「坂道のアポロン」#10【イン・ア・センチメンタル・ムード】薫を甘く見るなよ千。
今回は演奏シーンが無かったので、
感想は割と早く書けました。(これでも)
淳兄も居なかったしね。
もぉ演奏シーンが素晴らしいと、
何度も巻き戻して見てしまうし、
淳兄のシーンも、やっぱり巻き戻してみちゃうので
ちっとも進まないのよねぇ。
んー、でもやっぱ
演奏シーン無いと寂しい…。
来週は遅れるかもね。
タイトルは、私の想像で決め付けて書いてしまったが
来週違う展開だったら恥ずかしいな。ははは。
感想は割と早く書けました。(これでも)
淳兄も居なかったしね。

もぉ演奏シーンが素晴らしいと、
何度も巻き戻して見てしまうし、
淳兄のシーンも、やっぱり巻き戻してみちゃうので
ちっとも進まないのよねぇ。
んー、でもやっぱ
演奏シーン無いと寂しい…。
来週は遅れるかもね。
タイトルは、私の想像で決め付けて書いてしまったが
来週違う展開だったら恥ずかしいな。ははは。
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あらすじは、アニメ「坂道のアポロン」公式サイトより。
あらすじ 第10話「イン・ア・センチメンタル・ムード」
東京に駆け落ちした淳一と百合香――千太郎の恋は
悲しい結末を迎えた。一方、薫と律子は、クリスマスの
一件を経て、徐々に接近。なかなか次の一歩が踏み出せ
ない薫だったが、風邪のお見舞いにやって来た律子に、
彼は2度目の告白を果たす。そして季節はめぐり、
高校3年の夏。練習に打ち込む千太郎に、
ある知らせが舞い込む。
そうそう。ピアノを開けたら手袋が置いてあったのよね。
「…え?」
先週は声だけでしたよね。
こんな顔して出した声だったのね、薫。ふふ。
OP~♪
通学の坂道を歩きながら、薫は手袋を見つめ
自分が貰って良いものなのだろうかと思い悩んでる。
-何かの間違いなんじゃ…。
まぁねぇ一度振られてるんだから、
そう思うのも不思議はないけどさ…。
でも考えてよ薫。
ピアノの中に置いてあったのよ?
そんな間違いを、律っちゃんがするわけないでしょ。
お、その律っちゃんが後ろからやってきて挨拶。
薫はとっさに手袋を背に隠しますが、
律っちゃんの態度は、至って普通だね。
期待しちゃいけない。
一度振られているのだから。
そう自分に言い聞かせてる薫が、
なんともじれったいわね。
律っちゃんの表情は暗いし…。
「おばちゃーん、いつものある?」
おや、星児は購買でパンの耳を貰ってる。
あれ?ほんとに貧乏だったりする?
それとも音楽活動の為にお金貯めてて節約かしら。
百合香が駆け落ちしたことを、
薫は星児から聞かされました。
学校中の噂ですか。
そうだろうね。
千が心配で、駆け出して行く薫が良いなぁ。
-あいつ、どんな気持ちでそれを…。
薫ったら、ほんとに千が大事ねぇ。
千は、百合香が描いたあの絵を
1人、見つめていました。
廊下に飾ってあったのね。
県知事賞を取ったらしい。
でも男子生徒2人が片付けに来ました。
不祥事起こした絵を飾っておくわけにはいかないか。
彼らは外して来いと言われてだけで
外した後どうなるかは知らない。
「待ってください!ぁ、これは、大事な絵なんです。
…お願いします」
語尾がちょっと震えてる。
この2人は多分、上級生ですよね。
この絵を大事に思ってるのは、
薫じゃなく、千。
千の為に必死になる薫に、キュンキュン来るね。
ほら、そんなこと言うから、
彼女の何なんだ、おかぶれかとからかわれる始末。
それでも引かずに口を出そうとする薫を止めたのは
ほかならぬ千でした。
千はきちんと2人に頭を下げ、
「すんません、持ってって良かです」
千も成長しましたよねぇ。
でもこんな風になれたのも、薫のおかげ。
誰かが自分以上に自分の為に感情的になってくれてるの見ると
すっと落ち着くものですよね。
なんでだ、あの絵がどうなっても良いのかと
薫は尚も必死になって千を追う。
千は振り向いて、薫の鼻を摘んで笑った。
「お前さんの馬鹿が移ってしもうたばい」
千ったら。
「ほんとに、人ん為にどんだけ
馬鹿んなれるとやお前は。呆れるばい」
薫の気持ちが嬉しかったよね、千。むふふ。
言われて頬染めて照れてる薫も可愛い。
千はあの絵に、さっき別れを言ったのだそうだ。
「こいですっきりしたばい」
そういってチャリっと指に絡めた鍵を見せる。
屋上の鍵ですよね。
なに?この後、上でさぼるの?
そして下校時刻。
一緒に歩きながら、薫は千に確認する。
最近誰かからプレゼントを貰ったか。
「たとえば編み物とか」
「あぁもろたぞ」
がびーん…。
薫の想像の中の律っちゃんが告げる。
『千太郎にセーター編んだけん。
余った毛糸で作ってみたとよ。うふふふ』
うっわー、その想像、凄いね。
勝手に想像して、勝手に酷いと落ち込むなや薫ー。
「こいこい」
これこれって意味ですね。
千が胸ポケットからぺろんっと出したのは
リリアンですよ。
昨日幸子がくれたらしい。
貰ったのはこれだけ。
「ばってん、こん紐、なんに使うたら良かか…
おろっ」
ぷぷぷ。
薫は足を止めてごそごそやってますよ。
手袋、はめてるのね。
そんな薫の頭に、千が雪球作って当てました。
なにするんだと薫も歩道脇の雪を手に取り丸めてお返し。
2人で雪球当て合いじゃれてる姿が
まるで子供みたいです。
楽しそうだな、2人とも。
こういうこと、子供の頃やれなかった2人だもんね。
走った薫の先に居たのは律っちゃん。
千の投げた球が律っちゃんにヒットしそうになり
それを片手で防ぐ薫がカッコ良いなぁ。
しかもその手には律っちゃんのくれた手袋が
はめられているわけで。
律っちゃは思いがけず、こんな至近距離で、
自分のプレゼントしたものを
本人がはめてくれてることを確認出来た。
これはなかなかなシチュですよっ。
「あ、あのこれ…凄くあったかいよ…ありがとう」
もーにやにやしちゃうわねっ。
その間にも千の雪球は止まらず、追いかけっこ続行。
でもそんな2人を見るのが、嬉しいよね、律っちゃん。
もう3年になるのかー、早いな。
3年は成績順になるから、薫ともクラスは分かれるだろうと
律っちゃん残念そう。
チラッと見た彼女の視線にドキドキしてる薫が
可愛いこと。
律っちゃんも進学組ではあるようです。
小学校の先生目指してるんですか。
うんうん、似合いそう。
昔はケーキ屋とかパン屋に憧れてたらしいけど。
昔の話で盛り上がる2人を目の前にすると
とたんに自信がなくなるのね薫。
モノローグも無いけど、そういう顔してるわぁ。
蚊帳の外気分?割って入れないとか思う?
え?千は3年にもなれないかもって?
追試に向けて、薫が千を猛特訓ですよ。
暗記カードまで作ってくれるってよー。
至れり尽くせりだねぇ。
ほんと、人の為に何処までやれるの薫。
いや、相手が千だから、でしょ?
うん、分かってる分かってる。
うっわー、
千、もう寝てるし。
勉強は向いてない。
落第したら学校辞めて働くとか言ってるよ。
冗談ではなく。
家のことを考えたら、留年は出来ない、と千。
それは分かりますけどね。
「ダメだ!ダメだダメだ!
絶対に落第なんかさせない」
薫の気迫に推されて、
千は大人しくペンを取りました。
時計は進む。
5:37…6:41…7:50
結構頑張るのね。
「疲れた~休憩~」
もう限界ですよね。
勉強しなれてないんだから千は。
ちびどもが覗いて青ざめてるよ。
ちび達も千に遊んで欲しかったようで。
好かれてるなぁ千。
おおっ一番下の子、こんなに大きくなったんだ。
薫の膝に大人しく座ってるよ。
「なぁ千、君は子供達に囲まれてると
本当に良い顔をするな」
千はきっと大家族。
たくさんの子供達に囲まれて…
って薫、それは千の将来を想像してるの?
「きっと、あったかぁい…ん?」
膝があったかくなったでしょ薫。
ちびが膝の上でおもらしとか…災難ねぇ。
薫は風呂を借りることになり、
ズボンは千の母親が洗って乾かしてくれるそうだ。
風呂に入った薫は、変わったつくりだと感じる。
ほんとね、浴室の両方に扉って…変な感じ。
その理由はすぐに分かるわけですが。
「さっちゃん」
扉をノックするのは律っちゃん。
石鹸が切れていただろう…と言って
扉を開けちゃいましたよ。
「きゃあああ~っ!」
ドタンガタン…。
見ちゃいましたね、薫の裸。
まぁ下はタオルで隠してましたけど。
千の家と律っちやんの家、お風呂は共同なんだって。
だからどっちからでも入れるよう、
両方扉になってるわけね…。
湯船に鼻下まで浸かってぶくぶくやってる薫がおかしいっ。
手袋、もっと早くあげれば良かった、と律っちゃん。
「もう晴れやし、すぐ使わんごとなるもんね」
そんなことないよー。
「律っちゃんが編んでくれた手袋なら
俺、一年中だって、つけてたいよ」
ひゅーひゅーっ。
もう薫ったら。
律っちゃんの顔がパッと明るくなりましたよ。
「冷たっ!」
天井の結露が薫の首筋に落ちました。
千もたまに悲鳴をあげると聞いて、
薫の顔が曇る。
やはりなにかにつけて、律っちゃんの口からは
千の名前が漏れる。
それはもう恋心だからじゃないのだけど
薫には分からないから、心に影がさしてしまうよね。
「ねぇ…律っちゃんは、なんで俺に手袋をくれたの」
ええーっそれはちょっと無神経でしょ。
「なんで…アイツじゃなくて、俺に?」
薫の恋愛時計は振られたあの時から止まってるんだよなぁ。
律っちゃんの時計だけ進んでるんだけど
まさか想像も出来ないんだろうな。
「だって…今までずっと…
アイツの事、好きだったんだろ?」
律っちゃんは黙したまま、その場から去ってしまいました。
あーあ。
風呂から上がった薫に、夕飯食べて行かないかと
千が声を掛けますが
「今日はもう帰る」
わー、落ち込んでそう。
借りたズボンのままで、靴を履く。
千のズボンだから丈が長くて裾を折り曲げてるのね。
「あー、待て待て、頭びしょびしょやっか。
風邪引くばい」
千がタオルで薫の頭を拭いてやってるよ。にしし。
でもその手とタオルを
「止めろよ」
薫は跳ね除ける。
それでもビックリ顔の千を見て、
すぐにスマンと謝る所が良いよなぁ。
-律っちゃんに、
あんなこと言うつもりじゃなかった。
でも、
どっかでひっかかってたんだ。
律っちゃんの心に
まだアイツが居るんじゃないかって。
そうねぇ…。
薫の事は、私は責めれないわ。
一度、振られたんだもんね。
しかも、あんなにちゃんと振られたんだもの。
普通なら、今更なんなんだって責めても
良いんじゃないかってぐらいの感じよ。
薫は人が良いわねぇ。
そして、一途よね。
真ん中アイキャッチ。
数学ⅡBの教科書。
「へくしっ」
風邪引いたわねー、薫っ。
あ、落書き。
これ、千トコのちび達の仕業かしらね。
凄いよSaxプレイヤー描いてるよ。
お、千の追試は及第だったようね。
「ボンのおかげたい。礼ば言わんと」
ほんとだね。
本人以上に必死だったよね薫。ふふ。
その薫は一昨日熱でぶっ倒れて学校休んでるらしい。
髪を乾かさずに夜道帰ったからねぇ。
でも気になるのは親父さんが知らない事。
律っちゃんが話してないようです。
律っちゃんは地下スタジオのピアノに向かい、
指一本で【いつか王子様が】のメロを辿ってる。
気持ちはバレバレですな。
「律っ子、ちょっと付きおうてくれんか」
ふふ、千ってば。ひと肌脱いじゃう?
連れて来たのは薫の家。
正確には、薫の叔父夫婦の家。
「よっしゃ、行って来い」
見舞いの果物袋を律っちゃんに渡して
千の代わりに追試の礼を言っといてくれ、だってさ。
礼は自分の口から言うものよ、千。
恥ずかしがって、2人で行こうと
千に迫る律っちゃん。
そんなやりとりだけ窓から見ちゃう薫って
タイミング悪いわね。
薫の部屋を叔母がノックし、律っちゃんを通す。
まり子がしっかり付いて来てるのが笑える。
「やぁ…律っちゃん」
ベッドに戻って本を読んでる薫。
こうしてみると、病弱設定とか似あうキャラねキミ。
お見舞いはバナナですか。
さっきスーパーで6房88円で買ってきたよ。
いまどき100円以下で買えますが、
昔はバナナも高かったんでしたっけ。
わざわざ買ってきてくれたのかと薫は嬉しそうですが
バナナを買ったのは千。
追試の礼も含めてってことなんでしょ。
正直だからなぁ律っちゃんは。
でもそれで薫はガッカリですよ。
そしてまた余計な事を言ってしまう。
薫もまた正直だから、
千をそこまで来ていたこと
さっき窓から見て知ってると告げてしまう。
「一緒にくればよかったのに」
うーん。
あのね、薫。事実に正直になるんじゃなく、
先に、自分の気持ちに正直になりな。
二人で来るより、一人で来てくれた方が
嬉しいでしょ?
「…いいよ…分かってるよ」
咳き込む薫。
まだ熱も引いて無さそうだな。
ほてった顔は、律っちゃんが居るせいだけじゃないよね。
「そりゃそうだよね。
小さい頃からずっと一緒なんだから
俺がアイツに敵うわけないんだよ」
千は身体もデカイし、力も強いし
顔だって時々ハッとするぐらい男前…
って、ええっ!ヤダ薫ったら、惚れてるみたいっ。
「律っちゃんは、俺なんかよりアイツと居た方が…」
いやー、それ理由になってないと思うんだが。
「もう止めて!」
律っちゃんがピシャリと止めましたよ。
「分かったけん…もうそれ以上言わんで。
うち、もう帰るけん…」
あぁ…なんでこうなっちゃうんだ。
「薫さんはうちの事嫌いになったと?
それとも、ただ自信のなかけん、
うちば遠ざけようとすると?」
お、なかなか分かってるな律っちゃん。
薫が自信持てと言ってくれた。
そのおかげで何回も救われたのに。
その薫の自信の無いとこ見てたら
自分まで自信無くしてしまう。
律っちゃんはすっかりしょんぼりです。
静かに部屋を出て行きました。
ほらほら薫、そんな呆けた顔で見てないで
なんとかしなさい。
-あれ…なにやってんだ俺。
俺がいままで、ひたすら望んで来たことは…。
そうそう、思い出せ、一番大切なことを。
「あら、もう帰らすと?」
まり子ったら。
律っちゃんが帰っていくと、
何かあったんだろうかと楽しそう。
おお、薫がよたりながら階段下りてきたよ。
追いかけるのね、よっしゃ。
「律っちゃん!」
玄関のドアに寄りかかり、呼び止める。
薫~その形相、ちょっと怖いぞ。
戻ろうとする律っちゃんを止め、
「俺が行く」
薫は裸足で歩いていく。
膝が曲がってるし辛そうですよ。
あー、薫も熱が関節に来るタイプかい?
私もなんだよー、膝とか腰に来るから
歩くのしんどいよねー。
やっと律っちゃんの元まで歩いて、
すがるように、両肩に手を置く。
「律っちゃん…もう一回告白させて」
おぉ、そうキタか。
「好きだ…俺は、律っちゃんが好きだ!!
好きだ!好きだ!!」
…これはちょっと恥い。ぷぷぷ。
そら律っちゃんも、思わず口押さえるってもんよ。
「もぉ、家の人に聞こえるよ!」
薫は嬉しそうな顔で、律っちゃんの手を外し
「かまうもんか」
あらあら、ふふふ。
「俺、身体大きくないし、
男らしさは足りないかもしれないけど
律っちゃんのこと好きな気持ちは
誰にも負けない」
うひゃー、言いましたね薫。
うんうん、薫は薫らしく、
それで良いよ。
顔を傾けて近づける唇。
律ちゃんも応じて眼を閉じる。
でもふと薫は思いとどまり
「風邪…移っちゃうかな…」
ですねー。
でも律っちゃんったら、
「移っても良か」
あらあら。
さぁそれでは…ってところで、
薫の身体が崩れ…。
気が緩んだからかしらね。
倒れてしまいましたよ。
「わっ身体熱いっ、重い…あっあのすみません!
誰かぁ~薫さんがっ」
一部始終見ていたまり子は玄関のドアに隠れ、
カメラ目線で、
「凄いもの見ちゃった」
私達に報告は良いから、助けに行ってやれ。
って、もう風鈴?
夏ですかっ?
どんだけ一気に飛ぶのー。
薫は地下スタジオでへたってますよ。
BGMも例のへたれベースだ。
何?律っちゃんとの間に何の進展も無いの?
何ヶ月も何してたんだよ薫!
-熱出した時はあんなに大胆だったのに
何やってんだ平熱の俺!
うはは、ゴロゴロしてる薫が可愛い。
「…触りたい」
あー…。(笑)
まぁ男の子って、そういうものよね。
「なんに?」
ぷぷぷっ。千、ナイス突っ込み。
「うわぁぁぁぁーっ!いつから居た!?」
薫ぅ驚きすぎ。
「いま」
「なんか聞いたか」
「なんかって…」
「なんでもない!」
ふふふ、二人のやりとり息ピッタリね、
木村さん細谷さんっ♪
律っちゃんが
「二人とも!ちょっと見て!」
慌てた声で下りてきた。
オリンポスからの宣戦布告ですってよ。
東高新聞ですかー。
手書きの文字で刷ってあるね。
手作り感たっぷり。いかにも学校新聞ね。
「今年の文化祭は俺達オリンポスが貰ったよ…」
読み上げる薫の声が、星児の声にバトンタッチ。
ジャズなんか時代遅れだってさ。
時代って関係あるか?
好みの問題だけでしょ。
学校中でこの新聞、配ってたらしい。
「どがんすると!?」
両手握り締めて、律っちゃんが鼻息荒い。
「こがん言われて負けとれんよ!
二人とも、文化祭出るやろ?」
薫と千、ノーリアクションでじっと律っちゃんを見てる。
「…あれ?」
な律っちゃんが可愛いよね。
上へ行って二人はレコードを物色。
今度はモーニン頭に持って来て
はったりかますと同時に去年聴いてた奴らを
一気に盛り上げる。
後はそれぞれ好きな曲に繋げば、良い。
考えてる事は同じですね。
さすが相棒。
今日から毎日練習ですよ。
そんな二人を律っちゃんが嬉しそうに見てる。
うんうん、こういう二人を見てるとほっとするね。
千が、ただいまと戻ると、
ビックリニュースだと康太達が出迎えた。
手に持ってるのは父からの手紙。
出稼ぎに行ってた彼らの父親が帰ってくるらしい。
「こいで家族みんなで暮らせるばい」
あっちゃー。
それは千にとっちゃ衝撃ですね。
康太達はきっと知らないんだね。
千は実の兄じゃなく従兄弟だってこと。
薫が歩いていると公園に幸子の姿を見つけました。
膝抱えてぽつんと一人で居る彼女を
心配してちゃんと声かける薫が良いなぁ。
「本当は怖いとか言うたらイカンとやろけど…」
幸子は明日の朝、父親が帰ってくる事を、
薫に打ち明けます。
それを聴いて薫の脳裏に蘇るのは、千の声。
『ボン、おいも家の中に居場所の無か人間ばい』
そら回してた回転ジャングルジムも止めちゃうってもんですよ。
薫、どんだけ千のこと大事なの。
「ボン兄ちゃん?」
目の前の悩める幸子のことも、
心配してやってね。
「ただいま」
元気の無い声で帰宅した幸子を
「おー、遅かったやっか幸子」
千が迎えますが、
「あぁ?ははは。なんでボンまでおっとやぁ」
あぁ…なんかこの言い方、凄い良いね細谷さん。
声だけで、千の気持ちが凄い出てる。
薫まで居ることにウケてて、
でも歓迎してるのが分かる。
声優さんってつくづく凄いと思うよ。
いやいつも思ってるけどさ。
アポロンのこの二人がね、
木村さんも細谷さんもご本人の見た目とは
まるで違う容姿のキャラなのに、
物凄く合ってるのが凄い。
細谷さん、あんな身体も細くて、シュッとした人なのに
この声って、そういう容姿浮かばない。
どっから聴いても体格の良い、男臭い子の声だもの。
千そのものの声なんだもの。
おっと、本編に話しを戻すね。
優しい眼、穏やかな顔だね、千。
そんな良い顔で、薫を見てる。
千にとって、薫はそういう存在なんだよね。
千は表へ出て、幸子の前にしゃがんで話しをする。
幸子はちび達の中でも一番年上だから、
康太達と違って酒びたりで怖かった父親を覚えてるんだな。
「心配すんな幸子」
千は両手で幸子の頬を包む。
「母ちゃんが言いよった。
出稼ぎ先で、父ちゃん頑張って酒ば止めたって」
ほんと?と幸子は嬉しそう。
安心してよいと千が額をつける。
幸子はすっかり元気になって、
夕食の手伝いをしに家に入ります。
「千!」
薫の呼ぶ声に千が、一拍置いて振り返る。
その間で分かるよ千。
分かっちゃうよ。
振り返ったその顔が笑っていても。
面倒見てもらってすまなかったと
千が振り返って応えますが
「俺が心配なのは、キミの方だ、千」
ストレートだよね薫は。
でもその方が良い。
千には相当響いたよ、キミの気持ち。
思わず手を伸ばして、薫の首に腕を絡めて笑う。
「はははは、ばーか、なんやその真面目腐った顔は!」
嬉しくて、でも照れくさいから、
茶化すしかないんでしょ?
「ボン、余計な心配すんな。
おいは大丈夫たい」
大丈夫じゃないよね、ちっとも。
でも薫の気持ちに救われてるよね。
家の中から康太が千を呼ぶ。
ほんとに慕われてるよなぁ。
「千!…明日、練習来るか」
もう色々と予感してるっぽいね薫。
だから確認したんだよね。
おぅと軽く返した千が、
「やっぱおいは、お前とセッションしとる時が
一番楽しいかばい」
それは事実でしょう。
でも今、それをわざわざ言うなんて、
千、やっぱりアナタ…。
扉を閉めた後も俯いてる。
考えているんでしょう?千…。
お、天井から桐灰のハエ取りリボンがぶら下がってる。
昭和の下町風景な代物ですよね、これって。
私も昔はそういうイメージだったの。
でも実はこれ、私、今愛用してたりする。
いまどきはもっと見た目の良い、カラフルで置くだけのヤツが
いくらでも出てますが、あれ、取れないんだもん。
少なくとも私が試したいくつかは、ダメでした。
最初は引っかかるんだけど、すぐに引っかからなくなる。
1年ちょい前まで住んでた家は庭があったし、
それこそ虫が多くてですね。
縁側や台所にこれぶら下げてみたら
よく取れたので、あれ以来愛用。
今の家はそんなに虫は来ないけど、
夏場はコバエがうっとおしいので
これ下げたらやっぱり取れました。
見た目はアレですが、夏場の間だけなので、
これにしています。
千が布団に身体突っ込んで、手紙を書いてる。
長い間…から始まるってことは
母親…康太達の母で千の叔母に宛てて
書こうとしているのよね。
上手くかけない、と諦めて、
千は丸めてゴミ箱に放り投げた。
「もう良か良か!さぁ寝るぞぉ」
電気を消して、布団に入る。
でも…
夜が明ける頃には、
もう千の布団は綺麗にたたんでありました。
-ボン、嘘ついてすまん。
文化祭、おいも楽しみやったし、
出たかった。
鳩のサラも放してしまうのね。
荷物まとめて出て行くつもりですな。
-律っ子のこと宜しくな。
元気で…。
律っちゃんの事は頼まれてくれるさ、薫も。
でもね、出て行くキミを許しはしない。
薫を甘く見ちゃいけないね。
気づいてるよ、キミのやりそうな事ぐらい。
きっと行かせはしない。
それにね、
二人は離れちゃいけないよ。
あぁいや…BL的な意味ではなく(笑)。
出会うべくして出会った
なくてはならない存在なのだから。
ED~♪
ああーっもぉ待ちきれないわねっ。
次回は文化祭の演奏も、また聴けるのかしら。
聴かせてね~。
前回までの感想
#1
「坂道のアポロン」#1【モーニン】
すげぇ…音と動きがめためた合ってる~っ!!
#2
「坂道のアポロン」#2【サマータイム】
ここまでマジに描いてくれるなんて感動♪
#3
「坂道のアポロン」#3【いつか王子様が】みんな片思い…。
#4
「坂道のアポロン」#4【バットノットフォーミー】淳兄カッコ良すぎ~。
#5
「坂道のアポロン」#5【バードランドの子守唄】良い巡り合わせね。
#6
「坂道のアポロン」#6【ユー・ドント・ノウ・ホアット・ラブ・イズ】
想う重さはきっと同じ。
#7
「坂道のアポロン」#7【ナウズ・ザ・タイム】鳥肌モンでしたね…。
#8
「坂道のアポロン」#8【ジーズ・フーリッシュ・シングス】
こりゃまた、ややこしいことになりましたな…。
#9
「坂道のアポロン」#9【ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー】お幸せに~。
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あらすじ 第10話「イン・ア・センチメンタル・ムード」
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お、その律っちゃんが後ろからやってきて挨拶。
薫はとっさに手袋を背に隠しますが、
律っちゃんの態度は、至って普通だね。
期待しちゃいけない。
一度振られているのだから。
そう自分に言い聞かせてる薫が、
なんともじれったいわね。
律っちゃんの表情は暗いし…。

「おばちゃーん、いつものある?」
おや、星児は購買でパンの耳を貰ってる。
あれ?ほんとに貧乏だったりする?
それとも音楽活動の為にお金貯めてて節約かしら。
百合香が駆け落ちしたことを、
薫は星児から聞かされました。
学校中の噂ですか。
そうだろうね。
千が心配で、駆け出して行く薫が良いなぁ。
-あいつ、どんな気持ちでそれを…。
薫ったら、ほんとに千が大事ねぇ。

千は、百合香が描いたあの絵を
1人、見つめていました。
廊下に飾ってあったのね。
県知事賞を取ったらしい。
でも男子生徒2人が片付けに来ました。
不祥事起こした絵を飾っておくわけにはいかないか。
彼らは外して来いと言われてだけで
外した後どうなるかは知らない。
「待ってください!ぁ、これは、大事な絵なんです。
…お願いします」
語尾がちょっと震えてる。
この2人は多分、上級生ですよね。
この絵を大事に思ってるのは、
薫じゃなく、千。
千の為に必死になる薫に、キュンキュン来るね。
ほら、そんなこと言うから、
彼女の何なんだ、おかぶれかとからかわれる始末。
それでも引かずに口を出そうとする薫を止めたのは
ほかならぬ千でした。
千はきちんと2人に頭を下げ、
「すんません、持ってって良かです」
千も成長しましたよねぇ。
でもこんな風になれたのも、薫のおかげ。
誰かが自分以上に自分の為に感情的になってくれてるの見ると
すっと落ち着くものですよね。
なんでだ、あの絵がどうなっても良いのかと
薫は尚も必死になって千を追う。
千は振り向いて、薫の鼻を摘んで笑った。
「お前さんの馬鹿が移ってしもうたばい」
千ったら。
「ほんとに、人ん為にどんだけ
馬鹿んなれるとやお前は。呆れるばい」
薫の気持ちが嬉しかったよね、千。むふふ。
言われて頬染めて照れてる薫も可愛い。
千はあの絵に、さっき別れを言ったのだそうだ。
「こいですっきりしたばい」
そういってチャリっと指に絡めた鍵を見せる。
屋上の鍵ですよね。
なに?この後、上でさぼるの?
そして下校時刻。
一緒に歩きながら、薫は千に確認する。
最近誰かからプレゼントを貰ったか。
「たとえば編み物とか」
「あぁもろたぞ」
がびーん…。
薫の想像の中の律っちゃんが告げる。
『千太郎にセーター編んだけん。
余った毛糸で作ってみたとよ。うふふふ』
うっわー、その想像、凄いね。

勝手に想像して、勝手に酷いと落ち込むなや薫ー。
「こいこい」
これこれって意味ですね。
千が胸ポケットからぺろんっと出したのは
リリアンですよ。
昨日幸子がくれたらしい。
貰ったのはこれだけ。
「ばってん、こん紐、なんに使うたら良かか…
おろっ」
ぷぷぷ。
薫は足を止めてごそごそやってますよ。
手袋、はめてるのね。
そんな薫の頭に、千が雪球作って当てました。
なにするんだと薫も歩道脇の雪を手に取り丸めてお返し。
2人で雪球当て合いじゃれてる姿が
まるで子供みたいです。
楽しそうだな、2人とも。
こういうこと、子供の頃やれなかった2人だもんね。
走った薫の先に居たのは律っちゃん。
千の投げた球が律っちゃんにヒットしそうになり
それを片手で防ぐ薫がカッコ良いなぁ。
しかもその手には律っちゃんのくれた手袋が
はめられているわけで。
律っちゃは思いがけず、こんな至近距離で、
自分のプレゼントしたものを
本人がはめてくれてることを確認出来た。
これはなかなかなシチュですよっ。

「あ、あのこれ…凄くあったかいよ…ありがとう」
もーにやにやしちゃうわねっ。
その間にも千の雪球は止まらず、追いかけっこ続行。
でもそんな2人を見るのが、嬉しいよね、律っちゃん。
もう3年になるのかー、早いな。
3年は成績順になるから、薫ともクラスは分かれるだろうと
律っちゃん残念そう。
チラッと見た彼女の視線にドキドキしてる薫が
可愛いこと。
律っちゃんも進学組ではあるようです。
小学校の先生目指してるんですか。
うんうん、似合いそう。
昔はケーキ屋とかパン屋に憧れてたらしいけど。
昔の話で盛り上がる2人を目の前にすると
とたんに自信がなくなるのね薫。
モノローグも無いけど、そういう顔してるわぁ。
蚊帳の外気分?割って入れないとか思う?
え?千は3年にもなれないかもって?
追試に向けて、薫が千を猛特訓ですよ。
暗記カードまで作ってくれるってよー。
至れり尽くせりだねぇ。
ほんと、人の為に何処までやれるの薫。
いや、相手が千だから、でしょ?
うん、分かってる分かってる。
うっわー、

勉強は向いてない。
落第したら学校辞めて働くとか言ってるよ。
冗談ではなく。
家のことを考えたら、留年は出来ない、と千。
それは分かりますけどね。
「ダメだ!ダメだダメだ!
絶対に落第なんかさせない」
薫の気迫に推されて、
千は大人しくペンを取りました。
時計は進む。
5:37…6:41…7:50
結構頑張るのね。

「疲れた~休憩~」
もう限界ですよね。
勉強しなれてないんだから千は。
ちびどもが覗いて青ざめてるよ。
ちび達も千に遊んで欲しかったようで。
好かれてるなぁ千。
おおっ一番下の子、こんなに大きくなったんだ。
薫の膝に大人しく座ってるよ。
「なぁ千、君は子供達に囲まれてると
本当に良い顔をするな」
千はきっと大家族。
たくさんの子供達に囲まれて…
って薫、それは千の将来を想像してるの?
「きっと、あったかぁい…ん?」
膝があったかくなったでしょ薫。
ちびが膝の上でおもらしとか…災難ねぇ。
薫は風呂を借りることになり、
ズボンは千の母親が洗って乾かしてくれるそうだ。
風呂に入った薫は、変わったつくりだと感じる。
ほんとね、浴室の両方に扉って…変な感じ。
その理由はすぐに分かるわけですが。
「さっちゃん」
扉をノックするのは律っちゃん。
石鹸が切れていただろう…と言って
扉を開けちゃいましたよ。
「きゃあああ~っ!」
ドタンガタン…。
見ちゃいましたね、薫の裸。
まぁ下はタオルで隠してましたけど。

千の家と律っちやんの家、お風呂は共同なんだって。
だからどっちからでも入れるよう、
両方扉になってるわけね…。
湯船に鼻下まで浸かってぶくぶくやってる薫がおかしいっ。

手袋、もっと早くあげれば良かった、と律っちゃん。
「もう晴れやし、すぐ使わんごとなるもんね」
そんなことないよー。
「律っちゃんが編んでくれた手袋なら
俺、一年中だって、つけてたいよ」
ひゅーひゅーっ。
もう薫ったら。
律っちゃんの顔がパッと明るくなりましたよ。
「冷たっ!」
天井の結露が薫の首筋に落ちました。
千もたまに悲鳴をあげると聞いて、
薫の顔が曇る。
やはりなにかにつけて、律っちゃんの口からは
千の名前が漏れる。
それはもう恋心だからじゃないのだけど
薫には分からないから、心に影がさしてしまうよね。
「ねぇ…律っちゃんは、なんで俺に手袋をくれたの」
ええーっそれはちょっと無神経でしょ。
「なんで…アイツじゃなくて、俺に?」
薫の恋愛時計は振られたあの時から止まってるんだよなぁ。
律っちゃんの時計だけ進んでるんだけど
まさか想像も出来ないんだろうな。
「だって…今までずっと…
アイツの事、好きだったんだろ?」
律っちゃんは黙したまま、その場から去ってしまいました。
あーあ。
風呂から上がった薫に、夕飯食べて行かないかと
千が声を掛けますが
「今日はもう帰る」
わー、落ち込んでそう。
借りたズボンのままで、靴を履く。
千のズボンだから丈が長くて裾を折り曲げてるのね。
「あー、待て待て、頭びしょびしょやっか。
風邪引くばい」
千がタオルで薫の頭を拭いてやってるよ。にしし。
でもその手とタオルを
「止めろよ」
薫は跳ね除ける。
それでもビックリ顔の千を見て、
すぐにスマンと謝る所が良いよなぁ。
-律っちゃんに、
あんなこと言うつもりじゃなかった。
でも、
どっかでひっかかってたんだ。
律っちゃんの心に
まだアイツが居るんじゃないかって。
そうねぇ…。
薫の事は、私は責めれないわ。
一度、振られたんだもんね。
しかも、あんなにちゃんと振られたんだもの。
普通なら、今更なんなんだって責めても
良いんじゃないかってぐらいの感じよ。
薫は人が良いわねぇ。
そして、一途よね。
真ん中アイキャッチ。
数学ⅡBの教科書。
「へくしっ」
風邪引いたわねー、薫っ。
あ、落書き。
これ、千トコのちび達の仕業かしらね。
凄いよSaxプレイヤー描いてるよ。
お、千の追試は及第だったようね。
「ボンのおかげたい。礼ば言わんと」
ほんとだね。
本人以上に必死だったよね薫。ふふ。
その薫は一昨日熱でぶっ倒れて学校休んでるらしい。
髪を乾かさずに夜道帰ったからねぇ。
でも気になるのは親父さんが知らない事。
律っちゃんが話してないようです。
律っちゃんは地下スタジオのピアノに向かい、
指一本で【いつか王子様が】のメロを辿ってる。
気持ちはバレバレですな。
「律っ子、ちょっと付きおうてくれんか」
ふふ、千ってば。ひと肌脱いじゃう?
連れて来たのは薫の家。
正確には、薫の叔父夫婦の家。
「よっしゃ、行って来い」
見舞いの果物袋を律っちゃんに渡して
千の代わりに追試の礼を言っといてくれ、だってさ。
礼は自分の口から言うものよ、千。
恥ずかしがって、2人で行こうと
千に迫る律っちゃん。
そんなやりとりだけ窓から見ちゃう薫って
タイミング悪いわね。
薫の部屋を叔母がノックし、律っちゃんを通す。
まり子がしっかり付いて来てるのが笑える。
「やぁ…律っちゃん」
ベッドに戻って本を読んでる薫。
こうしてみると、病弱設定とか似あうキャラねキミ。
お見舞いはバナナですか。
さっきスーパーで6房88円で買ってきたよ。
いまどき100円以下で買えますが、
昔はバナナも高かったんでしたっけ。
わざわざ買ってきてくれたのかと薫は嬉しそうですが
バナナを買ったのは千。
追試の礼も含めてってことなんでしょ。
正直だからなぁ律っちゃんは。
でもそれで薫はガッカリですよ。
そしてまた余計な事を言ってしまう。
薫もまた正直だから、
千をそこまで来ていたこと
さっき窓から見て知ってると告げてしまう。
「一緒にくればよかったのに」
うーん。
あのね、薫。事実に正直になるんじゃなく、
先に、自分の気持ちに正直になりな。
二人で来るより、一人で来てくれた方が
嬉しいでしょ?
「…いいよ…分かってるよ」
咳き込む薫。
まだ熱も引いて無さそうだな。
ほてった顔は、律っちゃんが居るせいだけじゃないよね。
「そりゃそうだよね。
小さい頃からずっと一緒なんだから
俺がアイツに敵うわけないんだよ」
千は身体もデカイし、力も強いし
顔だって時々ハッとするぐらい男前…
って、ええっ!ヤダ薫ったら、惚れてるみたいっ。

「律っちゃんは、俺なんかよりアイツと居た方が…」
いやー、それ理由になってないと思うんだが。
「もう止めて!」
律っちゃんがピシャリと止めましたよ。
「分かったけん…もうそれ以上言わんで。
うち、もう帰るけん…」
あぁ…なんでこうなっちゃうんだ。

「薫さんはうちの事嫌いになったと?
それとも、ただ自信のなかけん、
うちば遠ざけようとすると?」
お、なかなか分かってるな律っちゃん。
薫が自信持てと言ってくれた。
そのおかげで何回も救われたのに。
その薫の自信の無いとこ見てたら
自分まで自信無くしてしまう。
律っちゃんはすっかりしょんぼりです。
静かに部屋を出て行きました。
ほらほら薫、そんな呆けた顔で見てないで
なんとかしなさい。
-あれ…なにやってんだ俺。
俺がいままで、ひたすら望んで来たことは…。
そうそう、思い出せ、一番大切なことを。
「あら、もう帰らすと?」
まり子ったら。
律っちゃんが帰っていくと、
何かあったんだろうかと楽しそう。
おお、薫がよたりながら階段下りてきたよ。
追いかけるのね、よっしゃ。

「律っちゃん!」
玄関のドアに寄りかかり、呼び止める。
薫~その形相、ちょっと怖いぞ。
戻ろうとする律っちゃんを止め、
「俺が行く」
薫は裸足で歩いていく。
膝が曲がってるし辛そうですよ。
あー、薫も熱が関節に来るタイプかい?
私もなんだよー、膝とか腰に来るから
歩くのしんどいよねー。
やっと律っちゃんの元まで歩いて、
すがるように、両肩に手を置く。
「律っちゃん…もう一回告白させて」
おぉ、そうキタか。
「好きだ…俺は、律っちゃんが好きだ!!
好きだ!好きだ!!」
…これはちょっと恥い。ぷぷぷ。
そら律っちゃんも、思わず口押さえるってもんよ。
「もぉ、家の人に聞こえるよ!」
薫は嬉しそうな顔で、律っちゃんの手を外し
「かまうもんか」
あらあら、ふふふ。
「俺、身体大きくないし、
男らしさは足りないかもしれないけど
律っちゃんのこと好きな気持ちは
誰にも負けない」
うひゃー、言いましたね薫。
うんうん、薫は薫らしく、
それで良いよ。
顔を傾けて近づける唇。
律ちゃんも応じて眼を閉じる。
でもふと薫は思いとどまり
「風邪…移っちゃうかな…」
ですねー。
でも律っちゃんったら、
「移っても良か」
あらあら。
さぁそれでは…ってところで、
薫の身体が崩れ…。
気が緩んだからかしらね。
倒れてしまいましたよ。
「わっ身体熱いっ、重い…あっあのすみません!
誰かぁ~薫さんがっ」
一部始終見ていたまり子は玄関のドアに隠れ、
カメラ目線で、
「凄いもの見ちゃった」
私達に報告は良いから、助けに行ってやれ。

って、もう風鈴?
夏ですかっ?
どんだけ一気に飛ぶのー。

薫は地下スタジオでへたってますよ。
BGMも例のへたれベースだ。
何?律っちゃんとの間に何の進展も無いの?
何ヶ月も何してたんだよ薫!
-熱出した時はあんなに大胆だったのに
何やってんだ平熱の俺!
うはは、ゴロゴロしてる薫が可愛い。
「…触りたい」
あー…。(笑)
まぁ男の子って、そういうものよね。
「なんに?」
ぷぷぷっ。千、ナイス突っ込み。
「うわぁぁぁぁーっ!いつから居た!?」
薫ぅ驚きすぎ。
「いま」
「なんか聞いたか」
「なんかって…」
「なんでもない!」
ふふふ、二人のやりとり息ピッタリね、
木村さん細谷さんっ♪
律っちゃんが
「二人とも!ちょっと見て!」
慌てた声で下りてきた。
オリンポスからの宣戦布告ですってよ。
東高新聞ですかー。
手書きの文字で刷ってあるね。
手作り感たっぷり。いかにも学校新聞ね。
「今年の文化祭は俺達オリンポスが貰ったよ…」
読み上げる薫の声が、星児の声にバトンタッチ。
ジャズなんか時代遅れだってさ。
時代って関係あるか?
好みの問題だけでしょ。
学校中でこの新聞、配ってたらしい。
「どがんすると!?」
両手握り締めて、律っちゃんが鼻息荒い。
「こがん言われて負けとれんよ!
二人とも、文化祭出るやろ?」
薫と千、ノーリアクションでじっと律っちゃんを見てる。
「…あれ?」
な律っちゃんが可愛いよね。
上へ行って二人はレコードを物色。
今度はモーニン頭に持って来て
はったりかますと同時に去年聴いてた奴らを
一気に盛り上げる。
後はそれぞれ好きな曲に繋げば、良い。
考えてる事は同じですね。
さすが相棒。
今日から毎日練習ですよ。
そんな二人を律っちゃんが嬉しそうに見てる。
うんうん、こういう二人を見てるとほっとするね。
千が、ただいまと戻ると、
ビックリニュースだと康太達が出迎えた。
手に持ってるのは父からの手紙。
出稼ぎに行ってた彼らの父親が帰ってくるらしい。
「こいで家族みんなで暮らせるばい」
あっちゃー。
それは千にとっちゃ衝撃ですね。
康太達はきっと知らないんだね。
千は実の兄じゃなく従兄弟だってこと。
薫が歩いていると公園に幸子の姿を見つけました。
膝抱えてぽつんと一人で居る彼女を
心配してちゃんと声かける薫が良いなぁ。
「本当は怖いとか言うたらイカンとやろけど…」
幸子は明日の朝、父親が帰ってくる事を、
薫に打ち明けます。
それを聴いて薫の脳裏に蘇るのは、千の声。
『ボン、おいも家の中に居場所の無か人間ばい』
そら回してた回転ジャングルジムも止めちゃうってもんですよ。
薫、どんだけ千のこと大事なの。
「ボン兄ちゃん?」
目の前の悩める幸子のことも、
心配してやってね。
「ただいま」
元気の無い声で帰宅した幸子を
「おー、遅かったやっか幸子」
千が迎えますが、
「あぁ?ははは。なんでボンまでおっとやぁ」
あぁ…なんかこの言い方、凄い良いね細谷さん。
声だけで、千の気持ちが凄い出てる。
薫まで居ることにウケてて、
でも歓迎してるのが分かる。
声優さんってつくづく凄いと思うよ。
いやいつも思ってるけどさ。
アポロンのこの二人がね、
木村さんも細谷さんもご本人の見た目とは
まるで違う容姿のキャラなのに、
物凄く合ってるのが凄い。
細谷さん、あんな身体も細くて、シュッとした人なのに
この声って、そういう容姿浮かばない。
どっから聴いても体格の良い、男臭い子の声だもの。
千そのものの声なんだもの。
おっと、本編に話しを戻すね。
優しい眼、穏やかな顔だね、千。
そんな良い顔で、薫を見てる。
千にとって、薫はそういう存在なんだよね。
千は表へ出て、幸子の前にしゃがんで話しをする。
幸子はちび達の中でも一番年上だから、
康太達と違って酒びたりで怖かった父親を覚えてるんだな。
「心配すんな幸子」
千は両手で幸子の頬を包む。
「母ちゃんが言いよった。
出稼ぎ先で、父ちゃん頑張って酒ば止めたって」
ほんと?と幸子は嬉しそう。
安心してよいと千が額をつける。
幸子はすっかり元気になって、
夕食の手伝いをしに家に入ります。
「千!」
薫の呼ぶ声に千が、一拍置いて振り返る。
その間で分かるよ千。
分かっちゃうよ。
振り返ったその顔が笑っていても。
面倒見てもらってすまなかったと
千が振り返って応えますが
「俺が心配なのは、キミの方だ、千」
ストレートだよね薫は。
でもその方が良い。
千には相当響いたよ、キミの気持ち。
思わず手を伸ばして、薫の首に腕を絡めて笑う。
「はははは、ばーか、なんやその真面目腐った顔は!」
嬉しくて、でも照れくさいから、
茶化すしかないんでしょ?
「ボン、余計な心配すんな。
おいは大丈夫たい」
大丈夫じゃないよね、ちっとも。
でも薫の気持ちに救われてるよね。
家の中から康太が千を呼ぶ。
ほんとに慕われてるよなぁ。
「千!…明日、練習来るか」
もう色々と予感してるっぽいね薫。
だから確認したんだよね。
おぅと軽く返した千が、
「やっぱおいは、お前とセッションしとる時が
一番楽しいかばい」
それは事実でしょう。
でも今、それをわざわざ言うなんて、
千、やっぱりアナタ…。
扉を閉めた後も俯いてる。
考えているんでしょう?千…。
お、天井から桐灰のハエ取りリボンがぶら下がってる。
昭和の下町風景な代物ですよね、これって。
私も昔はそういうイメージだったの。
でも実はこれ、私、今愛用してたりする。
いまどきはもっと見た目の良い、カラフルで置くだけのヤツが
いくらでも出てますが、あれ、取れないんだもん。
少なくとも私が試したいくつかは、ダメでした。
最初は引っかかるんだけど、すぐに引っかからなくなる。
1年ちょい前まで住んでた家は庭があったし、
それこそ虫が多くてですね。
縁側や台所にこれぶら下げてみたら
よく取れたので、あれ以来愛用。
今の家はそんなに虫は来ないけど、
夏場はコバエがうっとおしいので
これ下げたらやっぱり取れました。
見た目はアレですが、夏場の間だけなので、
これにしています。
千が布団に身体突っ込んで、手紙を書いてる。
長い間…から始まるってことは
母親…康太達の母で千の叔母に宛てて
書こうとしているのよね。
上手くかけない、と諦めて、
千は丸めてゴミ箱に放り投げた。
「もう良か良か!さぁ寝るぞぉ」
電気を消して、布団に入る。
でも…
夜が明ける頃には、
もう千の布団は綺麗にたたんでありました。
-ボン、嘘ついてすまん。
文化祭、おいも楽しみやったし、
出たかった。
鳩のサラも放してしまうのね。
荷物まとめて出て行くつもりですな。
-律っ子のこと宜しくな。
元気で…。
律っちゃんの事は頼まれてくれるさ、薫も。
でもね、出て行くキミを許しはしない。
薫を甘く見ちゃいけないね。
気づいてるよ、キミのやりそうな事ぐらい。
きっと行かせはしない。
それにね、
二人は離れちゃいけないよ。
あぁいや…BL的な意味ではなく(笑)。
出会うべくして出会った
なくてはならない存在なのだから。
ED~♪
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ああーっもぉ待ちきれないわねっ。
次回は文化祭の演奏も、また聴けるのかしら。
聴かせてね~。
前回までの感想
#1
「坂道のアポロン」#1【モーニン】
すげぇ…音と動きがめためた合ってる~っ!!
#2
「坂道のアポロン」#2【サマータイム】
ここまでマジに描いてくれるなんて感動♪
#3
「坂道のアポロン」#3【いつか王子様が】みんな片思い…。
#4
「坂道のアポロン」#4【バットノットフォーミー】淳兄カッコ良すぎ~。
#5
「坂道のアポロン」#5【バードランドの子守唄】良い巡り合わせね。
#6
「坂道のアポロン」#6【ユー・ドント・ノウ・ホアット・ラブ・イズ】
想う重さはきっと同じ。
#7
「坂道のアポロン」#7【ナウズ・ザ・タイム】鳥肌モンでしたね…。
#8
「坂道のアポロン」#8【ジーズ・フーリッシュ・シングス】
こりゃまた、ややこしいことになりましたな…。
#9
「坂道のアポロン」#9【ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー】お幸せに~。
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