダムキラーの気があるかもね。

「また絶対来るから、練習しといてよっ母さん」
来たときより全然元気で明るくなってるね薫。
それに、母とこんなポンポン言える関係に
なれるなんてなんてさ。
思ってなかったよ。

薫が電車に乗り込むと、さすがにこみ上げてくるものが
あったようで、母は本音を漏らす。
「きっと…もう二度と会えないんじゃないかって
そう…思ってたから」
自分の事を恨んでるだろうとも思ってただろうしね。

ドアが閉まり、母の姿が遠ざかる。
ここでバードランドの子守唄をかけますかー。
くぅ~。

ドアに手を突いて遠ざかる姿を、薫はいつまでも見ていた。

-母さんはどうして俺を置いて出ていったの?
 そんな聴けなかった言葉は、
 この風景と一緒に何処かへ飛んでいってしまった
 母さんの口が、ごめんね、と動いていた。
 俺は首を横に振ったけど、
 母さんにはちゃんと見えたかな。


良い母に、良い息子じゃないか。

さて、買い物をして店に帰って来た律っちゃん。
「あー、重かった」
机において、父にちょっぴり抗議の目を向ける。
父ちゃんは表情も変えずに
視線をチラと置いてある荷物に向けます。
来てるぞ、って意味ですね。ふふ。

東京から戻って、家にも帰らず練習場ですか、お二人さん。
律っちゃんが地下へ顔を出すと、
「おーっ律っ子!どこ行っとったとや」
千太郎がすぐに声を掛けますが、
薫は譜面を書くのに手を動かしていて
背を向けたまま。

でも…
やがて振り返った薫から、声が掛かりました。

「お帰り、律っちゃん」

お帰りはお前だよ、薫。
皆、待ってたんだよ。
千太郎も、律っちゃんも、このスタジオもピアノもね。

お陰で今回はセッション聴けなかったからさ、
次回はやってくれよー。

ED~♪
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EDのキャストで、岡田と長谷川ってのが
淳兄ぃと同じ寮のあの二人かな?
眼鏡の方が岡田だよね多分。
声、ちょっと聞き覚えあった。
遠藤大輔さんは、見てるアニメの脇で
ちょくちょくお見かけする。
「花咲ける青少年」でも兼役でいっぱいやってたよね。

あー次回が楽しみだっ。


前回までの感想
#1
「坂道のアポロン」#1【モーニン】
 すげぇ…音と動きがめためた合ってる~っ!!

#2
「坂道のアポロン」#2【サマータイム】
 ここまでマジに描いてくれるなんて感動♪

#3
「坂道のアポロン」#3【いつか王子様が】みんな片思い…。
#4
「坂道のアポロン」#4【バットノットフォーミー】淳兄カッコ良すぎ~。


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橘 瑞来

Author:橘 瑞来
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2014年5月8日を持ち
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