「超訳百人一首 うた恋い。」#8【末の松山 清原元輔/実方と諾子 藤原実方朝臣】清少納言がちょっと…。

今回も良い話でした。
元輔父さんも、実方も良い男だねぇ。
実方は顔も業平と宗貞の間ぐらいだけど
性格や運命も真ん中走ってますな。
子安さんがまた、ええ感じでしたわぁ。

ん~でも、清少納言は好きになれなかったわ。
実際の彼女がどんなだったか、知らないけど。
「うた恋い。」の清少納言はなぁ…。

頭良くて勝気で我儘なのは小町もだけど、
清少納言は、疲れるなと思った。
まぁ進んでいくと印象変わるのかもしれないけどね。


超訳百人一首 うた恋い。 一(完全生産限定版) [DVD]超訳百人一首 うた恋い。 一(完全生産限定版) [DVD]
(2012/09/26)
梶裕貴、諏訪部順一 他

商品詳細を見る



あらすじは公式サイトから。

第8話 「末の松山 清原元輔/実方と諾子 藤原実方朝臣」

周防から京へ戻って2年後、兄の致信と末の松山の悲恋を
目の当たりにした諾子は人の心に絶対はないと考えていた。
しかし、藤原実方と出会い語らう中で、初めて信じられる人
に出会えたと思い始める。
一方、諾子の聡明さを認め、愛している実方は、諾子が自分
への愛情故に宮仕えの話にも消極的で、
その能力を埋もれさせようとしていることに不満を感じ始め...。


こっけこっこー♪
まだ完全に陽も登らぬ暗いうちから
新聞配達ですか、えらいですね定家。
「おはようございます、定家です!」
はいはいお早う。今日も元気ね。

おいおい、いっちょまえな止め方するやんか。
これがそれなりのバイクならばカッコ良いけど
スクーターじゃあね。

平安新聞、朝刊の一面は道隆と貴子の電撃入籍のニュース。
で、早くも2人の子供である定子入内ですか、早っ。
道隆は定子の為に優秀な女房をスカウト。
それが清少納言だったんですね。
彼女の家、清原家は代々歌に精通した歌人の家だったそうな。

OP~♪
ラブレター・フロム・何か?(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)ラブレター・フロム・何か?(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)
(2012/08/22)
ecosystem

商品詳細を見る


【君をおきて あだし心をわが持たば
末の松山 波もこえなむ】


 波が末の松山を越えることが無いように
 私が浮気をするなんて絶対にありえないこと


これは古い歌のようです。
この歌にちなんで、清少納言の兄である清原致信は
初恋の君を末の松山と呼んで愛していた。

その兄、到信が文を読んでえぐえぐ泣いてます。
お、豊永さんだけど声が可愛くない。
こういう声、初めてかな私。
豊永さんは、私は帝人(デュラ)からなので
可愛め声の気弱、ヘタレな役のイメージが強いんだ。

末の松山が他の人と結婚しちゃったらしい。

これは清少納言の少女時代の話。

2年前、2人の父である元輔が周防守の任期を終えて
京に戻ることになった。
引越し準備で忙しい頃、致信は離れ離れになる事を不安がる
末の松山と会っていた。
京に戻れば元服することになっている。
そうしたら迎えに来ると約束した。

京で素敵な人と会っても心代わりはしないかと
末の松山は気が気では無い様子。
「しない。君の名に誓って。
俺の愛する人は生涯、君一人だ」
そう真摯に告げて、唇を重ねる。
そんな2人を見て、諾子は複雑な表情を浮かべていた。

「なに?致信が女といちゃついて、手伝わん?」
ぷぷぷ。ほんとざっくばらんだね、会話が。
「父上からなんとか言ってやってください!」
茅野さん、ちびの頃はちびっぽく喋ってるのね。

「諾子…たまさかの逢瀬に水を差すのは無粋だとは
思わんか。大目に見てやりなさい」
なかなか理解あるおもろそうな父ちゃんだな。
娘はへの字になってますが。

あの2人は上手く行くと思うかと諾子が問う。
致信は元服したら彼女を京に迎えるつもりであることも
告げると、元輔は表情を曇らせる。
それは難しいこと。
彼女の家の格は低いようだが、相当の物持ち。
「こんな老いぼれの家に娘をくれてやろうとは
思うまいよ」
「老いって…こんな時でも自虐ネタですか」
自虐ネタって…。ぷぷぷ。

でも2人が歌で誓ったように互いに思い続けることが出来れば
いずれ開ける道もあるのではないかと元輔は考える。
「私、その歌嫌いなんです」
なかなか生意気そうな小娘だね、諾子。
将来何があるかなんて誰にも分からない。
そんな約束は自分だったら信じないし
自分からもしない。

それを聞いて、父はしみじみ、
「諾子、お前…残念な考え方をするなぁ」
ほんとにね。

確かにその時、絶対と思っていても人の心は移ろうもの。
心変わりに傷つきたくないなら、
最初から信じないのが賢い生き方。
「しかし傷つかぬ代わりに、そこには喜びもない」
約束なりなんなり、これは絶対守るという戒めが
自分にあってこそ、人はまっすぐ一生懸命に生きられもする。
そして喜びを知る。

「覚えておきなさい、諾子。
信じるものが無い人生は、死に等しい」

良い父ちゃんだなぁ。

出立の時、末の松山は駆けてきて、
涙ながらにいつまでも待っていると叫んだ。
「必ず!…必ず迎えにいらしてくださいね!」
必死だね。
言葉もなく見ている諾子。
何を思う?
こういう情熱も、必要なのだよ。
特に若い時はさ、味わっておくと良いと思うぞ。

そして二年後。
末の松山は結婚した。

この上無様に未練を述べてもつまらぬものと
致信は文の返事は書いていない。
それを聞いた元輔は、構う事は無いと告げる。
先に約束を違えたのが向こうならば
責める権利もある。
「さ、書きなさい」
硯を差し出したよ。
いますぐ書けってか?
やっぱりなかなかだな父ちゃん。

「歌を詠む気にもなれんか…
ならばわしが詠もう」
さすが歌人。
息子の身になって、詠む事も可ですか。

致信も、この歳にしてなかなかでした。
確かに彼女を恨めしくは思うが、
自分も悪かったのだと
ちゃんと非を認めている。

当然待っていてくれると甘えて、2年も放っておいた。
年頃の娘が、来るか来ないかもわからぬ男を待って一人
風当たりも強かったろうし、
どれだけ心細かったかと
彼女の気持ちを慮れるのが立派ね致信。

「それを思うと、責められない」
そう言って俯く致信に父は、
「そう思うなら尚更、
責めるくらいの事はしてやりなさい」

ほぉ。

「平気なそぶりをみせて、
つまらぬ男に遊ばれたものよと
思わせてやるな」

うわ…やっぱ元輔、イイ!
老いても良い男。
愛情深い人なのだね。

「今、耐えたとはいえ
お前たちの恋は本物だったのだろう。
思い出まで、つまらないものにすることはない」
うわー、これは泣けちゃうよね致信ぅ~。

息子の肩に手を置いて、2年間よく思い続けたと
元輔は彼の恋を労う。
「立派だったぞ」
そんなこと言われた日にや、もう号泣よねぇ。

良い親父さんだ。
致信、キミは幸せだな。

そんな兄の姿を見ていた諾子は、
『信じるものが無い人生は、死に等しい』
父にに言われた言葉を重く受け止めながらも
信じ続けることの難しさを実感する。
そして自分は絶対、と思えるものを
見つけれるのだろうかと思う。

【ちぎりきな かたみにそでをしぼりつつ
末の松山 波こさじとは】


 あの日、2人で泣きながら誓いましたね。
 絶対に心変わりしないと。 
 それなのにどうして…。


これは私にとっても馴染みのある歌ですが、
まさか、父が息子の為に詠んだ歌だったは
思いもしませんでしたわー。

これね、子供の頃からやってた
我が家のお正月のかるた取りで、
母の十八番だったんだよ確か。
あの人、こういう意味だって知ってるのかしら。

えーと…。
夕焼け染まる土手を走るスクーター。
今度は夕刊ですか定家。
よく働くね。

「またまたどうも、定家です!」
はいはい、どうもね。

平安時代の花形イケメンといえば
前期は業平ですわね。
おお、そのポーズと片目ウィンク。
まさしくレンの前世ですな。

前期が業平なら後期は、藤原実方。
この方も恋多き男だったのね。
雅な立ち振る舞いが宮中の女房達にも大人気。
その上、歌人としてもとても優れた人だったようですよー。
天はニ物を与えちゃうのね。

涼しげな面立ちの方ですね。
業平より、宗貞に近いかな。
「…梅、か」
うおー、子安さんですかー。

諾子とは知り合いのようですね。

離婚した娘が心配なので時々見舞ってやってくれないかと
元輔に頼まれたのが5年前。
暗に娘をやると言われてるようなものと理解し
実方は諾子の所へ通っていたのね。

椿が見事に咲いた。
冬の哀れを共に眺めたい。
御簾を上げて、姿を見せないかと実方が口説く。

冴えない容貌が花にかすんで
見る影がなくなるのが恥ずかしいと
諾子は尻込みするが、
「姫君、お声が少し遠いようです」
むふふ、確かに業平と良い勝負しそうな男だね。

諾子の離婚の原因は夫の浮気に癇癪を起こして、
ということらしいけど、この時代の女性で
そんなことが許されたのかしら。

って、ここの実方のアップが、
なんだかとっても子安さん顔だわー。
(子安さんが声当てそうな顔って意味)
端が少し上がった口に
細めた眼が涼しげなんだけど、
瞳の奥で、獲物狙って
キランとしてそうなとこが特に(どんだけ具体的)

幼い頃から隠されて育つせいか
女性は最初、誰もが引っ込み思案になる。

-この子もそんな所かな。

え、だって癇癪起こしたんでしょ?
引っ込み思案と繋がらないが…。

「ねぇ、君、寒いので御簾の中に入れて
くださいませんか?」
寒さにも耐えて足しげく通っているのだからと
御簾に顔近づける実方。
「そろそろ私の本当の心を察して頂けないものか」
返事をくれないなら勝手に入るとか言い出しましたよ。
んでも、寝込み襲った業平よりは、
断りいれるだけ紳士かしら。

女房を呼ぶから待ってくれと諾子はおろおろしますが
「やはりお声が遠いようだ」
あはははは。もう御簾開けて入ってきてるよ。
「もっと傍でお聞かせ願おう」
ぷぷぷぷ。
諾子のぎょっとした顔がまた更に笑える。

諾子ってば、早すぎる、こういうのは段取りがと、
涙浮かべてあわあわしてる。
まず歌でも交わして十分に気持ちを確かめてから?
でももう対面しちゃってるんだしねぇ。

実方は顔を隠そうとする諾子の手を掴み
「歌では余りにも頼りないですが…」
そういいつつ、すぐに詠めてしまうのね。
さすがイケメン。
諾子の手を己の頬に当て、さらっと出た句が、

【かくとだに えやはいぶきのさしも草
 さしもしらじな 燃ゆる思ひを】


おー、これかぁ。
覚えやすいから、これも子供時代、争奪戦だった。
かくとだに、ではピンとこないのだけど
さしも草→さしも
で取ってましたね。

 私の思いがどれほどか、言葉では言い切れない。
 だから触れたい。燃える思いを肌で感じて欲しい。


「は、はい…」
おや、ちょろいわね。

-うぶだなぁ。
 これがどう化けるか
 楽しみだね。


余裕ですね、実方ったら。

…そして、こうなったのか。
「夕刻には来るって言ったのに!
待ちくたびれて寝る所だったわ」
化けるというか…気が強くなりましたわね。
でも諾子って、子供の時の兄とのやりとり見てても
勝気な子でしたよね。
こっちが素なんじゃないか?

「君に似合う花を探して遅くなった」
実方が差し出した花を、手で避けて、
飲んだくれていただけだろうと諾子は手厳しい。
「私、酔っ払いは嫌いなの」
…なんかあんまり可愛くない女だね諾子。

実方が詠んだ一文を、諾子が受けて返した。
それが白楽天の漢詩なのね。
私は詳しくないのでもうはしょっちゃいますが。

墓穴を掘ったなと言いながら、
あんまり残念そうではないね実方。
白楽天なんて基本中の基本だと諾子は言う。

「基本だろうが、並みの女は、
そんな風に漢詩の知識をむき出しにはしないよ。
ましてや機知で男を言い負かそうなどとはね」
ですよね。

「あの…お気を悪くなさった?」
あら、それでも嫌われるのは怖いのか。
自分のこういう所、良くないと思ってるらしい。
才走って男を立てることをしない。
この時代なら、珍しかったでしょうね。
「気をつけます。だから嫌いにならないで」
あら…そうなんだ。
OPやEDに出てくる貴女の顔って、
とても気が強そうだから
こういう事言う女性だとは思わなかったわ。

実方がさっき言ったのは、一般論で、
実方自身は、諾子のそういう所が好きなんですってよ。
彼女の髪にさっきの花を挿してやる。
これ、沈丁花かな。
沈丁花の匂いは大好きです。

「そんなところって…」
「君のその…才走って生意気なところが大変いい」
言い方がとっても子安さんね。

業平にしても宗貞にしても実方にしても
顔良し家良し頭良しの完璧男は、
気が強くて頭の良い女に惹かれる運命なのね。

で、この日はお泊りだったのか。
起こす諾子に、春は惰眠を貪るのも一興と
実方は起きない。
春の朝を寝過ごすのは勿体ないそうよ。

山に細くたなびく雲が白んで来た空に照らされて
紫色に輝く。
神が下りそうなほど幻想的な夜明け。
あけぼのは春が一番美しい。

あぁ「枕草子」ね。
これ、暗記させられて試験に出ましたよねぇ。

【春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際、
少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。】

ですな。

語る諾子を、実方が暖かい眼で見てる。
この顔がまた、とっても子安さんだわ。

実方は諾子の肩に手を掛けて引き寄せる。
もう一眠りしよう、と。
「だらしのない人ね」
そうじゃないのよ諾子。

「諾子、君のような女性は2人と居ないだろうね」
「まぁ、突然なぁに」
「思わぬ場所で美しい春を見つけたものだと
喜びに震えているんだ」
優しい顔だねぇ実方。
諾子も自分がここまで誰かに理解してもらえる日が来るとは
思わなかったと明るい顔を向ける。

「諾子、君の利発さが何より好きだ。
私は、君の一番の理解者になろう」

あぁ理解者…。
それ、前の2人と同じパターンになりそうですねぇ。

「なぁ実方、元輔の娘とはまだ続いているのか?」
お、公任、早速本編登場してるじゃない。
「その娘、道隆様が内々に出仕を申し入れたそうじゃないか」
それは定子の為か、と実方もピンと来る。
以前より娘には教養ある女房を集めたいと言ってたそうで
正月から方々へ声を掛けてるらしい。

教養…ね。
その点では、確かに諾子は適任。
「元輔の娘が女房ならハクもつくだろうが、
どうだ、それ。おつむの方は」
公任の言い方がおもろい。
とても賢い女性だと実方は返しますが、
「たいした余裕だ」
と公任に言われ、
「なに?」
この「なに」の言い方がいいね。
近しい間柄での会話的で、感情が見える。
そう、このちょっとムッとした実方の表情から
出た言葉に間違いないね。

才媛となればここでは好奇の的。
誘惑の多い宮中に出して、他の男に心移りされたら
どうするのか。
あら公任、こうみえて実方のこと心配してるのね。

そうならないように努力すると実方はさわやかな笑顔を
公任に向ける。
「私は私の都合で
恋人の活躍の場を奪う真似はしないよ」

良い男だねぇ。
公任もふっと笑って、
「それは失礼した」

定子は機知に富んだ明朗な方と聞いている。
そういう方の傍なら、
諾子の才気は遺憾なく発揮されるに違いない。

-私は、彼女の一番の理解者だ。

それこそが、アダになるのよね。
眉根が少し寄ってるよ実方。
そう自分に言い聞かせてるからこその表情でしょ?

出仕の話がもう実方の耳に届いたと知って、
諾子は驚いてる。
返事を渋っていたのは、実方に相談してから、と
思っていたかららしい。
せっかくそんなに頭が良いのだから、
一度くらい外に出て、
才能を試すのも悪くないと、実方は出仕を勧める。

だが諾子は自分のような賢しい女は内裏では浮いてしまうと
引き気味。
「私の事を認めてくださる奇特な方なんて
父上と実方様ぐらいだもの」

内裏には諾子と同じように学才を武器にしている女官が
大勢居る。
「君ならきっと、宮廷に2人と居ない花形女房も夢じゃない」
言われて諾子がはにかむ。

あら、実方ったら、自分では学が足りなくて
諾子の相手不足と感じることもあるわけ?
で、あそこなら諾子も話の合う仲間に出会えるだろうと
考えるわけですか。
「君は本当の意味で自分の理解者を得る事が出来るんじゃ…
ないだろうか」

そこまで言って実方は気づく。
出仕したら諾子は離れていくと。
やりがいのある仕事と
多くの理解者を得たら
彼女の眼には、自分はつまらなく映る。

-そんな気がしているんだ。
 それだけ私は諾子を…。
 彼女の才気を愛していて、
 そして…持て余している。


そこが難しいというか、複雑な心境なんですよね。

そんな実方の胸中を知ってか知らずか
上目遣いでちろんと見ていた諾子が、
やっぱり辞めると言い出した。
「私、言うほど頭、良くないもの。
宮仕えなんて次元が違うわよ」

それに理解者は実方だけでいい。
ただ一人の方に尽くして、
自分もその方にとっての一番になる。
そういう人生こそが理想だから。

「貴方が居れば、私はそれで満足」
嬉しそうに告げる諾子を、実方はピシャリと否定する。
「そう思うのは君の世界が狭いからだ」
実方は大勢の中から諾子を選んだが
諾子は違う。
たまたま自分の前に現れた、
自分を少し理解してくれる相手に
のぼせているだけ。
世界が広がれば諾子の気持ちも変わる。

あぁ…実方…。

無論、諾子は反論します。
確かに実方から見たら自分は世間知らずかもしれないが
そんな人生でも自分なりに蓄積があり
その上で実方を選んだ。
「私は本当に貴方を愛しているわ!」

夜が明けて、帰る実方の背に今夜も来るかと
不安げな顔で諾子が訊く。
当分仕事が立て込んでいて難しいと実方は返しますが
違うよね、きっと。

後で文を書くと伝えで歩を進める彼を追いかけ
貴方だけ居ればそれでいいと諾子は訴える。

今の諾子の気持ちを、実方も偽りとは思わない。
でも…。

-けれど諾子…、君はまだ大海を知らない。
 君は海へ出るべき人なんだ。


彼女の為に、身を引くの?実方。

優しい顔を向けて、ありがとうと返し、
そっと額に小さなキス。
「また、近いうちに」
囁くようにそう告げて…
それっきりになったのか。

そしてどれほどの年月が経ったのか、
こうして内裏で鉢合わせ?

「近いうちにと聞こえたのは、
私の空耳だったのでしょうね、実方様?」
「さぁ、君の居ない日々は季節の移ろいも味気なくて
時の経つのも忘れていたよ諾子」

気安く名前を呼ぶなってさ。
今は清少納言で通ってる。
名の由来は、響きが良くてお洒落だからと
定子が付けたらしい。

実方はやや笑って、
「中宮様のお気に入りなんだねぇ」
ええ、と御簾ごしに諾子が挑むように見る。
「私は私なりに、絶対と信じられるものを
見つけました」
上手くやってるようだねと実方が廊下に腰を下ろす。
「えぇ、おかげさまで」
「おや、随分憎まれたものだ」

捨てられたからと顔を背ける諾子。
「捨てられたと、思っているの?」
「あら、違うとおっしゃって?」
うん、違うよ。
全然違う。
でも、きっと実方は、言わないのでしょうね。

さぁ、とはぐらかすように立ち上がった実方。
「清少納言殿、ここでなら君は多くの理解者を
得るだろう」
そう言ったのは自分だが、
ここの連中は利己的で薄情な所があるから
せいぜい用心して上手に世渡りなさいと告げる。
「これは友人としての忠告です」
友人…ね。

心に留めておくと諾子が受けると、
実方はやんわりと微笑んだ。
チクリチクリと胸が痛いよ、実方。

身を寄せ合って冬を越え、春に別れた短い恋。
季節は巡りまた草木が萌えいづる。
諾子と再会するのにうってつけだと実方は思った。

水を得た魚のように、今自分の海を見つけて
自由に泳ぎ始めた彼女は、なんと自信に満ち
美しい魅力に溢れているのだろう。
そして実方は思う。
やはり彼女は自分の身に余ると。

-今、あの春とは違う思いで
 またあの歌を君の為に詠もう。


【かくとだに えやはいぶきのさしも草
 さしもしらじな 燃ゆる思ひを】


 私の思いがどれほどか、君に言えるはずも無い。
 だから君は知りもしないだろうね。
 私の本当の気持ちなど…。


うわぁぁぁーんっ。
切ないぃぃぃ。

実方の最後の表情がまた…ね。
涙は見えずとも、心が泣いてる。
それがなんとも伝わってきて
こっちが泣きたくなるよ。

ED~。
Singin’ My Lu(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)Singin’ My Lu(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)
(2012/08/01)
SOUL’d OUT

商品詳細を見る


おーっ次回は少納言と行成!
寺島さんですねっ。
楽しみだー。

エンドカードはここですか。
これ、OPでも使ってるよね。
今後はこの画見ると切なくなるな。


前回までの感想。

#1
「超訳百人一首 うた恋い。」#1 結構面白いぞ。

#2
「超訳百人一首 うた恋い。」#2【貞明と綏子 陽成院】
 素敵じゃないか。

#3
「超訳百人一首 うた恋い。」#3【宗貞と吉子 僧正遍昭】
 内田さんの宗貞っぷりがイイ!!

#4
「超訳百人一首 うた恋い。」#4【康秀と業平 文屋康秀】
 ちょいとほろり…。

#5
「超訳百人一首 うた恋い。」#5【東下り 小野小町/
 貫之と喜撰 喜撰法師】良い関係だね。

#6
「超訳百人一首 うた恋い。」#6【うた変。+(プラス)】
 ホストクラブ…確かにイケる。

#7
「超訳百人一首 うた恋い。」#7【義孝と源保光の娘 藤原義孝
 / 高内侍と道隆 儀同三司母】2人とも良いオトコ♪


※現在右クリックは利かない設定になってますので、
TBをいただけるようでしたら、
お手数ですがプラウザのコピーを利用してください。
(文字ドラッグして、編集↓コピー)
スポンサーサイト

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

超訳百人一首 うた恋い。 第8話「末の松山 清原元輔 / 実方と諾子 藤原実方朝臣」

「水を得た魚のように 今自分の海を見つけて 自由に泳ぎ始めた彼女は  なんと自身に満ち 美しい魅力に溢れているのだろう」 あの時とは違う思いで 同じ歌を君の為に詠もう―― 実

超訳百人一首 うた恋い。 #8「末の松山(清原元輔)/実方と諾子(藤原実方朝臣)」

平安前期の王子が業平ならば、後期の王子は・・・ 笹王子こと実方CV子安アンニュイ王子 私のテンション上がらずにいられない。 そして『うた変プラス』でブシロ●ドしてた公任さん

超訳百人一首 うた恋い。 第8話「末の松山 清原元輔」「実方と諾子 藤原実方朝臣」

『周防から京へ戻って2年後、兄の致信と末の松山の悲恋を目の当たりにした諾子は人の心に絶対はないと考えていた。しかし、藤原実方と出会い語らう中で、初めて信じられる人に出会

コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

橘 瑞来

Author:橘 瑞来
4年続けた他ブログから
引っ越してきて、
5周年を迎える所なのに
未だ未整理で
申し訳ない限り(汗)
本宅notresは
2014年5月8日を持ち
閉鎖いたしました。


創作以外では、音楽、
アニメ、ゲーム、
声優サン好きで
美味しん坊デス。
現在ハマってるものは、
音楽は、OLDCODEX、
NCIS、theHIATUS、
GRANRODEO、VAMPS、
ONE OK ROCK。
アニメ、ゲーム、漫画系は、
新たにハマってるのは
刀剣乱舞。
どっぷりハマってるのが
夏目友人帳、うた☆プリ♪
後、最近は、進撃の巨人、
ハイキュー!!、七つの大罪
などが好きです。

※仕事が不定休に
なりました。
更新が更にまちまちに
なりそうです。(汗)

※当ブログで一部使用
している画像の著作権は、
作者、製作者、出版社、
放送局にあります。

sidetitle義援金募集sidetitle
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
現在の閲覧者数:
sidetitleアクセス累計sidetitle
sidetitleカレンダーsidetitle
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle広告sidetitle
◇靴とバック通販のJavari.jp


sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleTwittersidetitle
sidetitleうたの☆プリンスさまっ♪ 関連sidetitle
★BD&DVD
うたの☆プリンスさまっ♪
マジLOVELIVE 5th STAGE


カルナイライブのDVDも
早く発売してくださーい!

★PSPゲーム
うたの☆プリンスさまっ♪
All Star After Secret
うたのプリンスさまっ♪All Star After Secret(通常版)


sidetitle夏目友人帳 関連sidetitle
★夏目友人帳 コミックス
>
21巻発売中♪

★DVD

◆蛍火の杜へ
蛍火の杜へ (花とゆめCOMICS)
感想はこちら

愛蔵版 蛍火の杜へ (花とゆめCOMICSスペシャル)
愛蔵版の描き下ろし必見!

◇BD&DVD
蛍火の杜へ【完全生産限定版】 [DVD]
sidetitle相互リンク様sidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleQRコードsidetitle
QR