「絶園のテンペスト」#15【何やら企んでいるようであり】こういう左門がまた見たかったんだ♪
どんどんラブコメっぽくなってきて
1クールめとの差が凄いんですけど
私はどっちも好きですわ。
1クールめは、ハラハラを楽しんでましたが
今は気楽に楽しんでる。
でも楽しいだけじゃなく、
時々ヒヤリとすることは隠されてはいるよね、今も。
今回はあっちもこっちも、恋を自覚させる回でした。
そのやりとりもおかしくて楽しかったんですけども
やっぱり今話一番の大爆笑シーンは、
左門のあれですよね。
こんな左門をまた見たかったんだよ。
ありがとう。
またよろしくです。(あ)
※原作未読のくせに勝手にあれこれ想像して書いてます。
決して正しい回答ではありませんので
適当に流してくださいませ。
原作既読の方は、「そうじゃねーよ」と思われても
放置してやってください。
今はまだ、ネタバレ見たく無い気分なので。
宜しくお願い致します。
この真広色っぺー。
1クールめとの差が凄いんですけど
私はどっちも好きですわ。
1クールめは、ハラハラを楽しんでましたが
今は気楽に楽しんでる。
でも楽しいだけじゃなく、
時々ヒヤリとすることは隠されてはいるよね、今も。
今回はあっちもこっちも、恋を自覚させる回でした。
そのやりとりもおかしくて楽しかったんですけども
やっぱり今話一番の大爆笑シーンは、
左門のあれですよね。
こんな左門をまた見たかったんだよ。
ありがとう。
またよろしくです。(あ)
※原作未読のくせに勝手にあれこれ想像して書いてます。
決して正しい回答ではありませんので
適当に流してくださいませ。
原作既読の方は、「そうじゃねーよ」と思われても
放置してやってください。
今はまだ、ネタバレ見たく無い気分なので。
宜しくお願い致します。
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OP~♪
真広ったら機嫌悪そう。
左門とお買い物ですか。
あぁそういえば元旦でしたねぇ、
初売りか。ふふふ。
左門と初売り攻めかぁ、
あはは、確かに変な図ですね。
身の回りのものを揃えなきゃいけないし頼まれたものもある。
メモを片手に買い物する左門って、ちょっとかわいい。
おぉピンクのブリーフ。
「随分派手なのはくんだな」
「お前の着替えだが?」
左門的には、真広はこういうイメージなわけね。
めぐむは今頃、顔合わせしてるそうだけど…。
あれ?左門が会うんじゃないの?
真広とすぐに顔を合わせるのを避けたくて
彼を連れ出したんですか。
それもあると認めた左門ですが
物事には段取りがある。
真広に合わせる前に、こちらが先に
人物確認をするのが当然だと返す。
「そいつ、本物なのか?」
「姫様の見立てでは、間違いなく」
そうね、力はあったわね。
その頃、葉風もめぐむについて考えていた。
力は間違いなく絶園のものだが
それは同時に愛花の容疑者ってことにもなる。
果たして真広はどう動くか。
ホテルのロビーで待たせてる吉野を見つけ
声をかけようとした葉風ですが、
携帯画面をじっと見つめる彼を見て、
声を出せなくなる。
胸がキュンと痛みますか?
痛みますよねぇ。
めぐむは一人でこっちへ来させられたのか。
流されてる気がする、と思いつつも
「優しい人だといいなぁ」
おい!山本、会った事もない相手に
なんちゅうメール送ってんねん!
文章は『待ってるヨ』タイトルだけで、
貴女のウィンク画像ですかー。
めぐむの第一面接者は、山本と夏村なのね。
どうしてもフロイライン山本と呼ばせたいのか。
でもめぐむの視線は、隣の夏村に釘付けですよ。
目が怖いよね。
「こちらは魔法使いの夏村君。
親しみやすくナッツと呼んであげてね」
「呼ばんでください」
ほんとだよ、そんな変な愛称つけないで!
まずは色々聞かせてと山本にニッコリ微笑まれて
めぐむったら顔赤くしてるー。
-あー優しい人で良かったぁ。
甘い甘い。
女を知らないね、キミは。
哲馬は運転手兼、左門のボディガードですか。
でも左門の方が力強いんじゃないの?
必要なのか?ボディガードなんて。
あぁ真広に対しての牽制か。
「誰がいまさら」
そうよね、状況も変わったし
とりあえずは停戦よね。
「矢印野郎だからって逆走するんじゃねーぞ」
いやそれは関係ないだろ真広。
よく諦めないでいられるな、と真広が左門に言う。
長年かけた計画が、冗談みたいな展開であっと言う間に
砕かれるという奇跡をくらわされたばかりなのに。
逆に左門が真広に問います。
もし滅んだ世界を目の前に神様が現われたとする。
お前がどうやっても
この結果を変えられなかったのだと言われるのと
お前が諦めなかったら
この結果は変えられたのだといわれるのと
真広なら、どちらがいいか。
「いやな神様だな」
「神とはそういうものだ」
諦めた後で実は勝ち目があったと言われるのなら
諦めなかった後で勝ち目がなかったと言われる方が
左門はマシだと思うわけです。
真広ならどうなのか。
愛花を殺したのは、はじまりの樹の理かもしれない。
ならば途中で復讐を投げ出すか。
「お前には、俺がそんなまともに見えるのか」
左門はお互い往生際が悪いなと少し笑う。
あ、名前は真広だけでいいってさ。
なんか親しくなった感じですわね。むふふ。
あ、哲馬が気にしてミラー越しに見てるのかなコレは。
焼いちゃダメだよ。ふふ。
一方、めぐむは、力を少々見せてました。
魔法を使うのに手続きも供物も必要としないことに
夏村は相当驚いてますね。
出すぞーってイメージだけで出るらしい。
便利ねぇ。
体力や精神力の消耗も無いらしいよ。
夏村がめぐむを凄い、と思ってる横で
山本は、葉風の見立てとおりいかにも使えなさそうって
評価してるところが面白い。
それではどのぐらいの正確さで
相手を攻撃が出来るのかと夏村に訊かれ、
めぐむははじまりの樹の一部である大樹に手を当て
樹だけを消し去るイメージを頭に浮かべた。
すると…
一瞬で樹が跡形も無く消え、生えてた場所に穴まで
出来ちゃったよ。
隕石が落ちたか、UFOの降りた跡っていうぐらい
デカイ穴開いたよー。
山本は大慌てでめぐむを掴むと
車に乗せて一目散に走り出しました。
「なぁにやってんのよぉ!」
「た、試しにちょっと…」
「ちょっとじゃないでしょ!
以後!こっちの許可なく魔法を使うな!!」
「はいっ!約束します!!」
-ううっ…
あんまり優しい人じゃなかったぁ。
だから言ったでしょ。
まぁキミは多分、その…なんだ。
女運無いというか、女にゲシゲシされる運命かも。
かくして、めぐむもおせち料理ですか。
あっ真広が猛烈に不機嫌顔。
「えー、ではこれより、
羽村めぐむ君の殺人容疑に関する取調べを
行いたいと思いまーす」
いきなり殺人容疑ってねぇ…。
めぐむも可愛そうに。
真広もくどくど訊くつもりは無い。
ひとつだけ答えろと続ける。
約1年前の11月23日午後10時から午前0時の間
どこにいたか。
「その日その時、俺の妹が殺された。
翌朝俺が死体を発見した」
未だ犯人は分からないという真広に
気の毒にと、めぐむは声を落とす。
同情も感傷も真広には不要。
それに今の世の中の状況から行くと
どちらかというとマシな話。
ただ真広は愛花を殺した犯人が生きて存在していることが
許せないだけ。
それは不合理でつじつまが合わないから。
「それが正せるなら、俺は何とでも引き換えにする」
「あの…」
「あ?」
「愛花って、誰?」
ぷぷぷ。
文脈から読み取れって怒られちゃったよ。
なにはともあれ、魔法を使って犯人を捜した結果
絶園の魔法使いが最有力容疑者としてあがった。
「答えろ、11/23日の深夜、どこで何をしていたのか!」
顔が怖いよ、真広。
そんな前のこと覚えてないと困っためぐむですが
思い出しました。
ゆっちゃんと居たことを。
高2の時から付き合ってる彼女で、
肌が雪みたいに白いからゆっちゃん。
…本名じゃないのかよ、
由紀子、とかなのかなと思ってた。
じゃあそのゆっちゃんに確認すればアリバイは証明できるのか。
出来るが彼女に合わせるわけにはいかない、と
めぐむは真剣な目を向ける。
この件はおかしなことばかり。
どんな危険があるか分からない。
「ちょっとでも、ゆっちゃんを巻き込みたくない」
おやおや、男を見せますね。
真広と山本がちょっと見直したっぽいのに、
最近振られたばかりで気まづく、
メールも電話も拒否られて
引っ越した噂もあると現実を告げちゃうから
真広に怒鳴られた。
「それ、お前自身すら会えねぇだろ!!」
ですねー。
もういいとふてくされる真広に
疑いは晴れたのかとめぐむは喜ぶが
「後は直接、お前の身体に聞く」
ぶふふふふ。
「…えっ。(ぱちくりぱちくり)
えっええええー!?」
ぷぷぷぷぷ。
いやいや、キミが今想像してるのとは違うと思うよ、
両肩抱いて怯えるのやめれ。
ほらほら、こういうことよね。
ジムのレスリング用のマットの上で、
ジャージ姿の真広とめぐむ。
早速めぐむが倒されたようですが、
何すんだと抗議してる。
葉風と一緒ですよ、キミの力を見せてみろってこと。
真広は葉風と違って魔法使いじゃないけど
魔具で多少は使えるしもともとの身体能力高いから
手強いわよ。
めぐむは絶園の魔法使い。
本気で殺しにかかれたら、さすがの真広もひとたまりもない。
でもそれが出来るようなら、
愛花も殺せた筈。
うわ…それ言われたら本気出せなくない?
「仮に俺がここで死んだとしても
吉野と葉風は
俺の仇を討ってくれるだろうなぁ」
うわー、チンピラみたいだよ真広ぉ。
そんなやりとりを聞いて、左門が内心クッと笑う。
相変わらず真広は駆け引きが上手い。
まともな者ならああいわれれば慎重になる。
まためぐむが意図を持って
冷酷な心を隠していたとしても
この状況で不用意に葉風を敵に回す道は選ばないだろうから。
そして真広はめぐむをあおる。
そんなだらしないから彼女に振られたのではないか。
「いや、そもそも彼女だったかどうかも怪しいなぁ」
「うん」
うん?あらあら、左門まで加わったよ。
「実在はするが一方的に彼女と思い込んでいる可能性もあるな」
ぷぷ、真広と左門、よいコンビになってないか?
ストーカー野郎とまで真広に言われ、
さすがのめぐむも怒ったーっ!!
そして放った攻撃。
真広はよけもしませんよ。
攻撃は真広の身体の左右をすり抜け壁へ。
かすりもしてません。
真広は分かってたんだろうな、当てないってこと。
で、足でめぐむの顔面を踏むように蹴る。
やるなら手足をぶったぎる気でやれってさ。
めぐむには無理でしょー。
-どうしよう…
なんか勝てる気がしないよ…
どうしよう、物凄い梶さんキャラだよ、この子。
左門もちょい呆れてる?
力は本物でも心が弱すぎる。
吉野の方が絶園の魔法使いとしては相応しいと
どうしても思えるみたいですね。
でも吉野は魔法、使えませんよ?
山本達のことも、今は協力関係にあるが
左門は信用してるわけではないのね。
彼らは何やら企んでいるようでもあり
一層油断ならないことになりそうだと警戒を強める。
あぁこれが今回のタイトルですか。
早河と山本が駐車場に停めた車の中で
会ってるのは、早河の元部下かな?
情報流して貰ってるようです。
めぐむが開けた大穴の件、政府も頑張ったようですが
抑えるのは無理だったようね。
ネットでは絶園の魔法使いの仕業という噂が
流れてるらしいが、それ当たってるし…。
海外からの調査団が富士に入山した件。
あ、この間思わせぶりなシーンがありましたね。
彼らもそれほど間抜けではない。
すぐに鎖部の魔法の秘密にも辿り着くだろうと
早河は推測。
山本はまずいじゃないかと口を出しますが
早河は否定。
これまでは防戦一方だったが、
二つともこちらから攻める良い武器になるってさ。
「随分楽しそうね」
ほんと、楽しそうだ、早河。
部下としては早く中央に戻って欲しいみたいだけど。
で、また動きがあれば連絡くれるそうで。
良い部下だね。
例の件は早急かと訊く山本に、
左門の説得が先だと早河が告げる。
例の件って何?
「それと…」
「あのお姫様ね」
って、画面に出してる画像は戦隊モノの衣装というか
パーツじゃないか。OPで映ってるあれですね。
そして遊園地?
おやおや、吉野と葉風はデートですか?
「いちゃいちゃ…してるな」
「いちゃいちゃ…してますね」
キミらも周りから見たらカップルだろうけどね。
10億単位の人間が一夜で消失し
世界は異形に変容させられたというのに
以前と変わらず恋人同士は新年を祝い
こうして歩いている。
こんな危機感のない風景があっていいものなのか。
自分たちはまともな感覚さえ、
大樹に書き換えられたのかと葉風がぼやくが
吉野は否定する。
「それは違います」
はじまりの樹が現れる前から
世界では戦争や飢え、犯罪や災害、
貧困や病で、毎日何万という死者が出ていた。
なのに危機感は誰も持っていなかった
「何億死のうと、もともと世界はこんなです」
確かにそうだけど、
吉野ってば達観してるなぁ。
いっそ今は、死者の数を先払いしたみたいに、
世界中から争いがなくなり
歴史上、もっともこの光景が相応しい時代に
なっているのかもしれない。
吉野ってばアンタいくつよ、
高校生の台詞じゃねーぞ。
少し不思議だと葉風が言う。
「お前の物の見方はSF的だということだ」
「SFの略は、少し不思議じゃありませんよ」
ぶっ、そんなアンタ真顔で。
「あっ、それもありだったかな」
えっ、ありなの?
しかも時々、どこを見ているか分からない。
視野が広いのか狭いのか
優しいのか冷たいのかもはっきりしない。
葉風が文句つけると、
「はぁ、すみません」
吉野は頬をぽりぽりしながら謝る。
「謝るようなことではない」
結局、今のままがいいということなのかと
葉風が少ししょげ顔で俯いたところで
「やぁ!一週間ぶり」
出たーっ潤兄ぃ。
いつも神出鬼没だねぇ。
そして発言も唐突。
ポケットから千円札出して、吉野に三人分の
暖かいコーヒー買ってこいってさ。
吉野はパシリですか。
でも吉野も意味を分かってるようで、
すんなり応じて席を立つ。
二人で話すことがあるってことよね。
「葉風ちゃんさ、吉野君に、恋してるよね」
しばしの間のあと、
「はぁあああああああ~?」
いやカメラに顔近づけなくてもいいから。
そしてこちらも、
「はぁあああ~っ!」
めぐむの特訓中。
魔法使いの攻撃が、一般人の高校生に
ひょいひょいかわされてる。
まぁ一般人でも真広はタダ者じゃないけど。
でも今は別に魔具使ってもいないんだしね。
めぐむも少しはサマになってきたようです。
真広のジャージの袖が少し切れてる。
肌にはかすってもなくて器用に切ってるよ。
でも真広は、切るなら骨までぶった切れってよ。
おいおい、それ、後で治すの左門なんでしょ?
保険あっての台詞よね。
なんだか不思議だわ。
ついこの間までは敵対していたのにね。
「だから!血を見るのが怖いんだよ!」
ほんとにキミ、絶園の魔法使いなんですかねぇ?
え、もう数日も経ってるんですか。
毎日ここでトレーニング?
そういやぁ今日は左門じゃなく、哲馬が居るね。
真広の特訓で、めぐむの魔法の精度も
わずかだが向上しているそうな。
「しかし、あまりに精神が弱すぎるのが
気になりますが…」
言われて山本も胸中で思う。
精神面でいうなら吉野の方が…、と。
みんな吉野を絶園の魔法使いにしたがるなぁ。
そういえば、と真広。
めぐむが、はじまりの樹を倒すべく
富士に向かっていたこと、聞いたのね。
「そんなんでよくそんなだいそれたことを考えたな」
ですね。
「それは…世界を救ったら、ゆっちゃんに
見直してもらえるんじゃないかって」
めぐむの原動力はゆっちゃんですものね。
振られた女のためにとは、不純な動機だと
真広がバサリ。
そしたらば…
「そんなこと…
シスコンの君に言われたくないよ!」
うっわー!
よく言った!!
「あぁ?」
真広がヤクザな顔で睨む中、
外野の三人がハッとし、
夏村は顔を隠すように帽子を頭に乗せ
こっそり口の端を上げ、
山本はツンと顔を上げてすまし、
哲馬は眉間を指でつまむ様にして、
笑いをこらえたわね、あなた達!!
-よくぞ言ってやった!
-誰もが一回は、言ってやりたかった!!
-禁断の言葉を。
ぷぷぷぷ。
楽しいね、あなた達。
で、誰がシスコンだと
めぐむはまた、真広に顔面キックされてます。
かわいそうに…。
だいたい血の繋がりはなく戸籍の上では妹だが
実際は妹でもなんでもない、
だからシスコンじゃないと真広は言い切る。
真広は勝ち誇った顔してますけど
それ聞いてめぐむがバサリ。
「それ、シスコンどころか」
「どころか?」
「ただの恋なんじゃ」
言っちゃったーっ!!
「ぶっ…えっ」
真広の眉がピクリと跳ねた。
自覚ゼロだったもんねー。
そうか、今回はあっちもこっちも自覚させる回ですか。
葉風の方は否定し、
あんな年下のうらなりが恋愛対象になるものかと
笑ってる。
第一、吉野には彼女が居る。
あんな男に彼女がいるとは奇跡だと言って
彼を落としておきながら、
潤兄ぃに、それで?と続きを促されると
もじもじしながら吉野を褒めだしましたよ。
たいした男ではある。
富士での豪腕にして緻密な駆け引きには
死ぬような目にあいながら気にしてはおらず
胆力は非凡、かと思えば実に細やかで気が利く所もあり
若いから至らぬ点もあるが
それぐらいなければ愛嬌がない。
身体つきはなよっとしてそうで、
意外に肉付きや胸板はしっかりしている。
こっちが恥ずかしくなるぐらいベタ褒めだな、おい。
「あ、いや触れたことは無いのだが…
というか、触っては駄目だろう!
触れるなら耳たぶとか丁度よく
柔らかそうで、一晩中でも触っていられる気がするなぁ」
ちょっと葉風、キミ、吉野のこと好きすぎるだろそれ。
髪も梳かしたいってペットか人形みたいだな。
「触りたいとか、耳たぶとか、それ、
完全に恋してるよね」
ええ、ほんとに。
葉風はおめめばちくりばちくり。
「え…してるのか」
「そうでもない相手の耳たぶを
一晩中でも触っていられる方が怖いかな」
ですよねぇ。
そういえば、と葉風はようやく気づく。
ホテルで吉野が携帯で彼女の写真らしきものを
じっと見てた時に、なぜか猛烈に腹が立ち、
同時に寂しくも感じた、あれは…と。
「そうかー!!それでだったのか!恋!!」
驚き方が豪快ね、箱入り姫さま。
そしてこちらも…
「恋だあ?馬鹿いえ!妹に恋する兄が
居るわけないだろ」
妹じゃないって言ったのは自分ですよ、真広。
休憩だと言ってペットボトルをめぐむに投げる。
礼を言うめぐむに、真広は相変わらず不機嫌声で告げる。
まだめぐむのこと、愛花を殺した犯人かもしれないと
疑ってはいるのだと。
二人のやりとりを見ていた山本が
意外に良いコンビかもしれないと言い出す。
例の計画はいよいよ実行だそうですよ。
今まさに早河が、左門を説得中らしい。
堅実第一の彼が、素直に同意するかどうか。
そう言われて夏村がクッと笑う。
「左門殿は堅実といっても、
堅実に大勝負される方でもあるのですけど」
うんうん、そうね。
書類に目を通している左門に
既にデザインを終えて製作に入っていると
早河がつけ加える。
それってあの戦隊モノ?
自分達はあまりにも、はじまりの樹と絶園の樹を知らなさ過ぎる。
二つの樹はどういう神なのか、
理をどれほど操れるのか、
はじまりの樹はいつからそこにあったのか。
この計画はそこまで白紙にして考えるきっかけになるのだと
早河が言う。
言ってることカッコ良さそうだけど、
あの衣装と結びつかないんですが…。
確かに鎖部一族にとって、
魔法や樹は、あまりに身近でありすぎるため
前提から誤って捕らえていた恐れはあると
左門は認める。
「計画に手を貸そう。ただしこの先、
実行において勝手な判断は認めんぞ」
それは早河も承知している。
後は葉風が何というか。
「てこずりそうだな」
「あぁ。内容からすると、
説得には時間がかかるだろうな」
ところが…
「好きにしろ!何かあっても私がはじまりの樹に
干渉すれば、すぐ収まろう」
「ぇっしっしししかし、けっ計画の詳細も知らないまま…」
「くどい!」
ツー、ツー、ツー、ツー…。
「ぁ…」
ぷぷぷぷぷーっ。
左門最高。
こういう左門を、また見たかったよね皆さん。
左門はやっぱ、こうでなきゃ。
ぷぷぷ。
ま、タイミング悪かったよね。
姫様、今それどころじゃないんですよ左門。
だいたいからして、この作品、
メインキャラたちは、みんな、
世界より恋人が大事ですから。ふふ。
それよりこれからどうすれば良いのか。
まさか吉野に恋するなんて予定に無いと
葉風はジタバタ。
ほんと、恋する女の子になっちゃいましたねアナタ。
恋はもともと予定してするもんじゃないですよ。
でもそれはともかく、
吉野を好きになるのはまずいと潤兄。
今は色恋に現を抜かしてる場合じゃないと
分かってると葉風は返すが、
そうじゃないよね。
吉野には彼女が居る。
彼女の居る相手を好きになるのは不毛だからと
納得する葉風ですがそれも違う。
葉風が吉野との関係を強く望むなら
「その彼女、はじまりの樹に殺されるよ」
葉風もこれには息を呑む。
まぁ、もう死んでますけどね。
でも潤兄ぃも知らないしね、それは。
葉風の望みをかなえるために…
それは、十分考えられること。
後に葉風が恋する予定で、
愛花が先に死ぬことになったってのも
ありかしら。
吉野はそのころ戦隊ショー見てました。
これは例の計画のじゃないよね。
「はじまりの樹の下で僕と握手!」
はぁ?
あの衣装は、めぐむが着るんですか。
じゃあOPのあれも。
「絶園の魔法使い!いよいよ
メジャーデビューだぁ~!」
知らんかった。
今までインディーズやったん?
ED~♪
予告
え?幽霊?
そしてめぐむはこき使われるのか。
…頑張れ。
◆グッズ
前回の感想
#1
「絶園のテンペスト」#1【魔法使いは、樽の中】狂気な豊永さんが新鮮。
#2
「絶園のテンペスト」#2【彼女はとてもきれいだった、と少年は言った】
真広、ひょっとして知ってたりする?
#3
「絶園のテンペスト」#3【できないことは、魔法にもある】
クセになってきました。
#4
「絶園のテンペスト」#4【罰あたり、ふたり】
ちびの頃から全然変わってないのな、この2人…。
#5
「絶園のテンペスト」#5【全てのことには、わけがある】
どうなってるのーっ!?
#6
「絶園のテンペスト」#6【矛盾する、頭蓋】真広がいとしい…。
#7
「絶園のテンペスト」#7【ファースト・キス】
吉野さんと合うのは真広みたいなのです。ぷぷぷ。
#8
「絶園のテンペスト」#8【魔女を断つ、時間】衝撃的な事実…。
#9
「絶園のテンペスト」#9【彼氏】真広はつくづく面白いキャラ。
#10
「絶園のテンペスト」#10【タイムマシンのつくり方】
今回も笑わせて頂きました。
#11
「絶園のテンペスト」#11【時の娘】それは愛花のことかい?
#12
「絶園のテンペスト」#12【しばし天の祝福より遠ざかり……】
おいこら、こんなところで年越え!?
#13
「絶園のテンペスト」#13【夢の理】2週間待ったのに、これだけ?(泣)
#14
「絶園のテンペスト」#14【あけましておめでとう】
別アニメみたいになりましたね。
※現在右クリックは利かない設定になってますので、
TBをいただけるようでしたら、
お手数ですがプラウザのコピーを利用してください。
(文字ドラッグして、編集↓コピー)
OP~♪
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真広ったら機嫌悪そう。
左門とお買い物ですか。
あぁそういえば元旦でしたねぇ、
初売りか。ふふふ。
左門と初売り攻めかぁ、
あはは、確かに変な図ですね。
身の回りのものを揃えなきゃいけないし頼まれたものもある。
メモを片手に買い物する左門って、ちょっとかわいい。

おぉピンクのブリーフ。
「随分派手なのはくんだな」
「お前の着替えだが?」
左門的には、真広はこういうイメージなわけね。

めぐむは今頃、顔合わせしてるそうだけど…。
あれ?左門が会うんじゃないの?
真広とすぐに顔を合わせるのを避けたくて
彼を連れ出したんですか。
それもあると認めた左門ですが
物事には段取りがある。
真広に合わせる前に、こちらが先に
人物確認をするのが当然だと返す。
「そいつ、本物なのか?」
「姫様の見立てでは、間違いなく」
そうね、力はあったわね。
その頃、葉風もめぐむについて考えていた。
力は間違いなく絶園のものだが
それは同時に愛花の容疑者ってことにもなる。
果たして真広はどう動くか。
ホテルのロビーで待たせてる吉野を見つけ
声をかけようとした葉風ですが、
携帯画面をじっと見つめる彼を見て、
声を出せなくなる。
胸がキュンと痛みますか?
痛みますよねぇ。
めぐむは一人でこっちへ来させられたのか。
流されてる気がする、と思いつつも
「優しい人だといいなぁ」
おい!山本、会った事もない相手に
なんちゅうメール送ってんねん!

文章は『待ってるヨ』タイトルだけで、
貴女のウィンク画像ですかー。
めぐむの第一面接者は、山本と夏村なのね。
どうしてもフロイライン山本と呼ばせたいのか。
でもめぐむの視線は、隣の夏村に釘付けですよ。
目が怖いよね。
「こちらは魔法使いの夏村君。
親しみやすくナッツと呼んであげてね」
「呼ばんでください」
ほんとだよ、そんな変な愛称つけないで!

まずは色々聞かせてと山本にニッコリ微笑まれて
めぐむったら顔赤くしてるー。
-あー優しい人で良かったぁ。
甘い甘い。
女を知らないね、キミは。
哲馬は運転手兼、左門のボディガードですか。
でも左門の方が力強いんじゃないの?
必要なのか?ボディガードなんて。
あぁ真広に対しての牽制か。
「誰がいまさら」
そうよね、状況も変わったし
とりあえずは停戦よね。
「矢印野郎だからって逆走するんじゃねーぞ」
いやそれは関係ないだろ真広。

よく諦めないでいられるな、と真広が左門に言う。
長年かけた計画が、冗談みたいな展開であっと言う間に
砕かれるという奇跡をくらわされたばかりなのに。
逆に左門が真広に問います。
もし滅んだ世界を目の前に神様が現われたとする。
お前がどうやっても
この結果を変えられなかったのだと言われるのと
お前が諦めなかったら
この結果は変えられたのだといわれるのと
真広なら、どちらがいいか。
「いやな神様だな」
「神とはそういうものだ」
諦めた後で実は勝ち目があったと言われるのなら
諦めなかった後で勝ち目がなかったと言われる方が
左門はマシだと思うわけです。
真広ならどうなのか。
愛花を殺したのは、はじまりの樹の理かもしれない。
ならば途中で復讐を投げ出すか。
「お前には、俺がそんなまともに見えるのか」
左門はお互い往生際が悪いなと少し笑う。
あ、名前は真広だけでいいってさ。
なんか親しくなった感じですわね。むふふ。
あ、哲馬が気にしてミラー越しに見てるのかなコレは。
焼いちゃダメだよ。ふふ。

一方、めぐむは、力を少々見せてました。
魔法を使うのに手続きも供物も必要としないことに
夏村は相当驚いてますね。
出すぞーってイメージだけで出るらしい。
便利ねぇ。
体力や精神力の消耗も無いらしいよ。
夏村がめぐむを凄い、と思ってる横で
山本は、葉風の見立てとおりいかにも使えなさそうって
評価してるところが面白い。
それではどのぐらいの正確さで
相手を攻撃が出来るのかと夏村に訊かれ、
めぐむははじまりの樹の一部である大樹に手を当て
樹だけを消し去るイメージを頭に浮かべた。
すると…
一瞬で樹が跡形も無く消え、生えてた場所に穴まで
出来ちゃったよ。

隕石が落ちたか、UFOの降りた跡っていうぐらい
デカイ穴開いたよー。
山本は大慌てでめぐむを掴むと
車に乗せて一目散に走り出しました。
「なぁにやってんのよぉ!」
「た、試しにちょっと…」
「ちょっとじゃないでしょ!
以後!こっちの許可なく魔法を使うな!!」
「はいっ!約束します!!」
-ううっ…
あんまり優しい人じゃなかったぁ。
だから言ったでしょ。
まぁキミは多分、その…なんだ。
女運無いというか、女にゲシゲシされる運命かも。
かくして、めぐむもおせち料理ですか。
あっ真広が猛烈に不機嫌顔。
「えー、ではこれより、
羽村めぐむ君の殺人容疑に関する取調べを
行いたいと思いまーす」
いきなり殺人容疑ってねぇ…。
めぐむも可愛そうに。
真広もくどくど訊くつもりは無い。
ひとつだけ答えろと続ける。
約1年前の11月23日午後10時から午前0時の間
どこにいたか。
「その日その時、俺の妹が殺された。
翌朝俺が死体を発見した」
未だ犯人は分からないという真広に
気の毒にと、めぐむは声を落とす。
同情も感傷も真広には不要。
それに今の世の中の状況から行くと
どちらかというとマシな話。
ただ真広は愛花を殺した犯人が生きて存在していることが
許せないだけ。
それは不合理でつじつまが合わないから。
「それが正せるなら、俺は何とでも引き換えにする」
「あの…」
「あ?」
「愛花って、誰?」
ぷぷぷ。
文脈から読み取れって怒られちゃったよ。
なにはともあれ、魔法を使って犯人を捜した結果
絶園の魔法使いが最有力容疑者としてあがった。
「答えろ、11/23日の深夜、どこで何をしていたのか!」
顔が怖いよ、真広。
そんな前のこと覚えてないと困っためぐむですが
思い出しました。
ゆっちゃんと居たことを。
高2の時から付き合ってる彼女で、
肌が雪みたいに白いからゆっちゃん。
…本名じゃないのかよ、
由紀子、とかなのかなと思ってた。
じゃあそのゆっちゃんに確認すればアリバイは証明できるのか。
出来るが彼女に合わせるわけにはいかない、と
めぐむは真剣な目を向ける。
この件はおかしなことばかり。
どんな危険があるか分からない。
「ちょっとでも、ゆっちゃんを巻き込みたくない」
おやおや、男を見せますね。
真広と山本がちょっと見直したっぽいのに、
最近振られたばかりで気まづく、
メールも電話も拒否られて
引っ越した噂もあると現実を告げちゃうから
真広に怒鳴られた。
「それ、お前自身すら会えねぇだろ!!」
ですねー。
もういいとふてくされる真広に
疑いは晴れたのかとめぐむは喜ぶが
「後は直接、お前の身体に聞く」
ぶふふふふ。
「…えっ。(ぱちくりぱちくり)
えっええええー!?」
ぷぷぷぷぷ。
いやいや、キミが今想像してるのとは違うと思うよ、
両肩抱いて怯えるのやめれ。
ほらほら、こういうことよね。
ジムのレスリング用のマットの上で、
ジャージ姿の真広とめぐむ。
早速めぐむが倒されたようですが、
何すんだと抗議してる。
葉風と一緒ですよ、キミの力を見せてみろってこと。
真広は葉風と違って魔法使いじゃないけど
魔具で多少は使えるしもともとの身体能力高いから
手強いわよ。
めぐむは絶園の魔法使い。
本気で殺しにかかれたら、さすがの真広もひとたまりもない。
でもそれが出来るようなら、
愛花も殺せた筈。
うわ…それ言われたら本気出せなくない?
「仮に俺がここで死んだとしても
吉野と葉風は
俺の仇を討ってくれるだろうなぁ」
うわー、チンピラみたいだよ真広ぉ。

そんなやりとりを聞いて、左門が内心クッと笑う。
相変わらず真広は駆け引きが上手い。
まともな者ならああいわれれば慎重になる。
まためぐむが意図を持って
冷酷な心を隠していたとしても
この状況で不用意に葉風を敵に回す道は選ばないだろうから。
そして真広はめぐむをあおる。
そんなだらしないから彼女に振られたのではないか。
「いや、そもそも彼女だったかどうかも怪しいなぁ」
「うん」
うん?あらあら、左門まで加わったよ。
「実在はするが一方的に彼女と思い込んでいる可能性もあるな」
ぷぷ、真広と左門、よいコンビになってないか?
ストーカー野郎とまで真広に言われ、
さすがのめぐむも怒ったーっ!!
そして放った攻撃。
真広はよけもしませんよ。
攻撃は真広の身体の左右をすり抜け壁へ。
かすりもしてません。
真広は分かってたんだろうな、当てないってこと。
で、足でめぐむの顔面を踏むように蹴る。
やるなら手足をぶったぎる気でやれってさ。
めぐむには無理でしょー。
-どうしよう…
なんか勝てる気がしないよ…
どうしよう、物凄い梶さんキャラだよ、この子。
左門もちょい呆れてる?
力は本物でも心が弱すぎる。
吉野の方が絶園の魔法使いとしては相応しいと
どうしても思えるみたいですね。
でも吉野は魔法、使えませんよ?
山本達のことも、今は協力関係にあるが
左門は信用してるわけではないのね。
彼らは何やら企んでいるようでもあり
一層油断ならないことになりそうだと警戒を強める。
あぁこれが今回のタイトルですか。
早河と山本が駐車場に停めた車の中で
会ってるのは、早河の元部下かな?
情報流して貰ってるようです。
めぐむが開けた大穴の件、政府も頑張ったようですが
抑えるのは無理だったようね。
ネットでは絶園の魔法使いの仕業という噂が
流れてるらしいが、それ当たってるし…。
海外からの調査団が富士に入山した件。
あ、この間思わせぶりなシーンがありましたね。
彼らもそれほど間抜けではない。
すぐに鎖部の魔法の秘密にも辿り着くだろうと
早河は推測。
山本はまずいじゃないかと口を出しますが
早河は否定。
これまでは防戦一方だったが、
二つともこちらから攻める良い武器になるってさ。
「随分楽しそうね」
ほんと、楽しそうだ、早河。
部下としては早く中央に戻って欲しいみたいだけど。
で、また動きがあれば連絡くれるそうで。
良い部下だね。
例の件は早急かと訊く山本に、
左門の説得が先だと早河が告げる。
例の件って何?
「それと…」
「あのお姫様ね」
って、画面に出してる画像は戦隊モノの衣装というか
パーツじゃないか。OPで映ってるあれですね。
そして遊園地?
おやおや、吉野と葉風はデートですか?
「いちゃいちゃ…してるな」
「いちゃいちゃ…してますね」
キミらも周りから見たらカップルだろうけどね。
10億単位の人間が一夜で消失し
世界は異形に変容させられたというのに
以前と変わらず恋人同士は新年を祝い
こうして歩いている。
こんな危機感のない風景があっていいものなのか。
自分たちはまともな感覚さえ、
大樹に書き換えられたのかと葉風がぼやくが
吉野は否定する。
「それは違います」
はじまりの樹が現れる前から
世界では戦争や飢え、犯罪や災害、
貧困や病で、毎日何万という死者が出ていた。
なのに危機感は誰も持っていなかった
「何億死のうと、もともと世界はこんなです」
確かにそうだけど、
吉野ってば達観してるなぁ。
いっそ今は、死者の数を先払いしたみたいに、
世界中から争いがなくなり
歴史上、もっともこの光景が相応しい時代に
なっているのかもしれない。
吉野ってばアンタいくつよ、
高校生の台詞じゃねーぞ。
少し不思議だと葉風が言う。
「お前の物の見方はSF的だということだ」
「SFの略は、少し不思議じゃありませんよ」
ぶっ、そんなアンタ真顔で。
「あっ、それもありだったかな」
えっ、ありなの?
しかも時々、どこを見ているか分からない。
視野が広いのか狭いのか
優しいのか冷たいのかもはっきりしない。
葉風が文句つけると、
「はぁ、すみません」
吉野は頬をぽりぽりしながら謝る。
「謝るようなことではない」
結局、今のままがいいということなのかと
葉風が少ししょげ顔で俯いたところで
「やぁ!一週間ぶり」
出たーっ潤兄ぃ。
いつも神出鬼没だねぇ。
そして発言も唐突。
ポケットから千円札出して、吉野に三人分の
暖かいコーヒー買ってこいってさ。
吉野はパシリですか。
でも吉野も意味を分かってるようで、
すんなり応じて席を立つ。
二人で話すことがあるってことよね。
「葉風ちゃんさ、吉野君に、恋してるよね」
しばしの間のあと、
「はぁあああああああ~?」
いやカメラに顔近づけなくてもいいから。
そしてこちらも、
「はぁあああ~っ!」
めぐむの特訓中。
魔法使いの攻撃が、一般人の高校生に
ひょいひょいかわされてる。
まぁ一般人でも真広はタダ者じゃないけど。
でも今は別に魔具使ってもいないんだしね。
めぐむも少しはサマになってきたようです。
真広のジャージの袖が少し切れてる。
肌にはかすってもなくて器用に切ってるよ。
でも真広は、切るなら骨までぶった切れってよ。
おいおい、それ、後で治すの左門なんでしょ?
保険あっての台詞よね。
なんだか不思議だわ。
ついこの間までは敵対していたのにね。
「だから!血を見るのが怖いんだよ!」
ほんとにキミ、絶園の魔法使いなんですかねぇ?
え、もう数日も経ってるんですか。
毎日ここでトレーニング?
そういやぁ今日は左門じゃなく、哲馬が居るね。
真広の特訓で、めぐむの魔法の精度も
わずかだが向上しているそうな。
「しかし、あまりに精神が弱すぎるのが
気になりますが…」
言われて山本も胸中で思う。
精神面でいうなら吉野の方が…、と。
みんな吉野を絶園の魔法使いにしたがるなぁ。

そういえば、と真広。
めぐむが、はじまりの樹を倒すべく
富士に向かっていたこと、聞いたのね。
「そんなんでよくそんなだいそれたことを考えたな」
ですね。
「それは…世界を救ったら、ゆっちゃんに
見直してもらえるんじゃないかって」
めぐむの原動力はゆっちゃんですものね。
振られた女のためにとは、不純な動機だと
真広がバサリ。
そしたらば…
「そんなこと…
シスコンの君に言われたくないよ!」

よく言った!!
「あぁ?」
真広がヤクザな顔で睨む中、
外野の三人がハッとし、
夏村は顔を隠すように帽子を頭に乗せ
こっそり口の端を上げ、
山本はツンと顔を上げてすまし、
哲馬は眉間を指でつまむ様にして、
笑いをこらえたわね、あなた達!!
-よくぞ言ってやった!
-誰もが一回は、言ってやりたかった!!
-禁断の言葉を。
ぷぷぷぷ。
楽しいね、あなた達。
で、誰がシスコンだと
めぐむはまた、真広に顔面キックされてます。
かわいそうに…。
だいたい血の繋がりはなく戸籍の上では妹だが
実際は妹でもなんでもない、
だからシスコンじゃないと真広は言い切る。
真広は勝ち誇った顔してますけど
それ聞いてめぐむがバサリ。
「それ、シスコンどころか」
「どころか?」
「ただの恋なんじゃ」
言っちゃったーっ!!
「ぶっ…えっ」
真広の眉がピクリと跳ねた。
自覚ゼロだったもんねー。
そうか、今回はあっちもこっちも自覚させる回ですか。
葉風の方は否定し、
あんな年下のうらなりが恋愛対象になるものかと
笑ってる。
第一、吉野には彼女が居る。
あんな男に彼女がいるとは奇跡だと言って
彼を落としておきながら、
潤兄ぃに、それで?と続きを促されると
もじもじしながら吉野を褒めだしましたよ。
たいした男ではある。
富士での豪腕にして緻密な駆け引きには
死ぬような目にあいながら気にしてはおらず
胆力は非凡、かと思えば実に細やかで気が利く所もあり
若いから至らぬ点もあるが
それぐらいなければ愛嬌がない。
身体つきはなよっとしてそうで、
意外に肉付きや胸板はしっかりしている。
こっちが恥ずかしくなるぐらいベタ褒めだな、おい。

「あ、いや触れたことは無いのだが…
というか、触っては駄目だろう!
触れるなら耳たぶとか丁度よく
柔らかそうで、一晩中でも触っていられる気がするなぁ」
ちょっと葉風、キミ、吉野のこと好きすぎるだろそれ。
髪も梳かしたいってペットか人形みたいだな。
「触りたいとか、耳たぶとか、それ、
完全に恋してるよね」
ええ、ほんとに。
葉風はおめめばちくりばちくり。
「え…してるのか」
「そうでもない相手の耳たぶを
一晩中でも触っていられる方が怖いかな」
ですよねぇ。
そういえば、と葉風はようやく気づく。
ホテルで吉野が携帯で彼女の写真らしきものを
じっと見てた時に、なぜか猛烈に腹が立ち、
同時に寂しくも感じた、あれは…と。
「そうかー!!それでだったのか!恋!!」
驚き方が豪快ね、箱入り姫さま。
そしてこちらも…
「恋だあ?馬鹿いえ!妹に恋する兄が
居るわけないだろ」
妹じゃないって言ったのは自分ですよ、真広。
休憩だと言ってペットボトルをめぐむに投げる。
礼を言うめぐむに、真広は相変わらず不機嫌声で告げる。
まだめぐむのこと、愛花を殺した犯人かもしれないと
疑ってはいるのだと。
二人のやりとりを見ていた山本が
意外に良いコンビかもしれないと言い出す。
例の計画はいよいよ実行だそうですよ。
今まさに早河が、左門を説得中らしい。
堅実第一の彼が、素直に同意するかどうか。
そう言われて夏村がクッと笑う。
「左門殿は堅実といっても、
堅実に大勝負される方でもあるのですけど」
うんうん、そうね。
書類に目を通している左門に
既にデザインを終えて製作に入っていると
早河がつけ加える。
それってあの戦隊モノ?
自分達はあまりにも、はじまりの樹と絶園の樹を知らなさ過ぎる。
二つの樹はどういう神なのか、
理をどれほど操れるのか、
はじまりの樹はいつからそこにあったのか。
この計画はそこまで白紙にして考えるきっかけになるのだと
早河が言う。
言ってることカッコ良さそうだけど、
あの衣装と結びつかないんですが…。

確かに鎖部一族にとって、
魔法や樹は、あまりに身近でありすぎるため
前提から誤って捕らえていた恐れはあると
左門は認める。
「計画に手を貸そう。ただしこの先、
実行において勝手な判断は認めんぞ」
それは早河も承知している。
後は葉風が何というか。
「てこずりそうだな」
「あぁ。内容からすると、
説得には時間がかかるだろうな」
ところが…
「好きにしろ!何かあっても私がはじまりの樹に
干渉すれば、すぐ収まろう」
「ぇっしっしししかし、けっ計画の詳細も知らないまま…」
「くどい!」
ツー、ツー、ツー、ツー…。
「ぁ…」
ぷぷぷぷぷーっ。
左門最高。

こういう左門を、また見たかったよね皆さん。
左門はやっぱ、こうでなきゃ。
ぷぷぷ。
ま、タイミング悪かったよね。
姫様、今それどころじゃないんですよ左門。
だいたいからして、この作品、
メインキャラたちは、みんな、
世界より恋人が大事ですから。ふふ。
それよりこれからどうすれば良いのか。
まさか吉野に恋するなんて予定に無いと
葉風はジタバタ。
ほんと、恋する女の子になっちゃいましたねアナタ。
恋はもともと予定してするもんじゃないですよ。
でもそれはともかく、
吉野を好きになるのはまずいと潤兄。
今は色恋に現を抜かしてる場合じゃないと
分かってると葉風は返すが、
そうじゃないよね。
吉野には彼女が居る。
彼女の居る相手を好きになるのは不毛だからと
納得する葉風ですがそれも違う。
葉風が吉野との関係を強く望むなら
「その彼女、はじまりの樹に殺されるよ」
葉風もこれには息を呑む。
まぁ、もう死んでますけどね。
でも潤兄ぃも知らないしね、それは。
葉風の望みをかなえるために…
それは、十分考えられること。
後に葉風が恋する予定で、
愛花が先に死ぬことになったってのも
ありかしら。
吉野はそのころ戦隊ショー見てました。
これは例の計画のじゃないよね。
「はじまりの樹の下で僕と握手!」
はぁ?
あの衣装は、めぐむが着るんですか。
じゃあOPのあれも。
「絶園の魔法使い!いよいよ
メジャーデビューだぁ~!」
知らんかった。
今までインディーズやったん?
ED~♪
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予告
え?幽霊?
そしてめぐむはこき使われるのか。
…頑張れ。
◆グッズ
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前回の感想
#1
「絶園のテンペスト」#1【魔法使いは、樽の中】狂気な豊永さんが新鮮。
#2
「絶園のテンペスト」#2【彼女はとてもきれいだった、と少年は言った】
真広、ひょっとして知ってたりする?
#3
「絶園のテンペスト」#3【できないことは、魔法にもある】
クセになってきました。
#4
「絶園のテンペスト」#4【罰あたり、ふたり】
ちびの頃から全然変わってないのな、この2人…。
#5
「絶園のテンペスト」#5【全てのことには、わけがある】
どうなってるのーっ!?
#6
「絶園のテンペスト」#6【矛盾する、頭蓋】真広がいとしい…。
#7
「絶園のテンペスト」#7【ファースト・キス】
吉野さんと合うのは真広みたいなのです。ぷぷぷ。
#8
「絶園のテンペスト」#8【魔女を断つ、時間】衝撃的な事実…。
#9
「絶園のテンペスト」#9【彼氏】真広はつくづく面白いキャラ。
#10
「絶園のテンペスト」#10【タイムマシンのつくり方】
今回も笑わせて頂きました。
#11
「絶園のテンペスト」#11【時の娘】それは愛花のことかい?
#12
「絶園のテンペスト」#12【しばし天の祝福より遠ざかり……】
おいこら、こんなところで年越え!?
#13
「絶園のテンペスト」#13【夢の理】2週間待ったのに、これだけ?(泣)
#14
「絶園のテンペスト」#14【あけましておめでとう】
別アニメみたいになりましたね。
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