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「絶園のテンペスト」#22【不破愛花】良いオトコだな真広。

前話の予告でめぐむが吼えていたから
どうなるんだろうと思ってましたが
いやはや。
感情高ぶると危険な坊やですなぁ。
私の吉野と真広に何してくれんねん。(あ)
暴力はいかんぞ!
でも、人のことなのに、
泣いて抗議するキミは
やっぱり良いヤツだと思います。

んでもやっぱ、
真広の男前ぶりには負けますね。
真広はやっぱ、良いオトコだわー。


※原作未読のくせに勝手にあれこれ想像して書いてます。
 決して正しい回答ではありませんので
 適当に流してくださいませ。
 原作既読の方は、「そうじゃねーよ」と思われても
 放置してやってください。
 今はまだ、ネタバレ見たく無い気分なので。
 宜しくお願い致します。


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「メシ?」
おっまだ中学生ぐらいな顔の吉野と真広。
奢ってやると真広に言われ、タクシーに乗り、
向かった先は高級レストラン。
なるほど、愛花と初めて会った日の回想か。

真広の父親と愛花の母親が再婚したわけね。
まぁそんなことだろうとは思ってたが。
で、この日、初顔合わせの筈が、
真広の父親は急用で来れなくなり、
愛花の母親も1時間ほど遅れるらしい。

真広ったら、一人じゃ場が持たないと思って
吉野を巻き込んだな。
しっかし家族の顔合わせに友達連れて行くかね。
でもそこが真広なんだろうな。
それに男の子って、ちょっとこういうトコあるよね。
大事なツレは、時に彼女や家族より
優先になってたりする。

こちらは現在。
車中で早河が電話を切って溜息。
都合の悪い方へ物事が流れてきてるようね。

はじまりの樹保護の方針が
主要国政府で決定されたらしい。
反対運動、破壊活動に対しても
いずれ圧力を加えて行くよう、指示が出た。

こうならないように手を打って来たが
儚い抵抗だったのかもと早河の沈んだ声。
「御柱の出現で流れが変わったのは
仕方無いんじゃない?」
おやおや、御柱、なんて名前が付いたのかあれ。

葉風の帰還を待たずに、かろうじて最後の絶園の果実を
飛ばせておけただけでも良しとすべきだと哲馬。

御柱の調査船に忍ばせた鎖部の者からの報告も
芳しくないようです。
後は葉風がどう判断するか…。

葉風はもう戻って来ていて、
左門と共に不破家の墓に来ています。
あぁ例の手紙、ここに隠しておいたのね。
手紙は時空を超えれないからな。

魔法でここに隠していたということだが、
ここって墓の前だから、吉野が何度かしゃがんで
手を合わせていたよね。
てことはだよ?

……踏んでないか?
余計なお世話かしら。

「よもや不破愛花が絶園の魔法使いであったとは」
そら左門にしたらそうでしょうね。
彼女を知ってる我々からしたら、
そうとしか思えない子だったけど。

可能性としては十分考えられた、と葉風。
だがそれを考えられるほどに強いものは
いなかったというだけ。

当然、真実を二人にも話すわけですよね。
「そう約束した。
それに、話さねばこれを渡すことも出来んだろ」
そう、愛花からの最後のメッセージですからね。
彼らだって欲しい筈。

二人が真実をどう受け止めるか。
葉風を逆恨みするのではないかと
左門は心配する。
いやいや、逆恨みされた方がマシだよね葉風。

かくして真実を話したのね。
二人は落ち着いて聴いてるなぁ。
二人に当てて愛花が残したのは、
手紙ではなくUSBメモリのようです。
映像でのメッセージになるのかな。

早く見たいでしょうけど、
はじまりの樹を倒して、全てが終わってからじゃないと
みちゃ駄目なんだよ、それ。

愛花の件となると、めぐむは一応部外者だからか
一人、丸テーブルの方に離れて座ってますが
心配そうに振り向いてる。

「本当にそれが真実なんだな」
「ああ、偽りなく!」
きっぱり言われて真広は頭をぽりぽり。
筆跡を見れば愛花が書いたと分かる真広は
疑いようがない。
「ようやく…つじつまがあったな」
ぽつりと落ちた言葉に、
葉風が膝の上の手をギュッと握り締めた。

「これで…いいのか?」
「いいも何も俺は真実を認めねぇ馬鹿じゃねぇぞ」
愛花が自分の意思で正しいと思ってやったなら
自分がとやかく言う筋合いのものではない。
真広ったら、えらく冷静だなぁ。

「愛花は愛花らしく、自分の理屈を通したんだ。
褒めてやるよ」

あらまぁ。
ここで振り返って笑う愛花の顔が思い出されてますが
これって真広に向けた笑顔じゃなく
吉野に向けたものでしたよね。
こんな恥らったような笑顔、真広は見たことないと思うが
妄想ですか?ぷぷぷ。

「俺にとってはこれで終わりだなぁ」
天井を仰いで、ややため息。
「これ以上は理屈に合わねぇ」
吉野にお前はどうなんだと真広が訊く。

「愛花ちゃんらしいっていうか、
思い切りの良さが男らしすぎるよなぁ」
ほんとにね。
ビックリだよ。
「僕らに相談出来なかったにしても
どうしてこうきっぱりしたことするんだか」

あ、真広がムッとしてる。
人の妹を男らしいとか言うなってさ。
更に吉野はズケズケ言いますよ。
普通の素直な良い子だったら
こんなことにはならなかっただろうしってさ。
うっはー。

「まるで愛花が性格が悪い歪んだヤツみたいじゃねぇか」
「いやいや、性格悪くて歪んでたって」
ははは、ほんと「みたい」じゃなく、その通りだよね。

「そうでなければ、付き合うこともなかったろうけど」
変わってる2人だから上手く行ったって所もあるものね。

吉野が葉風に礼を言う。
辛い思いをさせたかもしれないが、と。
うーん、吉野ってば、
なんでそんな風に気配り出来ちゃうのよ。
真広も助かった、なんて言ってる。
「あんまり、気にするな」
とまで言えちゃうってさ、どうなのよ。

「愛花の死は私に責任があるとは思わんのか」
葉風が声を強めて訊く。
愛花は、はじまりの樹のために死を選んだのであり
葉風が過去に戻らなかったら
死ぬこともなかったかもしれない。
葉風は姫宮として愛花の死には無関係ではありえない。

訴える葉風に真広が応える。
それを言うなら真広が愛花の復讐を考えなかったら
葉風は過去には戻らなかった。
吉野と付き合ってなかったら、
愛花は違う選択をしたかもしれない。
「だったら、俺と吉野も同罪だ」
そうね、どれか条件がひとつでも揃ってなかったら
べつの結果があったのかもしれない。
でも起きたことは起きたこと。
それは必然だったと思うしかないわね。

「いいか?
愛花の死は愛花の責任だ!
くだらねぇことを考えるな」

きゃあ、なんだよ真広。
カッコ良いやん。
声もイイ男声だわー。

「分かった…もう言うまい」
葉風は真広にはそう返し、
結局、愛花の言うとおりだと胸中では思う。

-二人とも大丈夫なのだ。
 愛花を思うゆえに、
 愛花が願うゆえに、
 二人は大丈夫であってみせるのだ。


でもそれって、良くないと思うんだよな。
心にとって。
 そういうこと続けると、壊れるぞ。

あ、めぐむがわなわなしてるー。

左門は、ひとまず乗り切ったとホッとしてるよ。

-彼らの知性心に感謝せねばなるまい。

でも山本はちょっと違うようね。

-二人に取り乱されても困るけど
 これじゃ完全に負けたみたいじゃないの。


っと、いきなりちゃぶ台ひっくり返ったよー。
それは食後にコーヒー飲ませて貰えなかった私の反応だ。
誰がやった!?
いや、そこで茶ぁ飲んでた子しか
考えられませんわな。

いや…ひっくり返るなんて可愛いもんじゃなかったな。
吹っ飛んでったなカウンターまで。
めぐむったら…。

「真広くん、いつまで痩せ我慢する気だい!?」
「ああ?」
「君は間違ってる!ここは怒るべきところだ!」
うんうん。

うっと一瞬たじろいだ真広ですが、
ここで怒るのは理屈に合わないんだってさ。

めぐむはタタッと走ってきて、
ぐーで真広の頬を殴ったかと思いきや、
背負い投げーっ!?
ちょっ!めぐむーっ!!

ふっ飛んだ真広が家具の角に身体ぶつけたじゃないか。
ちょっとやりすぎー。
頭打ったらどーするんだ。

「理屈理屈、うるさいわーっ」
ひぃえ~っ人が変わってるー。
驚いてたしなめようとした吉野の腹にも
思い切り拳いれたよーっ。

い、いま、ボキって言ったよ…。
ぷらす、何かみじゃけるような嫌や~な音が…。

「君も、君だーっ!!」
予告の台詞はここね。

んで吉野の顔を今度はぐーで殴ったよ…。
吉野の身体を受け止めた窓ガラスは
ヒビ入ってるし…。
怖すぎる。
めぐむってキレるとこうなるわけ?

みんな、唖然としてるよ。

「いくら理屈に合ってても。
愛花さんがそうと望んでいても
そんな風に平気な顔して受け入れるのが
正しいのかい?
それは人間として正しいのかい!?」

泣いてるし…。

そもそもその理屈は誰が作ったのか。
カッコつけてる場合じゃない。
周りなんて気にせず、怒って叫んで
泣くぐらいじゃなきゃ駄目。
愛花も馬鹿なことをしたと怒るべき。
「正しいなんて認めちゃ駄目だ!!」

ふむ、めぐむの言うことは正しい。
心のためには、そうすべきだと私も思う。
でもさ、暴力はいかんな。
普通の子の力じゃないんだからキミ。
下手したら、死ぬって。

不合理でも、理屈にあってなくても
そうしなきゃ駄目。
そんなだから二人はずっと、
復讐とかいって前に進めず後ろ向きなのだ。
「まだ何も終わっちゃいないよ!!」

ちょっと滅茶苦茶だし、
めぐむに言われる義理もないんだけどね。
でも、人のためにこんなに必死に泣きながら
怒鳴るって、
めぐむはつくづく良いヤツだなと思うわ。

で、爆発して散々感情と力をぶちまけた後、
ハタと我に返るわけだ。
「いってぇな!」
むくりと起き上がった真広の凶悪な声と顔に
ビビって青くなる絶園の魔法使い2号。
ふふふ。

御免と謝ると、
「いいさ」
意外な返事が真広から返る。
少しは気が晴れたってさ。

「それでお前、現状わかってんのか?」
そうそう。
これから大変なのはキミだよ。

まずははじまりの樹を倒さないと、
自分達には先が無い。
あれがある限り、泣こうが怒ろうが
じきに意味がなくなる。
なのに今、世界は、
はじまりの樹を保護する方向に流れてる。
つまり倒そうとすれば世界が敵になる。

真広はめぐむの肩に、ゆっくりと手を置く。
「はじまりの樹を倒せるのは
お前の持つ絶園の力だけだ」
ずいっと顔を近づけ
「お前はこれから世界を相手に
一番前で戦わねぇといけないわけだ」
わー、真広ったら、お返しとばかりにいじめてるー。
事実は事実だけどさ。

「でもよぉ、俺を投げ飛ばしたからには
出来ねぇとは言わせねぇ」
ぷぷぷ。

-し、しまったぁ。
 とんでもない責任を負っちゃったぁ。


はじまりの樹を倒せ、と真広。
「あれがある限り、何も始まらねぇし、
何も終わらねぇ」
真広の落ち着いた真面目な声。
「そう…だね」
苦しそうに吉野も同意して立ち上がった。

「まだ終わってない。
終わらせなければ、何も始まらない。
何も始まらなくても、
僕らは終わらせないといけないんだ」

うん、そうだね。
終わらせないと、愛花のメッセージも
見せてもらえないしな。

「ところで葉風さん。
治癒魔法を使ってくれませんか」
そうそう、さっきの拳、かなりキテるよね。

「さっき殴られた時、すごく、まずい骨が
折れたような…」
口から血がだらぁぁぁーっ。
ひぃぃぃぃぃーっ。

ちーん♪
あ、死んだ。

みんな、おおわらわですよ。
ははは。

さて、みんなで現状把握です。
御柱から半径20キロの周囲に20ヶ国から派遣された
巡洋艦級の武装艦が合計100隻、
360度散らばっている。
どの国も御柱に余計な手を出さないように
相互に見張りつつ、外部からの攻撃に迎撃する用意がある。
ただ、はじまりの樹が出現した時に、
各国とも軍事力の大部分が削られているため
ほどほどの戦力しか送り込まれてはいないようです。

とにかく御柱の20㎞圏内には入らないよう
申し合わせがされている。
現在、御柱の1㎞圏内には、
武装していない3隻の調査船がいるだけ。

あ、愛花の手紙に追記があったのか。

いずれどこかの海上に並外れた柱状の樹が出現する。
それがはじまりの樹の心臓部で、
それを破壊すれば、はじまりの樹は倒れる。
それが出現した後は、数年で文明がリセットされる。

愛花からの伝言ではっきりした、と左門。
「はじまりの樹を倒すにあたり、
破壊目標は御柱1つのみ」
しかし巡洋艦級が見張っている中、
破壊しにいくのは簡単なことじゃない。
世界は今、はじまりの保護を最上としているわけですしね。
絶園の魔法使いは敵でしかない。

どの国にも絶園の魔法使いを発見次第
撃墜もしくは捕獲が命令されているらしい。
あわわ、めぐむ、ピンチだね。

「妨害されても今の羽村なら
100隻ぐらい一瞬で灰に出来るだろう」
こらこら真広。
やれたとしても、やっちゃイカンやろ。

「何人死ぬと思ってるんだい!」
めぐむも抗議しますが、すかさず山本が
「出来てもやられたら困るのよ」
ほらねー。

御柱を破壊した後の事も考えなきゃいけない。
そんなことしたら、
その行為自体が非難の的になってしまう。
国際紛争の火種にさえなる恐れもあり。

つまり御柱を破壊するとなれば、
艦艇へは一切被害を出さず、
その上で妨害を潜り抜けなければならない。
そしてそれが出来たとしても、
一撃で破壊出来なかった場合、
当然御柱からの反撃も考えられる。
その反撃に周囲の艦艇が巻き込まれるのもまずいわけです。

保護が決まっていた、はじまりの樹に手を出したせいで
被害が出れば、絶園側への批判は避けられない。
自分達の勝利の条件は、周囲にいる艦艇、及び
内側にいる調査船に一切被害を発生させず
それらの妨害をくぐりぬけ、
御柱の攻撃からも艦艇を守った上で
御柱を破壊すること。

難易度高すぎやしませんか、それ。
てか、ぶっちゃけ
無理じゃないの?そんなの。

葉風や鎖部の魔法は当てに出来るのかと吉野。

御柱を中心として数十㎞、
少なくとも艦艇が配置されている海域で
鎖部の魔法がまるで使えないことは調査で
確認済みのようです。

「さすがにそこまで、私に破壊の加護を
与えてはくれんか」
そしてはじまりの樹保護が決まった現状では、
自分達に国家レベルでのバックアップも
期待できない。

「唯一、御柱に干渉出来るものは…」
みんな、一斉にめぐむを見る。
どれほど不利な条件でも今やらねば
この世界は滅びてしまう。

「ど、どうしよう真広くん…」
いや、真広に聞いてもね。

「周りは敵だらけ、
頼りになるのは自分だけ、か
だからどうだってんだ。
最初から俺らは、そんなだったさ」

真広のそんな声に、吉野がふっと笑う。

条件が決まってるなら
やれることも決まってる。
「この先どうするか、俺の考えを言うぜ。
とうに賽は投げられてんだ。
これから先は、俺がすべて背負ってやる」
うひゃーっ真広が背負うんですかっ。

まるで、あの時の真広だ、と
吉野はハッとする。
『俺が世界を救ってやるよ』
『ついでに世界を救ってやるよ』
真広は以前にもそう言ってましたね。
あくまでも愛花殺しの犯人を見つけるまでの
ついでとして。

-だけど、今復讐する相手は
 もうどこにもいない。
 それでも背負うんだな。
 真広。


夜。暗いリビングのキッチンにだけ
灯りが点り、吉野がコーヒー淹れてる。
リビングに来た真広に、
飲む?とでも言うように
吉野がコーヒーサーバーを
ひょいと上げて見せた。

二人きりでコーヒータイムか。
むふふ。

「結局、振り回されたわけだ」
「え?」
「愛花にさ」
まぁそうだな。

自分が正しいと思って勝手なことをしてと
真広がぼやく。
人に頼るタイプではないと言っていたが
最後まで貫いたと、少し寂しそうね。

初めて会った時から、愛花はそう言ってた。
最初から生意気ヤツだったと真広が
あの日のことを思い出す。
レストランでの初顔合わせね。

真広の父親は資産家で地元でも有名な実業家。
対して、愛花の方はつましい母子家庭。
そんな愛花の言葉を真広は
そういう話はどうでもいいと打ち消した。
『親同士、納得してんならそれで』
おぉ、良いオトコだな真広。

そしてそんなやりとりを横で見てる吉野は、
こんな大人しそうな子が真広と兄妹になるなんて
大丈夫だろうかと心配してた。
大人しそうな子もねぇ。
笑っちゃうわね。

『しっかしお前、日ごろ何食ってんだ?』
真広が立ち上がって愛花の手首をつかみ、
『痩せすぎじゃないか?
この腕なんか長ネギかよ』
うわー。

デリカシーの無い人、と
愛花は真広の手を振り払う。
あれ、吉野が愛花を野菜に例えたら怒ってたけど
キミだって例えたんじゃないか。

初対面の相手に、と愛花は怒りますが
きょとんとした真広は軽く反論。
じきに家族になる相手に気を使うことはない。
あらあら、なんて男前なの。
女扱いされるより、
家族扱いされる方が、
この場合、暖かいよね。

『お前も俺に気を使うな。
気に入らねぇならそう言え。
そうすりゃ無理せず
上手く付き合う距離もわかる』


うんやっぱり真広、良い男だわ。

では家族になるにあたり何と呼べば良いかと
愛花が真広に訊く。
『お兄様ですか?』
えー、気持ち悪いよ。
あっ真広の台詞と被っちゃった。
そうよね、そんなガラじゃないよね。

『じゃ真広』
『っ!いきなり呼び捨てかよ!』
『貴方は年上に必ず敬称をつけて呼ぶとでも?』
そういわれて、それもそうだと
納得しちゃう真広がいいわ。

それでいいぞと言われて、驚いたのは提案した愛花の方。
こりゃ好きになるわな。
あぁ、恋愛の好きじゃなくて、人間としての好き、ね。

怒ると思ったのに変な人だと真広を評価した愛花。
今度は矛先を吉野に向けた。
いくら親しい友達でも、
こういう場は遠慮するものと非難。
うん、それは重々承知してますよね。

『こいつはなー、何かあったらお前が頼るのに
都合がいいから、俺が誘った』
あら、愛花のためだったの。

どうして吉野かと訊かれ、
『俺よりタチが悪いからなぁそいつは。
誰とでも要領よく振舞える』
ふむ、それは確かに。

吉野に少しは怒ったらどうかと愛花がたしなめるが
図星だから怒れないらしい。
吉野も名前を呼び捨てされても
理由が納得出来れば怒らないクチ。

名前はまだ聞いてないという愛花。
そう、吉野って苗字だと思うよね普通。
吉野の両親、なんでこんな名にしたのかしら。

知らずにずっと馴れ馴れしく名前で呼んでいたと
気づいた愛花は恥じて小さくなりますが、
『いや、愛花ちゃんがそれで構わないなら』
『愛花…ちゃん?』
こっちも馴れ馴れしかったかと吉野は謝りますが
愛花には新鮮だったんだよね。
ちゃん付けで呼ばれたのは初めてだったから。

愛花はくすくす笑って言った。
『本当に…おかしな人たちですね』
嬉しかったんでしょう愛花。
これで二人はキミにとって特別になったんだね。

さてこちらはさっきまで皆で集まっていたジム。
真広の作戦をどうみるかと山本が左門に訊く。
現状での最善策は細部は違っていても
あれぐらいしかないと左門も思っていたそうです。

問題は、その策が本当に最善と
皆に信じさせられるかどうか。
「それが出来る者は、
我々ではないということだ」

視聴者の我々にはまだ教えて貰えてませんが
その真広の策とやら。
被害は最小限に収まるがその後の反応を考えると
左門的には迷う内容のようです。
左門のそんな様子に、真広は、
「抜けたことを言うな」

たとえ被害ゼロで御柱を破壊しても
世界は混乱し、戦争も起こるだろう。
どう転んでもはじまりの樹が無くなった後は
酷い時代が続くのは分かってる。

この状況を作ったのは愛花。
身内の不始末は身内が責任を負うもの。
「妹の失敗は兄の俺が引き受けるのが
道理だよな。
お前に責任を負わせるのは道理に合わねぇ」
そんな風に言われてめぐむは意外そうね。

だけど今はめぐむにしか出来ないことがある。
「だからここはお前に頭を下げる」
ええー。
凄いな真広。
あ、吉野がふっと笑ってる。
キミはちゃんと分かってるんだな。
真広がこういうヤツだってこと。

「心配するな。万一犠牲が出たとしても
それでも樹を倒したのは正しかった。
そう思える世界を俺が作ってやる」

どこから来る、その自信。
でも真広ならやりそうな気がしてきちゃうわね。

「大きくでたものだ」
思い出してそう言う左門の表情が
なんだかとても柔らかいわ。
あ、姐さんも真広なら出来そうに思えるのね。
うんうん。

でも真広も後ろに吉野が居なければ
あそこまでいえないだろうと左門。
いや吉野がいるからあれぐらいで済んでいるのではないかと
山本が返す。
かといって吉野だけでもロクなことにはならない。

「不思議な話よねぇ」
山本がしみじみと語る。
真広も吉野も
普通の高校生に過ぎなかった。
そして今も二人は特別な力を持っていない
ただの少年。

こちらは吉野と真広。
自分達が行って何が出来るのかと
真広に言われて吉野は
多少アイディアが出せるぐらいだと答えてる。
現場へ自分達も行くって話かな。
真広が妹の失敗を引き受ける責任があるなら
自分も彼女の失敗を引き受ける責任があるってさ。

盛大に溜息落とした真広。
「ぬけぬけと言いやがって」
ははは。

でも真広も、確かにここで傍観してる気分には
なれません。
ハハと笑って上目遣いで吉野を見る。
「付き合ってやるぜ」

真広と吉野。
強いていえば二人は特別な時、
特別な場所に居ただけ。
でもその過酷な場所から逃げなかったのは
紛れも無く二人の意思。
そして何をすべきか何が出来るか考え続けるのもまた…。
それは二人にとって、山本や左門達にとって
幸いとなるのだろうか。

「幸いであると、私は祈るよ。
ただ、何に祈っていいかは分からんが…」
そうね左門。
貴方達が神のように崇めていたものの正体が
分かってしまったわけですしね。

あ、また真広と愛花の初顔合わせの日に戻りますか。
『でもおかしな人達が近くに居る方が
いいのかもしれません。
どんな悲劇もきっと、
その人達と居れば
喜劇に変わって見えるかもしれませんから』


あぁ愛花。そうだね。
そのとおりだったんでしょう?
楽しかったのよねキミ。
彼らと過ごした日々。
だからその命を短く散らそうとも
満足だったんでしょうね。

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予告

「団体さぁん、こっちこっちー」
なにやってんだ山本。
「あーあ、ただの女の子だな」
それは葉風のことかい?

あぁもう終わっちゃうねー。
寂しいなぁ。


◆グッズ
絶園のテンペスト ~THE CIVILIZATION BLASTER~ ファスナーアクセサリー 【滝川吉野&不破真広】 城平京・左有秀・彩崎廉絶園のテンペスト ~THE CIVILIZATION BLASTER~ ファスナーアクセサリー 【滝川吉野&不破真広】 城平京・左有秀・彩崎廉
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前回の感想
#1
「絶園のテンペスト」#1【魔法使いは、樽の中】狂気な豊永さんが新鮮。
#2
「絶園のテンペスト」#2【彼女はとてもきれいだった、と少年は言った】
 真広、ひょっとして知ってたりする?

#3
「絶園のテンペスト」#3【できないことは、魔法にもある】
 クセになってきました。

#4
「絶園のテンペスト」#4【罰あたり、ふたり】
 ちびの頃から全然変わってないのな、この2人…。

#5
「絶園のテンペスト」#5【全てのことには、わけがある】
 どうなってるのーっ!?

#6
「絶園のテンペスト」#6【矛盾する、頭蓋】真広がいとしい…。
#7
「絶園のテンペスト」#7【ファースト・キス】
 吉野さんと合うのは真広みたいなのです。ぷぷぷ。

#8
「絶園のテンペスト」#8【魔女を断つ、時間】衝撃的な事実…。
#9
「絶園のテンペスト」#9【彼氏】真広はつくづく面白いキャラ。
#10
「絶園のテンペスト」#10【タイムマシンのつくり方】
 今回も笑わせて頂きました。

#11
「絶園のテンペスト」#11【時の娘】それは愛花のことかい?
#12
「絶園のテンペスト」#12【しばし天の祝福より遠ざかり……】
 おいこら、こんなところで年越え!?

#13
「絶園のテンペスト」#13【夢の理】2週間待ったのに、これだけ?(泣)
#14
「絶園のテンペスト」#14【あけましておめでとう】
 別アニメみたいになりましたね。

#15
「絶園のテンペスト」#15【何やら企んでいるようであり】
 こういう左門がまた見たかったんだ♪

#16
「絶園のテンペスト」#16【徘徊する亡霊】
 やっぱり吉野はつくづく内山さんだわ。

#17
「絶園のテンペスト」#17【マリンスノー】やっとパレたか、バラしたか。
#18
「絶園のテンペスト」#18【舞姫】面白いからいいや。
#19
「絶園のテンペスト」#19【願ったものは】
なんだよ真広、カッコ良いじゃないか。

#20
「絶園のテンペスト」#20【フーダニット(誰がやったか)】
ほらやっぱりキミだった。

#21
「絶園のテンペスト」#21【ファム・ファタール(運命の女)】
 意外にも、良い女だった。



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絶園のテンペスト 第22話「不破愛花」

冒頭は愛花と二人が初対面の時の回想でしたね! それにしても家族同士で紹介しあう場所に吉野を連れて行く真広も相変わらずというか そんなところに居合わせられる吉野も安定した巻

(アニメ感想) 絶園のテンペスト 第22話 「不破愛花」

投稿者・ピッコロ 絶園のテンペスト 1【イベントチケット優先販売申込券付】(完全生産限定版) [Blu-ray](2013/01/23)内山昂輝、豊永利行 他商品詳細を見る ☆アニメを濃く熱く語りたい

絶園のテンペスト ~THE CIVILIZATION BLASTER~ #22「不破愛花」

「オレにとってはこれで終わりだ。  これ以上は理屈に合わねえ」 『辻褄』と『理屈』で蓋をして抑え込まれた感情の行方。

絶園のテンペスト 第22話「不破愛花」

「始まりの樹を倒せ  あれがある限り何も始まらねぇし 何も終わらねぇ」 過去から戻って来た葉風から 全ての真相を聞いた真広と吉野 しかし始まりの樹を倒すには あまりにも状況が...

絶園のテンペスト 第二十二幕「不破愛花」

絶園のテンペストの第22話を見ました 第二十二幕 不破愛花 現代に戻ってきた葉風は墓に隠していた愛花のメッセージを回収すると、吉野と真広に愛花の死の真相を話した上で手

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橘 瑞来

Author:橘 瑞来
ここ数年、仕事と体調が
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本宅notresは
2014年5月8日を持ち
閉鎖いたしました。


音楽、アニメ、ゲーム、
声優サン好きで
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現在ハマってるものは、
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アニメ、ゲーム、漫画系は、
刀剣乱舞、グラブル、
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あと、進撃の巨人、黒執事
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