「PSYCHO-PASS」#8【あとは、沈黙。】刑事ドラマやねぇ。
これまたすっかり遅くなってごめんなさい。
やばいわホント。
金土日月が出勤だと、
録画が死ぬほど溜まってしまって、
今日やっと休みだったんですが、
見るだけで時間掛かっちゃう。
おまけに昼間、パソがまた動かなかったので
作業が進まず苛つきました。
それでもやっぱ、これと「絶テン」の感想は
遅れてでも、なんとか最後まで書きたいところです。
「PSYCHO-PASS」は今回も、面白かったわー。
慎也と朱のコンビ部分は、
すっごく刑事ドラマだなーと
感じました。
そこがやっぱ、本広監督なんでしょうな。
私、「踊る~」は、
そんなに知ってるわけじゃないのだけど。
やばいわホント。
金土日月が出勤だと、
録画が死ぬほど溜まってしまって、
今日やっと休みだったんですが、
見るだけで時間掛かっちゃう。
おまけに昼間、パソがまた動かなかったので
作業が進まず苛つきました。
それでもやっぱ、これと「絶テン」の感想は
遅れてでも、なんとか最後まで書きたいところです。
「PSYCHO-PASS」は今回も、面白かったわー。
慎也と朱のコンビ部分は、
すっごく刑事ドラマだなーと
感じました。
そこがやっぱ、本広監督なんでしょうな。
私、「踊る~」は、
そんなに知ってるわけじゃないのだけど。

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今回は3話分掛かってる事件だから、
アバンでおさらいですね。
OP~♪
おぉ学園内にドローンがうようよ。
警備体制が一段と厳しくなったようですが、
璃華子は相変わらず不気味な絵を美術室で描いている。
それは加賀美だね。
もう彼女たちのオブジェは出来たのかい?
相次いで二人もの生徒が同じ手口の犯罪の餌食になった。
これで学園側が何の対策も講じなければ保護者が黙って
いないだろうと聖護。
容疑者はもと教諭の藤間幸三郎。
公安局の捜査の焦点はここ、桜霜学園に絞り込まれる。
「しばらく身動きがとれませんわね」
しれっと言う璃華子に、
何故同じ学園内の生徒ばかりを素材に選んだのかと
聖護が訊く。
この時点で、あぁこれは見捨てられるなと思ったよ。
全寮制の女子学校であるこの桜霜学園。
時代錯誤ではあるが希少価値があると聖護は評価。
貞淑さと気品、失われた伝統の美徳。
それが桜霜学園の掲げる教育の理念。
自分たちは深窓の令嬢というブランド品としてして出荷され、
良妻賢母というクラシックな家具を求める殿方に
結婚という体裁で購入されるのだと璃華子。
この学校にいる生徒は誰もが
淑女という名の工芸品に加工されるための素材。
「磨き上げられ完成されるのを待つ原石。
悲しくそして退屈な命ですわ」
他に花開く筈の可能性は、いくらもあるのに、ですか。
それでそんなアートにしてあげてるわけね。
璃華子の見解を、聖護は面白いとは思っている。
だが新しい作品の展示先を訊ね、
その返事を背で聞く彼の眼は冷めている。
璃華子、キミは気づいていないだろうね。
その一言がキミとの別れを決定付けたと。
おぉまたミニドローンがきゅるきゅる働いてて可愛い。
手かがりは皆無かと、とっつぁんが渋い声を落としてる。
さらに笑えない新情報~とコミッサちゃんが入ってきた
って、声が二重だ。秀星か、中は。
2年生で二人ばかり寮から消えた生徒がいる。
実家にも帰っておらず完璧に行方不明とのこと。
そうよね、帰る時は変わり果てた姿だ。
親御さんが失神しちゃうね、あんなでは。
しかし妙な話だと、とっつぁん。
校舎も学生寮も軍事施設並みの厳戒態勢で
ここから犠牲者を連れ出す方法などあるものなのか。
そもそも何故今になって桜霜学園の生徒ばかり
標的にするのかとギノも考え込む。
藤間にとってはここは古巣、どこか警備の穴になる
抜け道を知っているのではないかと弥生が意見する。
ありえる話だと秀星も同意。
創設100年のこの学園、
敷地内は増改築を繰り返していて見取り図も酷いもの。
「まさか…殺しの現場も
犯人(ホシ)の隠れ家も
全部学園の中ってことはないですか?」
弥生ったら、鋭い~。
お留守番の朱と慎也。
「あ、やっぱり事件の情報!
唐之杜さんの仕業ですね」
ん?どゆこと?
志恩がわざと見れるようにしてあったとか
そんな感じ?
どう思うかと慎也が朱に意見を求める。
薬剤の分析結果からも三年前の事件と
同一犯の可能性が高まったと朱は返しますが
慎也は全く逆の感想を抱いたという。
三年前の事件の被害者の一人は、
汚職疑惑のかかった衆院議員だった。
犯罪係数の虚偽申告を疑われたが
再計測を拒否。
マスコミや野党の追及を
『記憶にございません』とかカビの生えた言葉で
切り抜けようとした。
その彼の死体は頭蓋骨が綺麗にカットされ
脳がすっぽりくり抜かれた状態だった。
そして肛門に、記憶について重要な働きをするとされる
脳のパーツ"海馬"が、突っ込まれていた。
佐々山の殺され方もそうだが
三年前の事件の犯人は、殺し方や死体の飾り方に
なんらかの意味合いを持たせようとしている節があった。
被害者は四人。
死体が発見された場所は、
ホログラムイルミネーションの裏側、
高級料亭、動物園、
アイドルがライブ用に組んだステージの真上。
だが今回は二件続けて公園。
「舞台設定に芸がない」
慎也にも言われてるよ璃華子。
聖護がキミに失望したのも、そういうこと。
「今回の二件からは歪んだユーモアや
メッセージ性も感じない。
美しく悪魔的で芸術作品のようだが
何かが致命的に欠けている」
慎也さ、実は聖護と気が合うかもしれないよね。
違う出会いをしていたら。
慎也の言う何か、とはオリジナリティ。
それが欠けた芸術なんて、意味が無いですわね。
こんな手間をかけた殺しなのに
犯人の主張が薄い。
少なくとも慎也は感じれないと言う。
藤間幸三郎にとって殺しは
ただの素材の下準備でしたかなかった。
そこまでは今回の殺しも共通している。
だがそこから先は、死体の作風が違う。
全く違う犯人像が慎也には見えている。
知能が高く、シュビラ判定では高収入の職業を
割り当てられている、だがかなり若い。
もしくは精神年齢が低い人物。
死体を性的に侮辱する要素が少ないことから
幼児期の虐待は受けていないと推測できる。
すごいな、そんな所まで弾きだせるのか。
すっげ、合ってるよ、その推測。
「監視官、外出許可を申請する」
「えっそれって私が同伴しないと…」
「だからついて来いといってるんだ」
あらあら、慎也ったら。
ずいぶん柔らかい表情で見るのね、朱のこと。
朱の顔もぱっと明るくなりました。
で、向かったのは所沢矯正保護センター。
慎也ももしギノや朱に役立たずと判断されたら
ここに放り込まれて二度と出てこれなくなるそうで。
つまりはヤバイ潜在犯を隔離する収容所ってことですか。
でもこんな所に何の用なのか。
慎也は直感で、今回の死体の加工には
元ネタがあると感じた。
だからその筋の専門家に訊こうと思ったわけね。
センターの中を奥へ進む二人は、
犯罪係数300以上の重篤患者が
隔離されているエリアへと入った。
どの部屋の患者も、イッてますなぁ。
有事の際には通風孔から毒ガスが出るしくみだそうで…。
ここはいつだって処刑室に早代わりする。
ここに居る連中は外に出られたとしても
即刻ドミネーターに処刑宣告を食らって
ミンチにされるだけ。
生きていられるだけ檻の中の方がマシってことになる。
慎也がある部屋をノックすると、
「あ~らわんこちゃん、お久しぶり」
わんこですか…。
「随分と絵が増えた。さすがに背中は無理だろ」
「こうみえても体は柔らかいのよ私。
鏡さえあれば背中もイケるわぁ」
え…なに、オカマさんなの?
で、背中になんだって?
骸骨みたいだけど、これ自分で描いてるの?
ニュースを見ているかと慎也に訊かれますが
芸術に理解の無い世界に興味ないってさ。
「この死体に類似性のある作品を探している」
慎也は公園の2体の死体の画像ファイルを、
男に見せる。
「あ~ら、良い出来じゃない。
王陵牢一のアートそのまんま」
慎也も朱も、王陵牢一の名に聞き覚えはありません。
それを嘆く男。
昔は例え有害指定くらっても、
誰かがネットのアーカイヴで保護したものだが
そういう根性のある子はもう居ないのかと
男は残念そう。
「そんなヤツはお前と一緒に塀の中さ」
そら間違いない。
「冷たいのねコウちゃん」
そういいつつ、男は一枚の絵を見せる。
「はぁい、そっくりでしょ。
アタシの店でも彼の作品には良い値がついたわ。
浮ついた流行りものじゃなくて
きちんと根源的なテーマが見てとれたからよね」
朱は絵を見て息を呑む。
「助かったぜ」
慎也は男に礼をいい、
朱に捜査資料から王陵牢一の名で検索し
何かヒットしないか訊く。
ふふ、どっちが上司かわかんないね。
いやん、そんな二人を、男がドアに手をついて、
見てるよー。顔怖い~。
桜霜学園に同じ苗字の生徒が在籍。
「この子!血縁者ですよ狡噛さん!」
はい、やっと璃華子に行き着いた。
あら、また秀星がコミッサちゃんホロで
学園内の聞き込みしてると思ったら、
「こ、コウ!?」
慎也を見かけて慌てて声出したのは、とっつぁん。
ホロも解いてしまって女生徒が悲鳴あげてますよ。
中身、こんなおっさんとは思わないよね。
ギノも慎也の姿を認めて、一階へと走り、
慎也の行く手を阻もうとしますが、
そのギノの前に
「待ってください」
慎也を庇うべく両手広げて、朱が立ちはだかった。
「生徒の中に容疑者が居るんです」
「はぁ?」
ギノは朱に任せてさっさと進んで行く慎也。
ほんと、刑事ものの主人公って感じだわー。
教師が慎也に噛み付いてるよ。
生徒達を刺激しないよう捜査には注意しろって。
でも生徒が犯人なんだぜ?
慎也はまっすぐに美術室へ向かい、
璃華子にドミネーターを向ける。
犯罪係数472-?!
あのセンターに居た美術マニアの男より上なのか。
よく引っかからずに過ごせたね。
全寮制の学校で、外に出ないから?
「何をするっ!」
教師が慎也の腕つかんで下ろしちゃうもんなぁ。
その隙に逃げちゃったじゃないか。
怯える生徒達の人垣を壁にするとは、
璃華子はうまく隠れましたな。
誘導したのは、女装ホロのグソン。
聖護の計らいだそうで。
にっこり笑う女装グソンですが、
胡散臭いこと。
こんな事態になったら、
見捨てること確定じゃん。
ギノは学園全域の封鎖を支持してますが、
敷地内広すぎるから、
そりゃドローンも足りないわよねぇ。
なにごとかと美術室覗いた美佳は
加賀美が描きこまれた絵を見て愕然とする。
「小娘一人探し出すことも出来ないってのは
どういうことだ!」
ギノが吼えてるよ。
苛立ってますなぁ。
「ここ、出入りに対するセキュリティばっかり厳重で
いざ中で、かくれんぼとなると
ザルもいいとこなんすよ」
秀星も呆れ口調。
過去数日分の監視カメラの録画から
璃華子の姿だけをピックアップ出来るかと
慎也が弥生に問う。
本部のラボに支援させればその程度の画像検索は
すぐに出来るらしい。
弥生はすぐに取り掛かる。
「しかし、王陵牢一だと?
そんな絵描きがいたなんて、どうしてわかった」
ギノの問いに慎也は答えず、
「オリジナリティですよね、狡噛さん」
朱が返してる。
「なんだって?」
ギノに突っ込まれて、
しどろもどろに答える朱が笑える。
慎也が気づいて動いて、
慎也の情報網でもって辿り着いたわけで
朱はそれに付き添っただけですからね。
今回の二件は藤間の犯行では無いと
最初から見抜いていたのかとギノが慎也に訊く。
今回の犯人はただ目につけばいいというというだけで
遺体の陳列場所を決めていた。
「二回続けて公園を選ぶなんて
藤間幸三郎だったらありえない」
うん、確かにその点では、
芸がないと私も思う。
私も結構こだわり屋な方なので、
璃華子と藤間比べれば、
藤間の作品は評価し、
璃華子のはつまらないと感じますね。
あぁ犯罪を評価してるわけではありませんので
そこは誤解なきように。
グロイのもエグイのも超苦手ですし、
こんなアート、認めたくはありませんよ。
評価するというのは、
ただ感性の話です。
まだ全てが璃華子の仕業とわかったわけではないが
あんな犯罪係数をマークした彼女を
放っておくわけにはいきませんよね。
画像検索は完了。
彼女の周りにはいつも取り巻きが居て
社交的な子なんだなと、とっつぁんが口にする。
ふと、妙な場所に立ってる画像に慎也が目を留めた。
寮の裏手にあるゴミ処理施設。
「こんなところになんの用~が…」
秀星の声が尻つぼむ。
慎也が既に飛び出してるよ。
ほんと刑事ドラマだな。
石田さんの言い方が可愛かった♪
かくして皆さんドミネーターを手に
ゴミ処理施設に入ったわけね。
建物内ところどころノイズがあるの?これ。
ってことはホロで何か隠してるってことか。
操作してホロを解除…したんだよね?
するとそこに作りかけのオブジェ。
美術室にあった絵と同じです。
葦歌と加賀美の首が胴体から切り取られて
手の上に並んで乗ってる。
恐怖に引きつった顔で死んだはずなのに
なんで笑ってるのかが不思議。
表情まで作れるのか?
げっ聖護が端末で
さっきの慎也達の会話を映像つきで見てるよ。
あの部屋にカメラ仕掛けてあったってこと?
いや、セキュリティのカメラはあちこち
あるだろうけど、
それを全部見れるようにしてあるのかな。
慎也の顔をズームして、
彼の言葉を楽しそうに聴いてる。
あぁそうだろうね。
頭キレるし回転も速いですからね慎也は。
そしてセンスも良い。
貴方は気に入るでしょうよ。
ここは職員室ですよね。
璃華子が填島先生と呼んでいたので
色々想像していたけど、
単純にここの教師やってるのか。
「柴田先生は音楽がお好きなのですか?」
教頭が話しかけてきた。
ここでは柴田って名なのですね、聖護。
いつも新しいアーティストを探している。
興味深い新人を見つけるのが楽しい、ね。
違うアーティストだよねそれ。
そこに、学園内から生徒の死体が発見されたと
教師が慌てて報告に来た。
皆、職員室を飛び出して行く中、
聖護はパソコンに向かって、せわしく指を動かし
作業を始めました。
現場から遺体が運び出されてる。
雨が降りしきる中、
美佳は見開いた眼で、
傘も差さずに立ち尽くしている。
「大事な友達だったのね」
弥生が声をかけてる。
案外、優しいのね貴女。
加賀美に大事な事を伝え損ねた、と美佳。
そうなのか…キミ、葦歌に嫉妬してたんだ。
加賀美が葦歌のことばかり気にかけるから。
璃華子に相談したらと言ったのは自分。
一人で行かせるべきじゃなかった。
「私が殺したようなものです!」
そう責めたくもなるだろうね。
「今のうちに
泣いておきなさい。
じゃないと、色相が濁っちゃうわよ」
そうね、それは危険ね。
まだギノと慎也は、警備室に居た。
説明のつかないことが多すぎる。
璃華子の逃走経路、地下室の設備。
どう考えても女子高生一人が
まかないきれるものではない。
「今回も裏に何かある。
ひょっとするとお前の言う通り…」
ギノが慎也があげていた黒幕説を認めようとした時
慎也が異変に気づいた。
破損しているデータがある。
さっき弥生が検索した時にはどの録画も無事だった。
美術室のカメラのデータが集中的にやられている。
あぁなるほど、さっきの聖護のパソ作業。
データ消しでしたか。
音声が修復出来そうなものを見つけ、
慎也が再生する。
聖護と璃華子のやりとりね。
璃華子が、填島先生、と呼んでましたからね。
その名に慎也がハッとする。
良かったね、これで填島にちょっとだけ近づいた。
少なくとも、姿の見えぬ敵の名が、
填島という名の男だと、そこははっきりしたね。
「本当にこのルートで確かなのね……チェ・グソン」
グソンがそういって、
ここを歩かされているのなら
もう始末される場所へと
キミは進んでいるわけだ。
返事がなく、懐中電灯を当てても姿がなく、
璃華子の表情に少し怯えが混じる。
端末に着信音。
相手は聖護です。
「念のため、
最後に質問しておきたい。
王陵璃華子、何故僕を
失望させることになったのか、
君自身に自覚はあるかな?」
彼女に自覚は全くありません。
自覚がなければ、反省のしようもない。
「やはり君にはこれ以上の成長は、
期待出来ないようだ。残念だよ。
初めはもっと、前途の有望な子だと思っていたんだが」
璃華子には、聖護が何を言いたいのか分からない。
ゴートの女王タモーラの台詞ですか。
シェイクスピア詳しくないので調べました。
前に璃華子が好きだと言ってた
『タイタス・アンドロニカス』
に出てくる人物なのね。
シェイクスピア全作品中、
最も残虐で暴力に溢れているらしいですね。
私は読むの無理かも。
「可愛い息子達からのご褒美を奪うことになる。
あの子達の情欲は、満たしてやらねば」
ぷつりと切れた後、圏外になっちゃいましたよ。
いやだ、璃華子の端末の待ちうけ、
牢一氏の例の絵ですか。
「さぁ狩りが始まるぞ。
しらじら明けの朝、野原は芳しき香り
森の緑は濃い。ここで猟犬を解き放ち、
声高く吼えさせよう」
なにこれ…ロボな猟犬?
璃華子の居る場所へ向けて、
解き放たれたってところか?
泉宮司が鼻歌で第九歌ってるし…。
この人も変な人なのか。
そら聖護の知り合いだもんな。
ロボ猟犬をやり過ごしてホッとしたのもつかの間、
璃華子は罠に掛かってしまいました。
「この女の涙を見るのは、
貴方の名誉になる。
ただし心を火打石にして
涙の雨垂れなどはね返すこと」
足首から血を流し、床に体をつけて、
彼女は端末にアドレスを出して電話をする。
って、それ牢一の電話番号?
自宅ってことかしら。
さっき圏外になってたでしょ?
どのみち繋がりませんって。
あーあー、ロボわんこ、来ちゃったよ。
恐怖で異様に開いてる眼をゆっくりと動かす。
血のように真っ赤な体のロボわんこ。
サイボーグものの作品に出てきそうな
サイボーグわんこみたい。
ニカッと笑ったような口が怖い。
尻尾をぶるんと振っただけで、
璃華子の手が切れました。
「さて、その舌で喋れるなら
告発するが良い。
誰に舌を切られ、誰に犯されたか
思いのたけを書いて訴えるが良い。
その二つの切り株で字が書けるなら」
璃華子は牢一の作品に似せて
遺体をオブジェにしていたが、
聖護は物語の一節をかぶらせている。
少し似た感性はあるから、
興味を持ったのだろうけど、
ずっと楽しませてくれるほどの才能では
なかったようですね、璃華子は。
璃華子の前に、狩り姿の泉宮司が立った。
ロボわんこはもう一匹、黒い子もいるのね。
泉宮司は猟銃まで持ってますよ。
こんな薄暗い地下室に、そぐわぬ姿ですね。
猟銃を顔に向けられても、
うっすら笑ってる璃華子が凄いわ。
「貴方だって、
いずれ填島先生が飽きたら
捨てられる」
「ご心配なく」
泉宮司は躊躇なく引き金を引き、
璃華子は一発で物言わぬ骸となり、水槽に落ちた。
「君は楽しませる側の子狐だったようだが
私は彼と同じく楽しむ側のプレイヤーでね」
「この女の生涯は野獣に似て
哀れみに欠けていた。
死んだ今は、野鳥程度の哀れみが
似つかわしい」
聖護が言い終えると、いいんですかとグソンが訊く。
「あの子、結構お気に入りだったんでしょうに」
もっと面白いおもちゃが見つかったから
いいんですってよ。
「ちょっと情報を集めてほしい。
昼間学校に来ていた公安局の、
恐らくは執行官、狡噛というそうだ」
あーあー、気に入られちゃったよ。
まぁ素質十分だよね慎也は。
璃華子よりずっと、聖護のお眼鏡にかなうだろうさ。
「そりゃまた…妙なヤツに目をつけましたね」
「あの洞察力と理解力。とても興味深い。
きっと楽しませてくれるんじゃないかな」
ED~。
◆グッズ
前回までの感想
#1
「PSYCHO-PASS」#1【犯罪係数】朱が嫌いになるのも計算?
#2
「PSYCHO-PASS」#2【成しうる者】慎也の印象が違ってました。
#3
「PSYCHO-PASS」#3【飼育の作法】面白くなってきました♪
#4
「PSYCHO-PASS」#4【誰も知らないあなたの仮面】
子安さんが子安さん過ぎる(笑)。
#5
「PSYCHO-PASS」#5【誰も知らないあなたの顔】やっぱりね。
#6
「PSYCHO-PASS」#6【狂王子の帰還】教師とはね…。
#7
「PSYCHO-PASS」#7【紫蘭の花言葉】
類は友を呼ぶとはキミらのこと。
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今回は3話分掛かってる事件だから、
アバンでおさらいですね。
OP~♪
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おぉ学園内にドローンがうようよ。
警備体制が一段と厳しくなったようですが、
璃華子は相変わらず不気味な絵を美術室で描いている。
それは加賀美だね。
もう彼女たちのオブジェは出来たのかい?
相次いで二人もの生徒が同じ手口の犯罪の餌食になった。
これで学園側が何の対策も講じなければ保護者が黙って
いないだろうと聖護。
容疑者はもと教諭の藤間幸三郎。
公安局の捜査の焦点はここ、桜霜学園に絞り込まれる。
「しばらく身動きがとれませんわね」
しれっと言う璃華子に、
何故同じ学園内の生徒ばかりを素材に選んだのかと
聖護が訊く。
この時点で、あぁこれは見捨てられるなと思ったよ。
全寮制の女子学校であるこの桜霜学園。
時代錯誤ではあるが希少価値があると聖護は評価。
貞淑さと気品、失われた伝統の美徳。
それが桜霜学園の掲げる教育の理念。
自分たちは深窓の令嬢というブランド品としてして出荷され、
良妻賢母というクラシックな家具を求める殿方に
結婚という体裁で購入されるのだと璃華子。
この学校にいる生徒は誰もが
淑女という名の工芸品に加工されるための素材。
「磨き上げられ完成されるのを待つ原石。
悲しくそして退屈な命ですわ」
他に花開く筈の可能性は、いくらもあるのに、ですか。
それでそんなアートにしてあげてるわけね。
璃華子の見解を、聖護は面白いとは思っている。
だが新しい作品の展示先を訊ね、
その返事を背で聞く彼の眼は冷めている。
璃華子、キミは気づいていないだろうね。
その一言がキミとの別れを決定付けたと。
おぉまたミニドローンがきゅるきゅる働いてて可愛い。
手かがりは皆無かと、とっつぁんが渋い声を落としてる。
さらに笑えない新情報~とコミッサちゃんが入ってきた
って、声が二重だ。秀星か、中は。
2年生で二人ばかり寮から消えた生徒がいる。
実家にも帰っておらず完璧に行方不明とのこと。
そうよね、帰る時は変わり果てた姿だ。
親御さんが失神しちゃうね、あんなでは。
しかし妙な話だと、とっつぁん。
校舎も学生寮も軍事施設並みの厳戒態勢で
ここから犠牲者を連れ出す方法などあるものなのか。
そもそも何故今になって桜霜学園の生徒ばかり
標的にするのかとギノも考え込む。
藤間にとってはここは古巣、どこか警備の穴になる
抜け道を知っているのではないかと弥生が意見する。
ありえる話だと秀星も同意。
創設100年のこの学園、
敷地内は増改築を繰り返していて見取り図も酷いもの。
「まさか…殺しの現場も
犯人(ホシ)の隠れ家も
全部学園の中ってことはないですか?」
弥生ったら、鋭い~。
お留守番の朱と慎也。
「あ、やっぱり事件の情報!
唐之杜さんの仕業ですね」
ん?どゆこと?
志恩がわざと見れるようにしてあったとか
そんな感じ?
どう思うかと慎也が朱に意見を求める。
薬剤の分析結果からも三年前の事件と
同一犯の可能性が高まったと朱は返しますが
慎也は全く逆の感想を抱いたという。
三年前の事件の被害者の一人は、
汚職疑惑のかかった衆院議員だった。
犯罪係数の虚偽申告を疑われたが
再計測を拒否。
マスコミや野党の追及を
『記憶にございません』とかカビの生えた言葉で
切り抜けようとした。
その彼の死体は頭蓋骨が綺麗にカットされ
脳がすっぽりくり抜かれた状態だった。
そして肛門に、記憶について重要な働きをするとされる
脳のパーツ"海馬"が、突っ込まれていた。
佐々山の殺され方もそうだが
三年前の事件の犯人は、殺し方や死体の飾り方に
なんらかの意味合いを持たせようとしている節があった。
被害者は四人。
死体が発見された場所は、
ホログラムイルミネーションの裏側、
高級料亭、動物園、
アイドルがライブ用に組んだステージの真上。
だが今回は二件続けて公園。
「舞台設定に芸がない」

聖護がキミに失望したのも、そういうこと。
「今回の二件からは歪んだユーモアや
メッセージ性も感じない。
美しく悪魔的で芸術作品のようだが
何かが致命的に欠けている」
慎也さ、実は聖護と気が合うかもしれないよね。
違う出会いをしていたら。
慎也の言う何か、とはオリジナリティ。
それが欠けた芸術なんて、意味が無いですわね。
こんな手間をかけた殺しなのに
犯人の主張が薄い。
少なくとも慎也は感じれないと言う。
藤間幸三郎にとって殺しは
ただの素材の下準備でしたかなかった。
そこまでは今回の殺しも共通している。
だがそこから先は、死体の作風が違う。
全く違う犯人像が慎也には見えている。
知能が高く、シュビラ判定では高収入の職業を
割り当てられている、だがかなり若い。
もしくは精神年齢が低い人物。
死体を性的に侮辱する要素が少ないことから
幼児期の虐待は受けていないと推測できる。
すごいな、そんな所まで弾きだせるのか。
すっげ、合ってるよ、その推測。
「監視官、外出許可を申請する」
「えっそれって私が同伴しないと…」
「だからついて来いといってるんだ」
あらあら、慎也ったら。
ずいぶん柔らかい表情で見るのね、朱のこと。

朱の顔もぱっと明るくなりました。
で、向かったのは所沢矯正保護センター。
慎也ももしギノや朱に役立たずと判断されたら
ここに放り込まれて二度と出てこれなくなるそうで。
つまりはヤバイ潜在犯を隔離する収容所ってことですか。
でもこんな所に何の用なのか。
慎也は直感で、今回の死体の加工には
元ネタがあると感じた。
だからその筋の専門家に訊こうと思ったわけね。
センターの中を奥へ進む二人は、
犯罪係数300以上の重篤患者が
隔離されているエリアへと入った。
どの部屋の患者も、イッてますなぁ。

有事の際には通風孔から毒ガスが出るしくみだそうで…。
ここはいつだって処刑室に早代わりする。
ここに居る連中は外に出られたとしても
即刻ドミネーターに処刑宣告を食らって
ミンチにされるだけ。
生きていられるだけ檻の中の方がマシってことになる。
慎也がある部屋をノックすると、
「あ~らわんこちゃん、お久しぶり」
わんこですか…。
「随分と絵が増えた。さすがに背中は無理だろ」
「こうみえても体は柔らかいのよ私。
鏡さえあれば背中もイケるわぁ」
え…なに、オカマさんなの?
で、背中になんだって?
骸骨みたいだけど、これ自分で描いてるの?
ニュースを見ているかと慎也に訊かれますが
芸術に理解の無い世界に興味ないってさ。
「この死体に類似性のある作品を探している」
慎也は公園の2体の死体の画像ファイルを、
男に見せる。
「あ~ら、良い出来じゃない。
王陵牢一のアートそのまんま」
慎也も朱も、王陵牢一の名に聞き覚えはありません。
それを嘆く男。
昔は例え有害指定くらっても、
誰かがネットのアーカイヴで保護したものだが
そういう根性のある子はもう居ないのかと
男は残念そう。
「そんなヤツはお前と一緒に塀の中さ」
そら間違いない。
「冷たいのねコウちゃん」
そういいつつ、男は一枚の絵を見せる。
「はぁい、そっくりでしょ。
アタシの店でも彼の作品には良い値がついたわ。
浮ついた流行りものじゃなくて
きちんと根源的なテーマが見てとれたからよね」
朱は絵を見て息を呑む。
「助かったぜ」
慎也は男に礼をいい、
朱に捜査資料から王陵牢一の名で検索し
何かヒットしないか訊く。
ふふ、どっちが上司かわかんないね。
いやん、そんな二人を、男がドアに手をついて、
見てるよー。顔怖い~。

桜霜学園に同じ苗字の生徒が在籍。
「この子!血縁者ですよ狡噛さん!」
はい、やっと璃華子に行き着いた。
あら、また秀星がコミッサちゃんホロで
学園内の聞き込みしてると思ったら、
「こ、コウ!?」
慎也を見かけて慌てて声出したのは、とっつぁん。
ホロも解いてしまって女生徒が悲鳴あげてますよ。
中身、こんなおっさんとは思わないよね。
ギノも慎也の姿を認めて、一階へと走り、
慎也の行く手を阻もうとしますが、
そのギノの前に
「待ってください」
慎也を庇うべく両手広げて、朱が立ちはだかった。
「生徒の中に容疑者が居るんです」
「はぁ?」
ギノは朱に任せてさっさと進んで行く慎也。
ほんと、刑事ものの主人公って感じだわー。
教師が慎也に噛み付いてるよ。
生徒達を刺激しないよう捜査には注意しろって。
でも生徒が犯人なんだぜ?
慎也はまっすぐに美術室へ向かい、
璃華子にドミネーターを向ける。
犯罪係数472-?!
あのセンターに居た美術マニアの男より上なのか。
よく引っかからずに過ごせたね。
全寮制の学校で、外に出ないから?
「何をするっ!」
教師が慎也の腕つかんで下ろしちゃうもんなぁ。
その隙に逃げちゃったじゃないか。
怯える生徒達の人垣を壁にするとは、
璃華子はうまく隠れましたな。
誘導したのは、女装ホロのグソン。
聖護の計らいだそうで。
にっこり笑う女装グソンですが、
胡散臭いこと。
こんな事態になったら、
見捨てること確定じゃん。
ギノは学園全域の封鎖を支持してますが、
敷地内広すぎるから、
そりゃドローンも足りないわよねぇ。
なにごとかと美術室覗いた美佳は
加賀美が描きこまれた絵を見て愕然とする。
「小娘一人探し出すことも出来ないってのは
どういうことだ!」
ギノが吼えてるよ。
苛立ってますなぁ。
「ここ、出入りに対するセキュリティばっかり厳重で
いざ中で、かくれんぼとなると
ザルもいいとこなんすよ」
秀星も呆れ口調。
過去数日分の監視カメラの録画から
璃華子の姿だけをピックアップ出来るかと
慎也が弥生に問う。
本部のラボに支援させればその程度の画像検索は
すぐに出来るらしい。
弥生はすぐに取り掛かる。
「しかし、王陵牢一だと?
そんな絵描きがいたなんて、どうしてわかった」
ギノの問いに慎也は答えず、
「オリジナリティですよね、狡噛さん」
朱が返してる。
「なんだって?」
ギノに突っ込まれて、
しどろもどろに答える朱が笑える。
慎也が気づいて動いて、
慎也の情報網でもって辿り着いたわけで
朱はそれに付き添っただけですからね。
今回の二件は藤間の犯行では無いと
最初から見抜いていたのかとギノが慎也に訊く。
今回の犯人はただ目につけばいいというというだけで
遺体の陳列場所を決めていた。
「二回続けて公園を選ぶなんて
藤間幸三郎だったらありえない」
うん、確かにその点では、
芸がないと私も思う。
私も結構こだわり屋な方なので、
璃華子と藤間比べれば、
藤間の作品は評価し、
璃華子のはつまらないと感じますね。
あぁ犯罪を評価してるわけではありませんので
そこは誤解なきように。
グロイのもエグイのも超苦手ですし、
こんなアート、認めたくはありませんよ。
評価するというのは、
ただ感性の話です。
まだ全てが璃華子の仕業とわかったわけではないが
あんな犯罪係数をマークした彼女を
放っておくわけにはいきませんよね。
画像検索は完了。
彼女の周りにはいつも取り巻きが居て
社交的な子なんだなと、とっつぁんが口にする。
ふと、妙な場所に立ってる画像に慎也が目を留めた。
寮の裏手にあるゴミ処理施設。
「こんなところになんの用~が…」
秀星の声が尻つぼむ。
慎也が既に飛び出してるよ。
ほんと刑事ドラマだな。
石田さんの言い方が可愛かった♪

かくして皆さんドミネーターを手に
ゴミ処理施設に入ったわけね。
建物内ところどころノイズがあるの?これ。
ってことはホロで何か隠してるってことか。
操作してホロを解除…したんだよね?
するとそこに作りかけのオブジェ。
美術室にあった絵と同じです。
葦歌と加賀美の首が胴体から切り取られて
手の上に並んで乗ってる。
恐怖に引きつった顔で死んだはずなのに
なんで笑ってるのかが不思議。
表情まで作れるのか?
げっ聖護が端末で
さっきの慎也達の会話を映像つきで見てるよ。
あの部屋にカメラ仕掛けてあったってこと?
いや、セキュリティのカメラはあちこち
あるだろうけど、
それを全部見れるようにしてあるのかな。
慎也の顔をズームして、
彼の言葉を楽しそうに聴いてる。
あぁそうだろうね。
頭キレるし回転も速いですからね慎也は。
そしてセンスも良い。
貴方は気に入るでしょうよ。
ここは職員室ですよね。
璃華子が填島先生と呼んでいたので
色々想像していたけど、
単純にここの教師やってるのか。
「柴田先生は音楽がお好きなのですか?」
教頭が話しかけてきた。
ここでは柴田って名なのですね、聖護。
いつも新しいアーティストを探している。
興味深い新人を見つけるのが楽しい、ね。
違うアーティストだよねそれ。
そこに、学園内から生徒の死体が発見されたと
教師が慌てて報告に来た。
皆、職員室を飛び出して行く中、
聖護はパソコンに向かって、せわしく指を動かし
作業を始めました。
現場から遺体が運び出されてる。
雨が降りしきる中、
美佳は見開いた眼で、
傘も差さずに立ち尽くしている。
「大事な友達だったのね」
弥生が声をかけてる。
案外、優しいのね貴女。
加賀美に大事な事を伝え損ねた、と美佳。
そうなのか…キミ、葦歌に嫉妬してたんだ。
加賀美が葦歌のことばかり気にかけるから。
璃華子に相談したらと言ったのは自分。
一人で行かせるべきじゃなかった。
「私が殺したようなものです!」
そう責めたくもなるだろうね。
「今のうちに
泣いておきなさい。
じゃないと、色相が濁っちゃうわよ」
そうね、それは危険ね。
まだギノと慎也は、警備室に居た。
説明のつかないことが多すぎる。
璃華子の逃走経路、地下室の設備。
どう考えても女子高生一人が
まかないきれるものではない。
「今回も裏に何かある。
ひょっとするとお前の言う通り…」
ギノが慎也があげていた黒幕説を認めようとした時
慎也が異変に気づいた。
破損しているデータがある。
さっき弥生が検索した時にはどの録画も無事だった。
美術室のカメラのデータが集中的にやられている。
あぁなるほど、さっきの聖護のパソ作業。
データ消しでしたか。
音声が修復出来そうなものを見つけ、
慎也が再生する。
聖護と璃華子のやりとりね。
璃華子が、填島先生、と呼んでましたからね。
その名に慎也がハッとする。
良かったね、これで填島にちょっとだけ近づいた。
少なくとも、姿の見えぬ敵の名が、
填島という名の男だと、そこははっきりしたね。
「本当にこのルートで確かなのね……チェ・グソン」
グソンがそういって、
ここを歩かされているのなら
もう始末される場所へと
キミは進んでいるわけだ。
返事がなく、懐中電灯を当てても姿がなく、
璃華子の表情に少し怯えが混じる。
端末に着信音。
相手は聖護です。
「念のため、
最後に質問しておきたい。
王陵璃華子、何故僕を
失望させることになったのか、
君自身に自覚はあるかな?」
彼女に自覚は全くありません。
自覚がなければ、反省のしようもない。
「やはり君にはこれ以上の成長は、
期待出来ないようだ。残念だよ。
初めはもっと、前途の有望な子だと思っていたんだが」
璃華子には、聖護が何を言いたいのか分からない。
ゴートの女王タモーラの台詞ですか。
シェイクスピア詳しくないので調べました。
前に璃華子が好きだと言ってた
『タイタス・アンドロニカス』
に出てくる人物なのね。
シェイクスピア全作品中、
最も残虐で暴力に溢れているらしいですね。
私は読むの無理かも。
「可愛い息子達からのご褒美を奪うことになる。
あの子達の情欲は、満たしてやらねば」
ぷつりと切れた後、圏外になっちゃいましたよ。
いやだ、璃華子の端末の待ちうけ、
牢一氏の例の絵ですか。
「さぁ狩りが始まるぞ。
しらじら明けの朝、野原は芳しき香り
森の緑は濃い。ここで猟犬を解き放ち、
声高く吼えさせよう」
なにこれ…ロボな猟犬?
璃華子の居る場所へ向けて、
解き放たれたってところか?
泉宮司が鼻歌で第九歌ってるし…。
この人も変な人なのか。
そら聖護の知り合いだもんな。
ロボ猟犬をやり過ごしてホッとしたのもつかの間、
璃華子は罠に掛かってしまいました。
「この女の涙を見るのは、
貴方の名誉になる。
ただし心を火打石にして
涙の雨垂れなどはね返すこと」
足首から血を流し、床に体をつけて、
彼女は端末にアドレスを出して電話をする。
って、それ牢一の電話番号?
自宅ってことかしら。
さっき圏外になってたでしょ?
どのみち繋がりませんって。
あーあー、ロボわんこ、来ちゃったよ。
恐怖で異様に開いてる眼をゆっくりと動かす。
血のように真っ赤な体のロボわんこ。
サイボーグものの作品に出てきそうな
サイボーグわんこみたい。
ニカッと笑ったような口が怖い。
尻尾をぶるんと振っただけで、
璃華子の手が切れました。
「さて、その舌で喋れるなら
告発するが良い。
誰に舌を切られ、誰に犯されたか
思いのたけを書いて訴えるが良い。
その二つの切り株で字が書けるなら」
璃華子は牢一の作品に似せて
遺体をオブジェにしていたが、
聖護は物語の一節をかぶらせている。
少し似た感性はあるから、
興味を持ったのだろうけど、
ずっと楽しませてくれるほどの才能では
なかったようですね、璃華子は。
璃華子の前に、狩り姿の泉宮司が立った。
ロボわんこはもう一匹、黒い子もいるのね。
泉宮司は猟銃まで持ってますよ。
こんな薄暗い地下室に、そぐわぬ姿ですね。
猟銃を顔に向けられても、
うっすら笑ってる璃華子が凄いわ。
「貴方だって、
いずれ填島先生が飽きたら
捨てられる」
「ご心配なく」
泉宮司は躊躇なく引き金を引き、
璃華子は一発で物言わぬ骸となり、水槽に落ちた。
「君は楽しませる側の子狐だったようだが
私は彼と同じく楽しむ側のプレイヤーでね」
「この女の生涯は野獣に似て
哀れみに欠けていた。
死んだ今は、野鳥程度の哀れみが
似つかわしい」
聖護が言い終えると、いいんですかとグソンが訊く。
「あの子、結構お気に入りだったんでしょうに」
もっと面白いおもちゃが見つかったから
いいんですってよ。
「ちょっと情報を集めてほしい。
昼間学校に来ていた公安局の、
恐らくは執行官、狡噛というそうだ」
あーあー、気に入られちゃったよ。
まぁ素質十分だよね慎也は。
璃華子よりずっと、聖護のお眼鏡にかなうだろうさ。
「そりゃまた…妙なヤツに目をつけましたね」
「あの洞察力と理解力。とても興味深い。
きっと楽しませてくれるんじゃないかな」
ED~。
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前回までの感想
#1
「PSYCHO-PASS」#1【犯罪係数】朱が嫌いになるのも計算?
#2
「PSYCHO-PASS」#2【成しうる者】慎也の印象が違ってました。
#3
「PSYCHO-PASS」#3【飼育の作法】面白くなってきました♪
#4
「PSYCHO-PASS」#4【誰も知らないあなたの仮面】
子安さんが子安さん過ぎる(笑)。
#5
「PSYCHO-PASS」#5【誰も知らないあなたの顔】やっぱりね。
#6
「PSYCHO-PASS」#6【狂王子の帰還】教師とはね…。
#7
「PSYCHO-PASS」#7【紫蘭の花言葉】
類は友を呼ぶとはキミらのこと。
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